2015年度工学院大学 第1部機械システム工学科

材料力学II(Strength of Materials II)[5266]

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2単位
田中 克昌 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/01/21

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
材料力学は機械や構造物の強度設計を行うための必須の学問である.本講義では,「材料力学及演習I」において習得した材料力学の基礎的な考え方をもとに,さらに発展させた問題について学習することによって,以下の到達目標を達成する.
・身の回りの機械や構造物を見て,最も壊れやすい箇所や破損の原因を判断できる.
・部材や構造物に作用する応力状態をもとに,安全な設計が行うことができる.

<受講にあたっての前提条件>
・「数学I・II」を受講し,微分積分の計算や微分方程式の解法を習得しておくこと.
・「物理学」,「工業力学及演習I・II」を受講し,力のつり合い,モーメント,偶力など,力学の基礎になる考え方を習得しておくこと.
・「材料力学及演習I」を受講し,材料力学の基礎的な考え方(外力と内力,応力とひずみ,棒の引張り・圧縮,軸のねじり,はりの曲げ)を習得しておくこと.

<具体的な到達目標>
・多くの機械とそれを構成する材料に作用する応力とひずみ挙動,構造の剛性と強度の関係が理解できるようになり,機械の設計および材料の強度評価に応用することができる.
・設計に関連する例題や演習問題に着手して,材料力学と実際の機械設計との関連を身につけることにより,技術士の一次試験に出題される材料力学の問題を合格レベルまで解くことができる.
(JABEE学習・教育目標)
「機械システム基礎工学プログラム」:(D)◎
(JABEEキーワード)
「機械システム基礎工学プログラム」:材料の強度と許容応力(6.0),ねじり(3.0),曲げ(1.0),応力集中(0.5),座屈(6.0),組み合わせ応力(6.0),多軸応力(3.0),ひずみエネルギーとエネルギー原理(9.0),破壊(0.5),疲労(1.0),クリープ(0.5).

<授業計画及び準備学習>
1.材料力学及演習Iの復習,重ね合わせの原理
  材料力学IIを進めるにあたって,材料力学及演習Iの復習を簡単に行う.
  重ね合わせの原理を用いたはりの曲げ問題の取り扱いを学ぶ.
  準備学習:教科書26〜28,152〜155ページを熟読する.
2.不静定はり1
  不静定はりに対して,不静定量を含むたわみの微分方程式からたわみを求める方法を学ぶ.
  準備学習:教科書150〜155ページを熟読する.
3.不静定はり2
  不静定はりに対して,重ね合わせの原理を用いてたわみを求める方法を学ぶ.
  準備学習:教科書152〜160ページを熟読する.
4.はりのせん断力
  曲げが作用するはりに発生するせん断力について学ぶ.
  準備学習:教科書161〜162ページを熟読する.
5.応力の基本形,棒の傾斜面上の応力
  応力の図示および基本形を理解し,傾斜面上に作用する応力について学ぶ.
  準備学習:教科書166〜176ページを熟読する.
6.主応力,組合せ応力
  主応力,主ひずみについて理解する.
  複数の応力が同時に作用する組合せ応力に対する取り扱いについて学ぶ.
  準備学習:教科書176〜188,192〜196ページを熟読する.
7.学習成果の確認
  中間試験を実施する.
8.ひずみエネルギーの基礎
  ひずみエネルギーの考え方について学ぶ.
  準備学習:教科書206〜214ページを熟読する.
9.カスティリアーノの定理とその応用
  カスティリアーノの定理を理解し,曲げやねじりの問題への使い方を学ぶ.
  準備学習:教科書219〜224ページを熟読する.
10.最小仕事の原理と仮想仕事の原理
  最小仕事の原理と仮想仕事の原理を理解し,その使い方と結果の見方を学ぶ.
  準備学習:教科書224〜227ページを熟読する.
11.柱の座屈1
  座屈方程式から座屈荷重に対する一般解を導く方法について学ぶ.
  準備学習:教科書232〜237ページを熟読する.
12.柱の座屈2
  さまざまな境界条件をもつ柱に対する座屈荷重の求め方について学ぶ.
  準備学習:教科書238〜244ページを熟読する.
13.材料の強度と破壊
  材料の破壊に関する知識を学び,応力集中やクリープ,疲労などについて理解する.
  準備学習:教科書248〜258ページを熟読する.
14.機械の強度設計と許容応力
  基準強さをもとに安全率を考慮して許容応力を求める方法について学ぶ.
  準備学習:教科書259〜262ページを熟読する.
15.学習成果の確認
  期末試験を実施する.

<成績評価方法>
授業形態は原則として,講義を主体とし,講義の後半に小演習を行う.成績評価は,小演習の答案の採点結果と中間試験および期末試験の結果にて行い,その割合は演習を1.5,中間試験を3.5,期末試験を5とする.合格点は60点以上とする.

<教科書>
「基礎から学ぶ材料力学」,立野昌義・後藤芳樹編著,武沢英樹・田中克昌・小久保邦雄・瀬戸秀幸共著,オーム社(2013),ISBN:978-4-274-21446-2

<参考書>
指定参考書なし

<オフィスアワー>
講義と演習の間の時間,および授業後30分.それ以外の時間は,別途相談により対応する.
連絡先:ktanaka@cc.kogakuin.ac.jp

<学生へのメッセージ>
材料力学は,さまざまな物体(固体)が外力を受けてどのように変形するのか,物体の内部にはどのような力が作用しているのか,どのような条件で物体は壊れるのか,を考える学問であり,機械部品や機械構造を設計する指針を得るための基礎となります.繰り返し学習することにより,材料力学の考え方をしっかりと習得してください.


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