2014年度工学院大学 建築学部建築学科

構法設計(Construction System Design)[3A72]

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2単位
石田 航星 助教  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2015/02/13

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
構法設計に関する基礎的な考え方と実践的な手法を、課題作成を通して修得する。本授業においては建築構法に関する知識を習得した上で、伝統的な2次元平面図に基づく平面詳細図と矩計図における表現手法について課題を通じて学ぶ。その上で、3次元CADモデルを作成し、3次元設計の手法を習得するとともに、2次元図面から3次元形状を想像する技能を身に着ける。

<受講にあたっての前提条件>
(1) 「構法計画」を受講している
(2) ただし、「構法計画」を受講していない学生でも、構法と工法の違いを理解していれば受講を認める
(3) 鉄筋コンクリート造、鉄骨造、木造の構法上の違いを理解している

<具体的な到達目標>
(1) 矩計図を読み解き、図面を通じたコミュニケーションを行える
(2) 建築構法と工法の違いと関係性を説明できる
(3) 2次元図面に記載されている形状や材料名から、実際に作成する3次元形状を想像できる
(4) 3次元CADの操作能力を習得した上で、矩計図から3次元CADモデルを作成できる

<授業計画及び準備学習>
本授業では、半期の期間で、鉄筋コンクリート造と木造の2課題を出題する。各課題は更に細かい小課題に分かれており、これらの小課題を積み上げていくことにより、最終的に2つのCADモデルを作成する。具体的には以下の講義を予定している。各講義は授業の最初に座学による講義を実施し、授業後半で出題した課題を作成する演習を行う。授業内で演習が終了しない場合には、持ち帰って次の週までに完成させる。出題した課題は、提出翌週までに採点を行い、優秀なものについては講評を行う。また、多くの学生が間違っている点があれば、随時、講義に追加していく。

1.建築構法のおさらい(座学)
2.平面計画からの外壁・間仕切壁の詳細設計
3.屋内環境と開口部と外装、屋上防水の関係と矩計図の書き方  
4.屋内環境と開口部と外装、屋上防水の関係と矩計図の書き方2 
5.作成した平面詳細図・矩計図と3次元CADモデル化1
  -3次元CADモデルの操作方法について-
6.作成した平面詳細図・矩計図と3次元CADモデル化2
  –事務所建築での内装構法と各部材・納まりについて-
7.作成した平面詳細図・矩計図と3次元CADモデル化3
  -躯体への配筋と鉄筋コンクリート工事について-
8.既存建築物の3次元計測データに基づく3次元モデル作成と3次元CADモデルへの属性情報の付加と積算
9.木造在来構法の基本的な構造と設計(座学)
10.木造在来構法を成立させる軸組材
11.屋根の種類と雨仕舞
12.軸組図の3次元CADモデルの作成1
13.軸組図の3次元CADモデルの作成2
14.軸組図の3次元CADモデルの作成3
15.理解度確認(レポート)

<成績評価方法及び水準>
課題提出物の評価による。各課題の評価は、100点満点とし、平均点を成績とする。未提出課題の評価は0点とする。テストは実施しない。

<教科書>
「建築構法(第五版)」内田,吉田他著(市ヶ谷出版社)

<参考書>
参考になる書籍を上げます。図書館にあれば一度、目を通してみてください。
「構造用教材」日本建築学会(丸善)
「3D図解による建築構法」小見康夫著(市ケ谷出版社)
「鉄筋コンクリート造入門―設計の基本とディテール」岡田 勝行他著(彰国社)
「木造・S造・RC造 ディテール集 (エクスナレッジムック)」建築知識著(エクスナレッジ)

<オフィスアワー>
木曜日12:10〜13:30(新宿キャンパス 石田研究室 2577室)

<学生へのメッセージ>
建築家が作成した図面だけでは建築を完成させることはできません。図面に描かれた建物を現実のものとするために、施工前段階において、施工手順の検討、職人の手配、建物利用上の利便性に沿った設計の変更を随時行う必要があります。そのため、施主、建築家、構造設計者、詳細設計者、現場管理者、職人、特定行政庁の建築主事等、様々な専門家とやり取りを行いながら、品質の高い建築物を実現するために話し合いを行うとともに、設計案を洗練化させていきます。この際に建築生産にかかわる多数の参加者間で意思疎通を図る上で重要なツールとなるのが、建築生産にかかわる図面や3次元CADモデルです。本授業では、建築構法や使用している建材について理解を深め、2次元図面を見て、その3次元形状を想像する技能を習得し、図面や3次元CADモデルを通じて、建築生産の関係者間での意思疎通を図る方法の入り口に立ってもらえればと思っております。


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