2015年度工学院大学 第1部機械システム工学科

プログラミング演習(Seminar in Programming)[3170]

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1単位
大石 久己 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2016/01/21

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
 プログラミング技術の習得をねらいとする演習形式の授業である.言語はMATLABを使用する.MATLABは,行列計算や制御系に強い応用範囲の広い言語である.1年で学習したプログラミング言語VBAを踏まえ,実際に機能するプログラムを作成できるようになることを目標とする.以下に具体的な到達目標を示す.
(1) MATLABによるプログラミングの基礎を習得し,使用することができる.
(2) プログラムの構造要素を理解し,プログラムを設計できる.
(3) 実際に機能するプログラムを作ることができる.

<受講にあたっての前提条件>
 本科目を履修する前に,「情報処理概論及演習」の前期で情報処理に関する基礎的事項をしっかり身につけ,後期のVBAの演習でVBAの使用法とプログラミングの基本を身につけておく必要がある.また,「数学I・II」「数学演習I・II」で微分・積分や行列の取り扱いなど数学の基本事項について習得しておくこと.また「線形代数学I」,「工業数学A」と同時進行であるが,関連する部分が多い.さらに「工業数学B」にもつながる.
 修得後は,「数値計算法」「制御工学I・II」「デジタル制御」「機械力学」「機械振動学」で工学問題に重要な役割を持つ数値計算や制御系の科目を学習することになる.また,「機械システム実験及演習」「機械システム総合演習」ではMATLABを用いた課題がある.これらの科目では,課題を解くためにプログラムを組むことができるようになっていることが期待される.さらに,「応用プログラミング演習」で他の言語やより高度なプログラミングについて学習し,最終的に卒論においてデータ処理や数値解析に利用することになる.また,他の専門科目の授業でも利用することができる.卒業後も現場で利用できる有益な言語である.

<具体的な到達目標>
 機械システム基礎工学プログラムの学習・教育到達目標の(C)機械システム工学分野の技術者に求められる数学及び自然科学等の基礎知識と方法論を身につけ,(D)機械工学ならびにシステム工学とそれらの融合領域に体系づけられた専門知識とそれらを応用できる能力を身につけた技術者を育成するため,以下のことを具体的な到達目標とする.これは,学位授与の方針の(1-1)数学,自然科学および情報技術の基礎知識を身につけていることの,情報技術の基礎知識を身につけることに対応する.また(2-1)学部学科毎に示された専門分野の基礎知識を修得していることの,専門分野の基礎知識を修得することにも対応する.
(1) MATLABによるプログラミングの基礎を習得し,使用することができる.
(2) プログラムの構造要素を理解し,プログラムを設計できる.
(3) 実際に機能するプログラムを作ることができる.
<JABEE学習・教育到達目標>
「機械システム基礎工学プログラム」(C-2)○ (D-1)○ (D-2)◎
<学位授与の方針>(1-1)○ (2-1)◎

<授業計画及び準備学習>
<授業計画及び準備学習>
1. 授業ガイダンスとMATLABの基本操作 シラバスを確認し,資料に従ってMATLABの起動と基本操作を実際に行い,修得する.
目標:MATLABの基本事項を確認する.
準備:シラバスを読み,授業内容を確認し,MATLABについて調べておく.また,「情報処理概論及演習」の授業内容を復習し,理解不十分な点を補っておく.
復習:チュートリアルビデオを確認し,MATLABの基本事項を確認する.問題の解答不十分な点を補う.

2. クイックスタート1 MATLABの主な機能を3回に分け学習する.はじめに行列と配列の基礎を学習する.
目標:行列と配列の作成と演算,利用方法について習得する.
準備:マニュアル1-3〜12の内容を確認しておく.
復習:資料の内容を再確認し,行列と配列操作を十分なものにする.問題の解答不十分な点を補う.また,他の操作も実行してみる.

3. クイックスタート2 MATLABの文字列と関数,グラフィックの基礎について学習する.
目標:文字列と関数の取り扱いと,グラフィックの主な機能を知る.
準備:マニュアル1-12〜20の内容を確認しておく.
復習:資料の内容を再確認し,グラフィック等の主な機能を知る.問題の解答不十分な点を補う.

4. クイックスタート3 MATLAB のプログラミング,Mファイルの基礎について学習する.
目標:プログラミング機能(Mファイル)の基礎について習得する.
準備:マニュアル1-21〜28の内容を確認しておく.
復習:資料の内容を再確認し,Mファイルの取り扱いについて理解する.問題の解答不十分な点を補う.

5. プログラミング1 MATLAB のプログラミング(Mファイルについて)について学習する.
目標:条件判断,繰り返し構文について使えるようにする.
準備:マニュアル5-1〜7の内容を確認しておく.
復習:資料の内容を再確認し,条件判断,繰り返し構文について理解する.問題の解答不十分な点を補う.

6. プログラミング2 VBAと対比してMATLABのプログラムを作成し,プログラミング方法を学習する.
目標:MATLABのプログラムを実際に作成し,基本事項を理解する.
準備:配付資料の内容を確認しておく.
復習:資料の内容を再確認し,プログラミングについて理解を深める.問題の解答不十分な点を補う.

7. プログラミング3 MATLABのVBAと対比してMATLABのプログラムを作成し,プログラミング方法を学習する.
目標:MATLABのスクリプトとファンクションについて理解し,プログラム構成できるようにする.
準備:マニュアル5-7〜17の内容を確認しておく.配付資料の内容を確認しておく.
復習:資料の内容を再確認し,スクリプトとファンクションの理解を深める.問題の解答不十分な点を補う.

8. 言語の基礎1 MATLAB言語の基礎について2回に分け学習する.はじめにMATLABの変数,行列・配列について学習する.
目標:MATLABの変数,行列・配列についてのルールを理解する.
準備:マニュアル2-1〜16の内容と,授業前半で学習した内容を併せて確認しておく.
復習:資料の内容を再確認し,変数,行列・配列操作について全体的な整理を行う.問題の解答不十分な点を補う.

9. 言語の基礎2 行列・配列操作と,プログラムでの利用方法を学習する.また,プログラム作成のための演習課題を行う.
目標:MATLABの行列・配列操作について理解し,プログラムで使えるようにする.
準備:マニュアル2-17〜34と,授業前半で学習した内容を併せて確認しておく.
復習:資料の内容を再確認し,行列・配列操作とプログラムでの利用方法の全体的整理を行い,利用できるようにする.問題の解答不十分な点を補う.

10. グラフィックスの基礎 MATLABのグラフィックの基礎と応用を2回に分け学習する.はじめに基本事項とプログラムでの利用を学習する.
目標:MATLABのグラフィックの基礎事項を理解し,プログラムで使えるようにする.
準備:マニュアル4-1〜27の内容と,授業前半で学習した内容と併せて確認しておく.
復習:資料の内容を再確認し,グラフィックについて理解を深める.問題の解答不十分な点を補う.

11. グラフィックの応用 グラフィックのハンドル機能について学習し,プログラムでの利用を検討する.
目標:グラフィックのハンドルによる操作を理解し,プログラムで使えるようにする.
準備:マニュアル4-28〜36の内容を確認しておく.
復習:資料の内容を再確認し,グラフィックのハンドル操作について理解を深める.問題の解答不十分な点を補う.

12. MATLABのファイル操作 MATLABのファイル操作の基本を,Excelファイルを対象に学習する.
目標:MATLABでExcelファイルが取り扱うことができるようにする.
準備:配付資料の内容を確認しておく.
復習:資料の内容を再確認し,MATLABのファイル操作の理解を深める.問題の解答不十分な点を補う.

13. 期末試験と演習課題 期末試験と最終課題の問題点の対策を行う.
目標:期末試験を通して,今までの授業内容を確認し,不十分な点を補う.
準備:今までの授業内容を確認し,整理する.また,最終課題のまとめを行う.
復習:期末試験の内容を確認し,不十分な点について再度検討する.最終課題の不足部分を補う.

14. 期末試験の内容確認と不十分な点の修正
目標:期末試験の問題点を知り,不十分な点を補う.
準備:期末試験の十分な確認し,問題の解決,プログラムの修正を行い,授業に備える.
復習:期末試験の不十分な点の対策を確認し,不足部分を完全に補う.

15. 授業のまとめとMATLABの応用(Simulink ,GUI,toolboxの利用)
目標:MATLABの基礎の不足部分を補い,Simulinkなど応用的な機能についても知り,次のステップの可能性を確認する.
準備:最終課題に不十分な点がないように十分に準備する.配付資料を確認しておく.
復習:今までの授業内容を確認してまとめる.不十分な点があれば補う.

<成績評価方法>
 期末試験(45%)と提出課題(55%)の合計が60点以上の場合に単位を認める.なお,授業中の演習や課題の提出がない場合は減点する.
 学習・教育到達目標(1)は,演習課題を行うことで達成できる.(2)はプログラム構造についての演習課題を行うことで達成できる.(3)は授業中のプログラム作成と最終課題を行うことで達成できる.期末試験でその理解度を確認し,上記の評価基準を満たせば達成されたと評価できる.

<教科書>
市販の教科書は利用せず,ソフトに付属した入門マニュアルと授業で配付する資料を利用する.

<参考書>
 指定の参考書は特に定めない.関連図書は何冊か出ている.基本事項については同じであるので,自分に合ったものを探すと良い.MATLABを用いた専門分野の教科書もある.また,ソフトに付属したチュートリアル用の資料が充実していて役立つ.いろいろと利用するとよい.

<オフィスアワー>
 授業前後に,1号館講師室にいる.ただし,2限に基礎演習の授業を担当する場合は,授業前か2限直後の昼休みとする.

<学生へのメッセージ>
 MATLABは,気軽に利用できる割に,行列計算や制御系に強く,応用範囲の広い言語である.将来に亘って利用が期待できる.しっかり修得しておくことは有益である.その反面,プログラミングの基礎が疎かになってしまう危険がある.そのため,本授業では,例題を入力するだけでなく,プログラムの流れと命令の意味を理解するよう努め,基礎をしっかり身につけることを希望する.そして,例題のプログラムをいろいろと変更し,同様なプログラムを多く作って遊んでほしい.自分でプログラムを作ってみると多くのエラーが発生する.演習の時間はその解決のためにできるだけ時間を割きたい.それらのエラーの経験が諸君のプログラミングの力を飛躍的に伸ばすことになる.また,MATLABは,他の授業でも利用することができる.また,卒論でも大いに役立つ.MATLABの良さを知り,大いに利用してもらいたい.奥は深い言語である.サイトライセンスが確保され,在学中は自由に利用できる.この機会を生かしてもらいたい.


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