| 2015年度工学院大学 第1部機械工学科 メカノデザインコース
 
 
△世界の文学A(World Literature A)[5B08]
 2単位
 吉田 司雄 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
 
 
<学位授与の方針>| ○ | 1. 基礎知識の習得 |  |  | 2. 専門分野知識の習得 |  | ○ | 3. 汎用的問題解決技能 |  | ◎ | 4. 道徳的態度と社会性 |  |  | 5. 創成能力 | 
<授業のねらい> サマセット・モームの挙げた「世界の十大小説」を数年かけて読んでゆく。その目標のもと、昨年度はドストエフスキー『カラマゾフの兄弟』全5冊を読了した。亀山郁夫の新訳(光文社古典新訳文庫)が100万部を超えるベストセラーとなった評判作である。本年度は、ジェイン・オースティン『高慢と偏見』にチャレンジする。1995年イギリスBBC制作のテレビドラマが大評判になった古典小説であるが、授業でも映像資料を駆使しながら、長く親しまれてきた作品の魅力を少しでも掘り下げ、また映像メディアとは異なる文学テクストの特質を考えたい。
 さらに時間が許せば、フローベール『ボヴァリー夫人』との比較を試み、19世紀ヨーロッパの近代小説についての考えを深め、読解力を磨いていきたい。
<受講にあたっての前提条件> 特になし。<具体的な到達目標> 単に小説を読んで楽しむのではなく、社会や文化などにも目を向けながら、文学テクストの読解力を養うこと、自分の意見を自分の言葉で書ける表現力を身につけることを目標とする。<授業計画及び準備学習> 1 ガイダンス(履修上の注意と毎回提出の課題の説明)準備学習:『高慢と偏見』を入手し読みはじめる
 2 ジェイン・オースティンの生涯
 準備学習:『高慢と偏見』を指定の箇所まで読了しておく
 3 ジェイン・オースティンの時代−19世紀初頭の女性と結婚
 準備学習:『高慢と偏見』を指定の箇所まで読了しておく
 4 ジェイン・オースティンの世界−ジョージ4世時代のイギリス
 準備学習:『高慢と偏見』を指定の箇所まで読了しておく
 5 『高慢と偏見』をどう読むか−物語の構造
 準備学習:『高慢と偏見』を指定の箇所まで読了しておく
 6 『高慢と偏見』をどう読むか−叙述と描写
 準備学習:『高慢と偏見』を指定の箇所まで読了しておく
 7 『高慢と偏見』をどう読むか−恋愛の文法
 準備学習:『高慢と偏見』を最後まで読了しておく
 8 『高慢と偏見』の作者―『ジェイン・オースティン 秘められた恋』(Becoming Jane)
 準備学習:授業で取り上げる映画を見てみる
 9 『高慢と偏見』の読者―『ジェイン・オースティンの読書会』(The Jane Austen Book Club)
 準備学習:『授業で取り上げる映画を見てみる
 10 『高慢と偏見』のファン―『ブリジット・ジョーンズの日記』(Bridget Jones‘s Diary)
 準備学習:授業で取り上げる映画を見てみる
 11 フローベール『ボヴァリー夫人』との比較
 準備学習:『ボヴァリー夫人』をできるだけ読了しておく
 12 『ボヴァリー夫人』の背景
 準備学習:『ボヴァリー夫人』をできるだけ読了しておく
 13 『ボヴァリー夫人』の構造
 準備学習:『ボヴァリー夫人』をできるだけ読了しておく
 14 小説の19世紀
 準備学習:批評とは何か、考えておく
 15 学習成果の確認(教場レポート試験)
 準備学習:授業での指示を守り、「自分の言葉で」批評を書き上げる
<成績評価方法> 「文学」の授業では、まず取り上げる作品をきちんと読むことが基本。毎回宿題に課したところまでの感想文等の提出を求めたり、未知のクラスメート間で感想文を回覧し相互批評を行ったりする。その他宿題や授業中の提出物をもとに平常点を算出。最終回の授業教場で執筆してもらう批評レポートとあわせて評価し、60点以上の者に単位を認める。最終の批評レポートの比重は約7割。ただし、平常点が一定の点数に達しない者の批評レポートは、採点対象としない。教場レポートのみ提出しても単位はとれない。<教科書> オースティン『高慢と偏見』上下(ちくま文庫)上記を推奨するが、他社の文庫本や文学全集本で読んでも構わない。
<参考書> 読んでほしい本を教場で随時紹介する。<オフィスアワー> 新宿校舎2715研究室 月12:20〜12:40それ以外は教員に直接たずねること。
<学生へのメッセージ> 『高慢と偏見』をともかく一日も早く読了(過去に読んだことがある人は再読了)することが必要。遅くともゴールデンウィーク明けまでには読みあげないと、授業についていけなくなる。通学往復の車中などを利用して、長編小説を読み進めていくための時間を作り、読みはじめた以上は最後まで読み通す決意を固めてほしい。読み終わったらフローベール『ボヴァリー夫人』を読み、さらにドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』、スタンダール『赤と黒』、エミリー・ブロンテ『嵐が丘』、バルザック『ゴリオ爺さん』、メルヴィル『白鯨』などにもぜひチャレンジしてみてほしい。
 この授業は作品を先に読んでいなければどうにもならない。文庫本の厚さに臆することなく、この機会に世界文学中の大傑作と呼ばれる長篇小説にどんどんチャレンジしてみようという心意気のある学生にだけ受講してほしいと思う。そして、欠席すると授業中に行われる課題への参加に支障が生じる(他の学生たちにも迷惑をかけることになる)ので、登録した以上は一回も休むことなくきちんと出席するよう強くお願いする。
 
 
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