2015年度工学院大学 第1部機械システム工学科
○線形代数学I(Linear Algebra I)[5164]
2単位 長谷川 研二 准教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <学位授与の方針>
◎ | 1. 基礎知識の習得 | ○ | 2. 専門分野知識の習得 | ○ | 3. 汎用的問題解決技能 | | 4. 道徳的態度と社会性 | | 5. 創成能力 |
- <授業のねらい>
- 線形代数学はベクトルと行列を対象としている。ベクトルについては図示が可能な2、3次元まで高校でも習ったが、それを高次元に拡張する。行列は基本的演算を習得してから連立1次方程式や逆行列の計算法を身につけていく。行列式は線形代数の中で意味が最も理解しにくいが2次元で逆行列との関連を紹介してから、高次元に拡張していく。授業のねらいは
- ベクトルや行列の演算ができる。
- 行列の応用として連立1次方程式が解ける。
- 行列の階数と逆行列の計算ができる。
- 逆行列と行列式の関係を理解し、行列式と余因子の計算と応用ができる。
- <受講にあたっての前提条件>
- <具体的な到達目標>
- ベクトルや行列の演算規則を理解して、正しく計算できる。
- 連立1次方程式を行列で表現して、行の基本変形によって解を求める。
- 基本変形を使って行列の階数や逆行列を計算する。
- 順列で行列式を定義して、行列式の計算に必要な成分の変形方法を身につける。
- 余因子の応用として逆行列の成分や連立1次方程式の解を計算する。
(JABEE学習・教育目標) 「機械システム基礎工学プログラム」(C-1)◎
- <授業計画及び準備学習>
- ベクトルの演算:
ベクトルの定義,ベクトルの和・差・スカラー倍について解説する. 準備学習:高校で使用していた「数学II」教科書のベクトルの部分を熟読し,その練習問題を必ず解いておくこと.
- ベクトルの内積と外積:
ベクトルの内積・外積について解説する. 準備学習:前回学習したベクトルとその演算について復習し,関連する問題を解いておくこと.
- 行列とその演算:
行列の定義,行列の和・差・スカラー倍・積について解説する. 準備学習:前回学習したベクトルの内積と外積について復習し,関連する問題を解いておくこと.
- 転置行列と逆行列:
転置行列と逆行列について,それらの定義と性質を解説する. 準備学習:前回学習した行列とその演算について復習し,関連する問題を解いておくこと.
- 行列の基本変形と基本行列:
行列の基本変形について解説し,基本行列のと関係について説明する. 準備学習:前回学習した転置行列と逆行列について復習し,関連する問題を解いておくこと.
- 行列の階数:
行列の基本変形と階数の関係について説明する. 準備学習:前回学習した基本変形について復習し,関連する問題を解いておくこと.
- 逆行列の計算:
基本変形を用いて逆行列を求める方法を解説する. 準備学習:前回学習した階数について復習し,関連する問題を解いておくこと.
- 連立1次方程式:
連立1次方程式と行列との関係について解説する. 準備学習:以前学習した行列の定義と演算を復習し,関連する問題を解いておくこと.
- 掃き出し法:
行の基本変形を用いて連立1次方程式を解く掃き出し法について解説する. 準備学習:以前学習した行の基本変形について復習し,さらに前回学習した連立1次方程式と行列との関係についても復習し,関連する問題を解いておくこと.
- 置換と行列式:
置換と,行列式の置換による定義を解説する. 準備学習:前回学習した掃き出し法について復習し,関連する問題を解いておくこと.
- 行列式の性質:
行列式の性質について解説する. 準備学習:前回学習した置換と行列式の定義について復習し,関連する問題を解いておくこと.
- 行列式の余因子展開:
行列式を余因子展開して計算する方法を解説する. 準備学習:前回学習した行列式の性質について復習し,関連する問題を解いておくこと.
- 余因子と逆行列:
行列式と余因子から逆行列を計算する方法を解説する. 準備学習:前回学習した余因子展開について復習し,関連する問題を解いておくこと.
- クラーメルの公式:
クラーメルの公式により連立1次方程式を解く方法を解説する. 準備学習:前回学習した逆行列の計算方法を復習し,関連する問題を解いておくこと.
- 学習成果の確認(試験):
試験により理解度を確認する. 準備学習:今まで本科目で学習した授業ノート・プリント類をすべて読み返し,理解が不足している単元を重点的に復習し,演習問題を解いておくこと.
- <成績評価方法>
- 定期試験の得点が80点以上であればそれを成績点とする。定期試験の得点が80点未満であればそれをx点として、成績点を(ax)b(小数点以下四捨五入)とする。ただしa,bは(80a)b =80で合格基準点x0に対して(ax0)b =60を満たすように定める。合格基準点は60点以下で各受講生毎に定めるとして、授業中に解かせた問題の解答状況による平常点が高いほど合格基準点は低くなる。平常点が最高であれば基準点は40点前後である。
- <教科書>
- 指定教科書なし
- プリントを授業で配布したり、予習のためにキューポートにPDFファイルを事前にアップロードする。
- <参考書>
- 線形代数講義 金子 晃 著 サイエンス社
内容は高度であるが著者が女子大情報系学科で担当した線形代数の授業に基づいているので、文体が内容の割りには柔らかく、参考としてコンピュータのプログラムも載っている。
- 線型代数入門 斎藤 正彦 著 東京大学出版会
担当者が学生のときに線形代数の教科書として指定されたものである。タイトルに「線形(型)代数」を含む数学書が出始めたころに出版したが、未だに発行されている名著である。この本が日本の大学に線形代数を広め、その功績で日本数学会出版賞を受賞した。
- <オフィスアワー>
- 金曜日2,3,5時限(八王子校舎01E−313数学研究室)
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