2014年度工学院大学 学芸員課程科目

教育工学(Educational Technology)[9542]

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2単位
豊福 晋平 非常勤講師  
最終更新日 : 2015/02/13

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
教育工学には2つの意義がある。一つは工学の科学的合理的手法を教育に適用すること。もう一つは技術の潜在的可能性をもって教育の前提条件を覆し、教育に革新をもたらすことである。古くは学校制度・授業技法の研究に始まったが、現代では広く技術・メディアと教育との接点が議論されている。本講では、教育工学的アプローチへの理解を深めるとともに、いくつかのトピックについて実際に課題に取り組み、その意義や問題点について検討していく。

<受講にあたっての前提条件>
受講の前提条件は特に設定しない。講義内ではノートPCやスマートフォンを用いて個別にインターネットアクセスを行う場面があり、レポート提出作業等にはPCを用いるので、適宜必要な情報環境を整えることが望ましい。

<具体的な到達目標>
達成目標としては次の3点をあげる。
1)教育工学の歴史的背景・主要理論について実践に提供可能な系統的知見を得ること
2)メディア・リテラシーの観点から、教育とメディアとの関わりについて的確に考察できること
3)教育情報化の課題を概括し、当該企画に必要な要件を指摘できること

<授業計画及び準備学習>
#1[ガイダンス・教育工学とは何か]
 教育工学の目的と意義について、歴史的な背景から解説する
 準備学習:高校までに履修した情報教育、あるいは一般教科学習でコンピュータ・ネットワークを用いた学習経験について簡単にまとめておくこと

#2[教育のシステム観]
 教育工学がフォーカスする適用範囲と規模

#3[授業設計]
 授業過程設計の基本的プロセスと技法

#4[授業評価]
 授業改善のための評価・観察技法

#5[学校建築]
 校舎建築の課題・要件と最近のトレンド
 準備学習:国内外の校舎建築事例を収集し、最近の動向を整理する

#6[情報社会と教育]
 急速な技術革新と社会変化を前提とした教育のありかた
 準備学習:文部科学省「情報化への対応」の文献を参照要約する

#7[メディアリテラシー]
 メディアリテラシーの背景と理論
 準備学習:#8に準ずる

#8[映像メディアの分析]
 メディアリテラシーに基づくテレビCMの分析考察
 準備学習:講義で扱う分析シートをもとに、テレビCMの分析を行う

#9[学習者メディア空間と知的作業環境の構成]
 学習者が利用するメディアと社会的つながりをもとに知的作業環境の最適構成について考える
 準備学習:自身が利用するメディアと知的環境(ICT利用)について整理する

#10[デジタルガジェットと子どもの学び]
 発達期にある子どもたちに必要な知的作業環境の条件を整理し、仮想のデジタルガジェットの企画設計について検討する
 準備学習:#9でのディスカッションをまとめ、発達的要件のトピックをまとめる

#11[校務情報化・学校評価]
 教員多忙解消のための校務情報化と学校評価プロセスの技法
 準備学習:学校サイト上の学校評価資料の評価を行い、提示された観点に基づき考察を行う

#12[学校広報]
 学校広報の歴史的成立背景と理論
 準備学習:マスメディアでの学校関連の報道についてまとめる

#13[学校サイトの比較評価]
 学校サイトの内容分析と改善点の考察
 準備学習:抽出した比較対象サイトの評価を行いチェック表を完成させる

#14[学校サイトの運用と課題]
 学校サイト運用上の課題と解決方法
 準備学習:サイト運用上の課題点を集約し、提示された観点に基づき考察を行う

#15 学習成果の確認(試験)

<成績評価方法及び水準>
試験結果30%・講義期間中の提出物・発表70%をもって評価し60点以上を合格とする。いずれも評価ポイントは体裁準拠・論理性・卓越性の3つ。なお、5回以上欠席した場合は履修放棄とみなし成績評価は行わない。

<教科書>
指定教科書なし

<参考書>
講義中に適宜指示する。
「メディア・リテラシー」菅谷明子著(岩波新書)
「教育×破壊的イノベーション 教育現場を抜本的に変革する」クリステンセン著(翔泳社)
「授業設計マニュアル―教師のためのインストラクショナルデザイン」稲垣忠・鈴木克明著(北大路書房)

<オフィスアワー>
火曜日5限目講義終了後20分、新宿キャンパス12階講師室にて。メールでも対応可。

<備 考>
講義トピックについては入れ替えが生じる可能性があるので留意のこと

<参考ホームページアドレス>
http://www.i-learn.jp/


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