2015年度工学院大学 第1部機械工学科

企業の理念と行動(Idea and Behavior of Enterprise)[1309]

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2単位
石川 公彦 非常勤講師  
最終更新日 : 2016/01/21

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
 皆さんは、現在、企業とどのような関係をもっていますか。第一に、モノやサービスの入手先として日常的に接していることでしょう。第二に、多くの人はアルバイト先として、さらに数年後には、ほぼすべての人が勤め先として企業と関わることになるでしょう。これら二つの関わり方は企業との関係においていわば王道ですが、この他にも様々な関わり方があるでしょう。例えば、株を保有している人は企業のオーナー(株主)としての関係をもち、企業の近くに住んでいる人は地域住人として何らかの関係をもっていることでしょう。
 このように、私たちは日々企業と何らかの関係を結びながら生活しているわけですが、改めて「企業とは何か」と問われると、答えに窮する人も多いのではないでしょうか。そこで本講義では、一見わかっているようでいて実は謎めいている企業について、様々な角度から検討しつつ「企業の理念と行動」を理解していきます。
世の中の多くのことには正と負の側面があるように、企業にも両方の側面があります。そしてそれは、皆さんが企業とどのような関係をもっているか、どのような角度から企業を見るかによって、異なって見えてきます。講義では、これらの事情についても目を配りつつ、皆さんと学んでいくことにします。

<受講にあたっての前提条件>
 特になし

<具体的な到達目標>
 企業の諸特徴について、@企業の発展史、A日本と諸外国との比較、という二つの大きな分析軸に拠りながら学んでいきます。扱うトピックは、歴史、経営スタイル、生産方法、人事労務管理、労働問題など多岐にわたります。これらの各項目は「企業の理念と行動」において密接に関連し合っています。本講義では、これら相互の関連性を理解しつつ企業の全体像をつかむことを到達目標とします。また、項目ごとに正と負の側面に目を向けて、企業のリアルな理解をめざします。

<授業計画及び準備学習>
1.ガイダンス
2.企業の諸類型
3.組織の諸類型
4.近代企業の成立――西欧の場合
5.近代企業の成立――日本の場合
6.ジョブ型とメンバーシップ型の企業
7.ジョブ型の生産方法――テイラーリズム、フォーディズム
8.メンバーシップ型の生産方法――トヨティズム
9.「国民的行事」としての就職活動
10.多様化する働き方・働かせ方
11.ディーセントワーク
12.グローバル化
13.企業不祥事とコーポレートガバナンス
14.職場の問題と解決に向けて
15.本講義のまとめ

<成績評価方法>
 評価点の70%は学期末テスト、残りの30%は授業中に不定期に課す簡単なレポートによって算定します。レポートは数回を予定し、事前の予告はしません。
総合評価の60点以上を獲得した者は合格とします(2015年度入学の1年生については、Grade D以上の者に単位を認めます)。

<教科書>
 授業中に資料を配布します。

<参考書>
*濱口桂一郎『若者と労働「入社」の仕組みから解きほぐす』中央公論新社、2013年
*濱口桂一郎『日本の雇用と労働法』日本経済新聞出版社、2011年
*ロナルド・ドーア『誰のための会社にするか』岩波書店、2006年
*ロナルド・ドーア『働くということ―グローバル化と労働の新しい意味』中央公論新社、2005年

<オフィスアワー>
 講義当日に対応します。講義後に声をかけてください。

<学生へのメッセージ>
 企業との関わり方は多様ですが、近い将来、皆さんにとって最も切実な問題として現れてくるのは、おそらく「働く場」としての関係だと思います。就職前のいま、企業のリアルを一緒に学びましょう。


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