2014年度工学院大学 建築学部建築デザイン学科

建築都市保存調査演習(Practice of Preserving Historic Building and District)[6A71]

試験情報を見る] [授業を振り返ってのコメント(学内限定)

2単位
中島 智章 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
大内田 史郎 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2015/02/13

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
 歴史的建造物や町並みを保存して将来に継承していくためには、まず、それらがどのような歴史的・芸術的意義を有しているのかを明らかにし、人々に説明しなければならない。また、現代の都市的文脈のなかでそれらを継承するためには、現在の様々な事情とすりあわせることも必要である。
 本演習では、歴史的建造物の歴史的・芸術的意義について、構造や構法などの技術的な観点(強)、建築計画上の特徴(用)、および、様式=デザイン的特徴(美)などの観点から説明できるようになることを目指す。
 本演習を通じて、現在の都市の中に様々な歴史的建造物が様々なあり方で残されている(「残されている」とはいえない場合もあるが・・・)ことを認識し、将来の建築設計やまちづくりに役立てるための知識を身につけてもらいたい。

<受講にあたっての前提条件>
日本建築史、西洋建築史、近代建築史、建築再生論、建築保全学の単位を取得していることが望ましい。

<具体的な到達目標>
<授業のねらい>をふまえ、本演習の目標として以下の5点を挙げる。

1)歴史的建造物の構造や構法などの技術的な特徴を理解できるようになる。
2)歴史的建造物の建築計画上の特徴を理解できるようになる。
 →これらの特徴が当時の社会のあり方と密接な関係を持っていることを理解しつつ、過去とは異なる現代社会において保存・活用する上での問題点を把握する。
3)歴史的建造物の様式=デザイン的特徴を判別できるようになる。
 →様式的ディテール、各種仕上げ(テクスチュア)が現在では再現困難なことを理解する。
4)以上の点から、保存・活用する上での問題点を理解しながら、歴史的建造物の歴史的・芸術的意義、存在意義を説明できるようになる。
5)以上の歴史的・芸術的意義、存在意義を踏まえつつも、現在の都市が経済性を第一として成り立っている現実の中で、歴史的建造物を保存・活用するための技術上、制度上、建築計画上可能な手法を、さまざまな保存・活用事例から理解できるようになる。

<授業計画及び準備学習>
 本演習は、日本近代の建築の作例見学・調査、および、その事前に行われる講義からなる。作例の見学・調査等は,基本的に終日拘束されるので、各自、十分に留意すること。原則として土曜日開講だが、見学・調査は場所の都合により休日に行うこともあるので注意すること。

第1回 全体説明 授業の進め方 調査練習のための簡単な演習 建築写真の撮り方
準備学習:第1回授業レジュメの予習
第2回 講義I  (入園料、保険料、資料代が発生する場合は所定の金額を徴収)
準備学習:第2回授業レジュメの予習
第3、4、5回(授業3回分に相当) 現地見学I
準備学習:第2回授業レジュメの復習
第6回 講義II 第1レポート提出
準備学習:第6回授業レジュメの予習
第7、8、9回(授業3回分に相当) 現地見学II
準備学習:第6回授業レジュメの復習
第10回 講義III 第2レポート提出
準備学習:第10回授業レジュメの予習
第11、12回(授業2回分に相当) 現地見学III
準備学習:第10回授業レジュメの復習
第13回 講義IV 第3レポート提出
準備学習:第13回授業レジュメの予習
第14回 全体講評
準備学習:第1〜13回授業の復習
第15回 成績評価

<成績評価方法及び水準>
見学・調査時の演習課題、および、見学・調査についてのレポート課題の平均点が60点以上の者に単位を認める。

<教科書>
指定教科書なし。

<参考書>
伊藤延男ほか:『新建築学大系50 歴史的建造物の保存』、彰国社、1999年
陣内秀信、中山繁信編:『実測術―サーベイで都市を読む・建築を学ぶ』、学芸出版社、2001年

<オフィスアワー>
授業の前後。
ただし、下記のウェブサイトに記載されたメイル・アドレス宛てに、注意書きをよく読んでアポイントメントを必ず要請すること。
https://www.facebook.com/kogakuin.architectural.history/info
(スマホ・サイトではなく、PCサイトに接続することが望ましい)

<学生へのメッセージ>
見学・調査は学外での集団行動になるので、現地では責任感ある行動をとるよう十分に留意すること。

<参考ホームページアドレス>
https://www.facebook.com/cours.nakashima.tomoaki


このページの著作権は学校法人工学院大学が有しています。
Copyright(c)2014 Kogakuin University. All Rights Reserved.