2015年度工学院大学 第1部機械システム工学科

制御工学II(Control Engineering II)[1B10]

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2単位
濱根 洋人 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
黄 慶九 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/01/21

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
制御理論の体系には古典制御理論と現代制御理論の2分野がある.この科目では数学的手法にラプラス変換を用いてフィードバックシステムのシステム解析・設計に必要な古典制御理論について学ぶ.古典の文字が付くことから古くさい内容の理論体系と受け取りやすいが,制御関連の仕事や研究を行う現場や部署ではこの理論体系が重要な役割をなしている.
 この授業での具体的な目標をあげると以下のようになる.
 (1) フィードバック制御の解析・設計を理解する.
 (2) PID制御とその設計・調整などを理解する.
この授業では理解を深める目的から演習を行いながら講義を進める.授業終了前には講義した内容の範囲内で出す課題を解かせる.次週に課題の解答を説明することで間違い部分を検証させ,理解度を高めさせる.

(JABEE学習・教育目標)
 「機械システム基礎工学プログラム」:D−2,3:◎
(JABEEキーワード)
 「機械システム基礎工学プログラム」: ラプラス変換,伝達関数,過渡応答,周波数応答,安定性,システム解析
(前提となる基礎知識と習得後の展開)
 本科目を履修する前に数学関連科目を履修しておく.特に,微分方程式論を習得しておく必要がある.本科目で習得した知識は現代制御理論,そして機械振動学、ロボット工学などの科目を履修するうえで役に立つ科目である.

<受講にあたっての前提条件>
数学基礎科目、工業数学、制御工学1を履修していることが望ましい。

<具体的な到達目標>
制御工学1に引き続き、古典制御のコントローラ設計部の詳細を身に着けることを目標とする。

<授業計画及び準備学習>
1. 周波数応答の原理
2.周波数応答の計算
3.ボード線図
4.フィルタ
5. ナイキスト線図
6. 安定論1
7.安定論2
8.フィードバックの基本
9.PID制御の補償
10. 位相進み・位相遅れ補償
11. PID調整法 1
12. PID調整法 2
13. アンチワインドアップ制御
14. フィードバック制御の解析法
15. 産業応用のPID制御技術

<成績評価方法>
成績評価は期末試験の80%と毎回講義終了前に行う課題(1点評価)の課題点の20%から評価点を算出し,評価点が60点以上を合格とする.
「機械システム基礎工学プログラム」の学習・教育目標 D-2,3,は上記の基準を満たせば達成できる.

<教科書>
横山、濱根、小野垣、「基礎と実践 制御工学入門」、コロナ社

<参考書>
指定なし

<オフィスアワー>
(別途指定する)

<学生へのメッセージ>
 制御工学は難解な数学をいじくり回す学問と思っている人が多いように見受けられる.しかし,ラプラス変換の基本概念さえ理解できれば,後の内容は四則演算を行うだけである.したがって,授業にはまじめに出席する必要がある.課題を評価点の一部に入れることから遅刻を認めない場合もある.


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