2014年度工学院大学 建築学部建築学科

現代の化学(K)[4C22]

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2単位
佐藤 光史 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2015/02/13

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
この世界は、宇宙から私たち自身の身体に至るまで、密度の差こそあれ隙間なく物質で埋め尽くされている。それらの物質を取り扱う学問が化学である。つまり、この世界に存在する物質はすべて化学の対象である。化学が中心的学問(セントラルサイエンス)と言われるのはそのためである。この授業では、セントラルサイエンスの一つである化学の観点から、宇宙から生命に至る諸事象を統合的に取り上げ、理解する。

<受講にあたっての前提条件>
「化学概論」「化学研究法」を履修していることが望ましい。

<具体的な到達目標>
具体的には以下のことを目標とする。

1:現代人にとって必須の化学および自然科学の成り立ちを理解する(過去)。
2:宇宙から生命までの諸事象を化学および自然科学の立場から説明する(現在)。
3:現代人が選ぶべき道を化学および自然科学を用いて根拠づける(未来)。

<授業計画及び準備学習>
第1週:授業計画の説明、アンケート
 [学習内容] 授業計画・評価方法等を説明したのち、アンケートに回答する。
 [学習準備] 特に必要なし。
第2週:宇宙と太陽系の誕生・元素の始まり
 [学習内容] ビッグバンから元素が形成されていく経緯を理解する。
 [学習準備] 教科書・参考書の該当箇所を参考に、配布演習問題を解いて知識を定着させる。
第3週:増えない・減らない・はじまりがすべて
 [学習内容] エネルギーの保存と循環、自由エネルギーについて理解する。
 [学習準備] 教科書・参考書の該当箇所を参考に、配布演習問題を解いて知識を定着させる。
第4週:原子がつながる・分子の誕生
 [学習内容] 化学結合による分子の生成とエネルギーの関係を理解する。
 [学習準備] 教科書・参考書の該当箇所を参考に、配布演習問題を解いて知識を定着させる。
第5週:生物も、燃料も、燃やせば同じもの
 [学習内容] 炭素の特異性が、有機化合物や生物につながることを理解する。
 [学習準備] 教科書・参考書の該当箇所を参考に、配布演習問題を解いて知識を定着させる。
第6週:鏡の国のミルクはおいしくないわ
 [学習内容] 光学異性体の概念とその起源を考察する。
 [学習準備] 教科書・参考書の該当箇所を参考に、配布演習問題を解いて知識を定着させる。
第7週:建築物は地球環境をこわしてる?
 [学習内容] 建築材料となる無機化合物・有機化合物の特性を理解する。
 [学習準備] 教科書・参考書の該当箇所を参考に、配布演習問題を解いて知識を定着させる。
第8週:2−7週のまとめ
 [学習内容] 学習成果を確認する(中間試験)。
 [学習準備] 第7週までのノートを再読し、演習問題集を解いて知識を定着させること。
第9週:地球の表面の薄い皮
 [学習内容] 大気の化学・大気汚染について理解する。
 [学習準備] 教科書・参考書の該当箇所を参考に、配布演習問題を解いて知識を定着させる。
第10週:宇宙兄弟が月に住めない理由
 [学習内容] 大気中の温室効果がある分子と効果がない分子の違いを理解する。
 [学習準備] 教科書・参考書の該当箇所を参考に、配布演習問題を解いて知識を定着させる。
第11週:ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず
 [学習内容] 水の化学・地球の水循環と収支を理解する。
 [学習準備] 教科書・参考書の該当箇所を参考に、配布演習問題を解いて知識を定着させる。
第12週:手のひらに太陽を
 [学習内容] 生命活動を維持するエネルギーがどのようにして得られるか理解する。
 [学習準備] 教科書・参考書の該当箇所を参考に、配布演習問題を解いて知識を定着させる。
第13週:蛙の子は蛙?トンビが鷹?
 [学習内容] 遺伝を担う核酸分子と生物の進化の関係を理解する。
 [学習準備] 教科書・参考書の該当箇所を参考に、配布演習問題を解いて知識を定着させる。
第14週:君の体の中の故郷の記憶
 [学習内容] 地球上の物質循環と生物活動が相互に関与していることを理解する。
 [学習準備] 教科書・参考書の該当箇所を参考に、配布演習問題を解いて知識を定着させる。
第15週:講義のまとめ
 [学習内容] 学習成果を確認する(定期試験)。
 [学習準備] 第14週までのノートを再読し、演習問題集を解いて知識を定着させること。

<成績評価方法及び水準>
中間試験(50点)および定期試験(50点)で評価する。授業中に講義に関連する演習問題を課し、その成績良好者には両試験の得点に演習問題の成績に応じて最大20点まで加点した上で、それらの合計が100点を越えないように規格化した評価点で評価する。

<教科書>
授業で扱う内容は下記の教科書に準ずる。授業ではこの他に資料や演習問題を配布する。
「現代人のための統合科学」小笠原正明、新井一郎、澤村京一、杉田倫明、守橋健二編著 筑波大学出版会

<参考書>
特に指定しない。授業で取り上げた題材に関する参考書は、授業の際に紹介する。

<オフィスアワー>
詳細は初回の授業で説明する。

<学生へのメッセージ>
「現代人あるいは建築学部生にとって化学とは何か」を、授業を通して一緒に考えていきましょう。
授業の内容は、履修する皆さんがこの授業に求めていることに応じて適宜変更するつもりです。数式や計算はあまり使わないつもりですが、定量的な理解のためには最低限の計算は出てくるかもしれません。
化学の目を通して宇宙から生命までを見渡すと、現代の地球や社会のことが新たに見えてくることを説明していきます。


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