2015年度工学院大学 第1部機械システム工学科
△化学実験(Experiments in Chemistry)[4307]
1単位 徳永 健 准教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <学位授与の方針>
◎ | 1. 基礎知識の習得 | | 2. 専門分野知識の習得 | | 3. 汎用的問題解決技能 | | 4. 道徳的態度と社会性 | | 5. 創成能力 |
- <授業のねらい>
- 「予習」→「実験」→「実験結果の記録と整理」→「レポート作成」という一連の作業を通じて、化学実験の操作技術を身に付けるとともに、実験結果を化学的視野から洞察する能力を身につける。
- <受講にあたっての前提条件>
- ・高校レベルの化学の基礎知識を有することが望ましいが、必須ではない。
・高校で化学を履修しなかった人は、学習支援センターを活用し、化学の知識を補うこと。 ・実験ノートを用意すること。大学生協で販売されているA4サイズでオレンジ色の表紙のものを指定する。 ・関数電卓を用意すること。指定はない。普通の電卓でも良いが、携帯電話などの電卓機能の使用は禁止する。
- <具体的な到達目標>
- ・基本的な化学実験器具を使用できる。
・安全と環境に配慮し、化学薬品を取り扱うことができる。 ・実験の予習を行い、実験結果をノートに取ることができる。 ・実験レポートを作成できる。
(JABEE学習・教育目標) 「機械システム基礎工学プログラム」:(C)◎
(習得後の展開) 本科目で修得した内容は、2年次の「化学I」「化学II」の履修に役立つほか、薬品を取り扱う様々な科目の履修や卒業研究において重要な役割を果たす。
- <授業計画及び準備学習>
- 実験は各個人で行う(「蒸留水の製造」のみグループ実験)。実験テーマの概要は、
【第2回: 炎色反応】 金属陽イオンの炎色反応を見る。 【第3−7回: 無機定性分析実験】 水溶液中の金属イオンの分離・検出を行う。 【第8−10回: 定量分析実験】 アルカリ標準液を用いた酸の濃度決定を行う。 【第11回: 無機合成実験】 硫酸銅の製造および精製を行う。 【第12回: 物理化学実験】 水の精製と、その純度を決定するための測定を行う。 【第13回: 高分子合成実験】 合成繊維ナイロン6,10の合成を行う。
各週のスケジュールは以下の予定。
1. 化学実験の説明(実験ガイダンス・全般的な注意) [学習内容] 実験内容、安全に関する注意、予習・レポートの書き方の説明を行う。 化学式および有効数字に関する練習問題を行う。 [準備学習] 化学式および有効数字について復習しておくこと。 2. 炎色反応(Na+, K+, Ca2+, Sr2+, Ba2+) [学習内容] Na+, K+, Ca2+, Sr2+, Ba2+の炎色反応を見る。 [準備学習] 教材プリントの該当箇所を熟読し、実験ノートに予習を行うこと。 3. 無機陽イオンの反応(Ag+, Pb2+, Al3+, Fe3+) [学習内容] Ag+, Pb2+, Al3+, Fe3+の存在を確認するための化学反応を確認する。 [準備学習] 教材プリントの該当箇所を熟読し、実験ノートに予習を行うこと。 4. 第I属陽イオン(Ag+, Pb2+)の系統的分析 [学習内容] Ag+, Pb2+の混合溶液から各イオンを分離・確認する。 [準備学習] 教材プリントの該当箇所を熟読し、実験ノートに予習を行うこと。 5. 第III属陽イオン(Al3+, Fe3+)の系統的分析 [学習内容] Al3+, Fe3+の混合溶液から各イオンを分離・確認する。 [準備学習] 教材プリントの該当箇所を熟読し、実験ノートに予習を行うこと。 6. 第I, III属陽イオンの混合試料の分析 [学習内容] 第4, 5回実験で扱ったイオンの混合溶液から各イオンを分離・確認する。 [準備学習] 教材プリントの該当箇所を熟読し、実験ノートに予習を行うこと。 7. 第I, III属陽イオンの未知試料の分析 [学習内容] 第4, 5回実験で扱ったイオンの混合溶液から各イオンを分離・確認する。 ただし、どのイオンが含まれているかは、各個人により異なる。 [準備学習] 教材プリントの該当箇所を熟読し、実験ノートに予習を行うこと。 8. 酸塩基指示薬の性質 [学習内容] 様々な指示薬を用い、pHの変化に伴う溶液の色の変化を観察する。 [準備学習] 教材プリントの該当箇所を熟読し、実験ノートに予習を行うこと。 9. アルカリ標準液による酸の定量 [学習内容] 濃度の分かっているアルカリを用いて、酸の濃度を決定する。 [準備学習] 教材プリントの該当箇所を熟読し、実験ノートに予習を行うこと。 10. 市販食酢中の酢酸の定量 [学習内容] 濃度既知のアルカリを用いて、市販食酢中の酢酸の濃度を決定する。 [準備学習] 教材プリントの該当箇所を熟読し、実験ノートに予習を行うこと。 11. 硫酸銅の合成と精製 [学習内容] 硫酸銅を合成し、再結晶法による精製を行う。 [準備学習] 教材プリントの該当箇所を熟読し、実験ノートに予習を行うこと。 12. 蒸留水の製造 [学習内容] 水道水を蒸留により精製し、比抵抗の測定によりその純度を決定する。 [準備学習] 教材プリントの該当箇所を熟読し、実験ノートに予習を行うこと。 13. ナイロン6 10の合成 [学習内容] 合成繊維ナイロン6 10を合成を行う。 [準備学習] 教材プリントの該当箇所を熟読し、実験ノートに予習を行うこと。 14. まとめ実験 [学習内容] 第2−13回の実験の中で、上手くいかなかった実験や、もう一度トライしたい実験を行う。 [準備学習] 第2−13回の実験を復習しておくこと。 15. レポート・課題に関する質問、総評 [学習内容] 化学実験の内容、レポートに関する質問に答える。また、全体を通しての総評を行う。 [準備学習] 実験の復習をし、事前に質問箇所をピックアップしておくこと。
- <成績評価方法>
- 試験は行わない。レポートのみで成績評価し、Grade D以上の者に単位を認める。レポートの提出が無い場合は、その回の点数は0点となる。
- <教科書>
- 指定教科書はない。初回に、教材プリントを配布する。
- <参考書>
- ・「大学と高校を結ぶ 化学基礎演習」工学院大学化学基礎教育研究会 編、2014年、J.B.企画
・「視覚でとらえるフォトサイエンス化学図録」数研出版編集部編(数研出版) 高校化学の有名な参考書だが、溶液・沈殿・実験器具の写真が数多く掲載されており、実験の予習や実験結果の検証に非常に役立つ。 ・「実験を安全に行うために(第7版)」化学同人編集部 編、2006年、化学同人 ・「続 実験を安全に行うために(第3版)」化学同人編集部 編、2007年、化学同人 ・「改訂 化学のレポートと論文の書き方」泉 美治 他監修、1999年、化学同人
- <オフィスアワー>
- 授業前後および金曜2時限とする。居室は八王子キャンパス(4号館1階103号室)。会議や出張で不在の可能性があるので、事前に連絡を取ることを推奨する。メールで連絡・質問する場合は、ft13309@ns.kogakuin.ac.jpまで。
- <学生へのメッセージ>
- 化学薬品や実験器具の取り扱い方を学ぶ化学実験は、先進工学において重要な基礎となるものである。実験操作やレポートの書き方を、確実に習得してほしい。また、色の変化や沈殿の生成など、化学変化の多様さに興味を持ちながら実験を行ってほしい。
- <備 考>
- ・実験直前に初めて教材プリントを見るようでは、実験中に慌てて事故につながる。安全かつ手際良く実験を行うため、事前に予習を行うこと。
・全回出席、無遅刻、全レポート提出が原則である。 ・予習を忘れた場合や、遅刻した場合は、実験を禁止する場合がある。
- <参考ホームページアドレス>
- なし
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