2015年度工学院大学 第1部機械システム工学科
○数学I(Mathematics I)[4501]
2単位 長谷川 研二 准教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <学位授与の方針>
◎ | 1. 基礎知識の習得 | ○ | 2. 専門分野知識の習得 | ○ | 3. 汎用的問題解決技能 | | 4. 道徳的態度と社会性 | | 5. 創成能力 |
- <授業のねらい>
- 本科目の内容は微分積分である。高校でも習ったが大学、特に理工系では微分積分は専門科目の習得のために必要不可欠である。しかし、形式的に問題を解くだけでなく、専門分野では現象やモデルを数式で表現し解析するために微分積分を思い通りに駆使できるようにしなければならない。本科目のねらいは以下の通りである。
- 微分と積分の原理を理解して、数学以外の専門分野において正しく微分や積分が適用できる。
- 微分と積分の計算が難なくできるようになり、専門分野の習得の障壁が小さくなる。
- <受講にあたっての前提条件>
- 高校数学で微分積分以外の分野(特に整式の割り算、因数分解、ラジアン、加法定理、指数法則)をよく復習する。
- 初歩から講義するが、前学期の教科書や資料に目を通しておく方が好ましい。
- <具体的な到達目標>
- 初等関数の導関数が計算できる。
- 初等関数の極値が計算できる。
- 不定形の関数の極限値が計算できる。
- 定積分の定義を理解し、原始関数による定積分の計算ができる。
- 有理関数の積分が一般的方法で計算できる。
- 置換積分と部分積分で非有理関数の積分が計算できる。
(JABEE学習・教育到達目標) 「機械工学エネルギー・デザインプログラム」:D-1◎ 「機械システム基礎工学プログラム」:C-1◎ 「国際工学プログラム」:(C)◎
- <授業計画及び準備学習>
- 微分係数と導関数:
関数の微分係数と導関数を定義して、整関数の導関数が計算できるようになる。 準備学習:高校の数学の教科書を復習する。
- 初等関数の微分法:
積と商、または三角関数等の導関数の公式を導き、基本的な初等関数の導関数が計算できるようになる。 準備学習:プリントを読んでおく。
- 合成関数の微分法:
合成関数の微分の公式を解説して、対数微分法や多様な初等関数の導関数が計算できるようになる。 準備学習:プリントを読んでおく。返却された答案用紙を復習する。
- 逆三角関数:
三角関数の逆関数である逆三角関数を解説して、導関数の計算ができるようになる。 準備学習:プリントを読んでおく。返却された答案用紙を復習する。
- 関数の増減と極値:
導関数の応用として関数の増減を調べ、極値を求める。 準備学習:プリントを読んでおく。返却された答案用紙を復習する。
- 不定形の極限:
導関数の応用として不定形の関数の極限値を求める。 準備学習:プリントを読んでおく。返却された答案用紙を復習する。
- 高次導関数とマクローリン展開:
2階以上の導関数を計算して、マクローリン展開で一般の関数を整関数で近似できることを学ぶ。 準備学習:プリントを読んでおく。返却された答案用紙を復習する。
- 原始関数の計算:
導関数の逆演算である原始関数の公式を導き、計算できるようになる。 準備学習:プリントを読んでおく。返却された答案用紙を復習する。
- 定積分の定義と計算:
定積分を定義して、原始関数を使って計算できるようになる。 準備学習:プリントを読んでおく。返却された答案用紙を復習する。
- 初等関数の積分:
基本的な初等関数の積分が計算できるようになる。 準備学習:プリントを読んでおく。返却された答案用紙を復習する。
- 置換積分法:
置換積分の公式を解説して、やや複雑な関数の積分が計算できるようになる。 準備学習:プリントを読んでおく。返却された答案用紙を復習する。
- 部分積分法:
部分積分の公式を解説して、やや複雑な関数の積分が計算できるようになる。 準備学習:プリントを読んでおく。返却された答案用紙を復習する。
- 有理関数の積分:
一般的な方法で有理関数の積分が計算できるようになる。 準備学習:プリントを読んでおく。返却された答案用紙を復習する。
- 無理関数の積分:
置換積分法で有理関数の積分に変換して計算ができるようになる。 準備学習:プリントを読んでおく。返却された答案用紙を復習する。
- 学習成果の確認(試験):
準備学習:配布されたプリントを復習する。特に演習問題については再度解いてみる。
- <成績評価方法>
- 定期試験の得点が80点以上であればそれを成績点Xとする。定期試験の得点が80点未満であればそれをx点として、X=(ax)b(小数点以下四捨五入)とする。ただしa,bは(80a)b =80で合格基準点x0に対して(ax0)b =60を満たすように定める。合格基準点は60点以下で各受講生毎に定めるとして、授業中に解かせた問題の解答状況による平常点が高いほど合格基準点は低くなる。平常点が最高であれば基準点は40点前後である。2014年以前の入学者はXが成績であるが2015年入学者はXが90以上であればA+、80〜89であればA、70〜79であればBとしてXが60〜69で試験の得点が50以上がC、50未満をDとする。
- <教科書>
- 指定教科書なし
- プリントを授業で配布したり、予習のためにキューポートにPDFファイルを事前にアップロードする。
- <参考書>
- 理工科系一般教育 微分・積分教科書 占部 実・佐々木 右左 編 共立出版
担当者が学生のときに微分積分の教科書として指定されたものである。毎年新しい微分積分の本が出版されており、その分価値が低い本は在庫がなくなれば絶版されることになるが、この本は初版から50年近く経っているのに未だに出版社のホームページに掲載されているので、出版価値は非常に高い。
- 基礎と応用 微分積分I 金子 晃 著 サイエンス社
微分積分の内容は高度であるが著者が女子大情報系学科で担当した微分積分の授業に基づいているので、文体が内容の割りには柔らかく、参考としてコンピュータのプログラムも載っている。
- <オフィスアワー>
- 水曜日5時限(八王子校舎01E−313数学研究室)
- <備 考>
- 機械工学科、機械システム工学科、機械創造工学科が対象であるが工学部の電気系、化学系の学生でやむをえない理由での履修は収容人数に余裕があれば原則認める。なおこのクラスは数学Iを履修しても単位を取得できなかった学生のみ受け入れるので単位を取得した上でGPAを上げるための受講は認めない。
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