2014年度工学院大学 建築学部まちづくり学科
都市空間論(Theory of Urban Space)[2B72]
2単位 遠藤 新 准教授 [ 教員業績 JP EN ] 野澤 康 教授 [ 教員業績 JP EN ] 下田 明宏 教授 [ 教員業績 JP EN ] 星 卓志 教授 [ 教員業績 JP EN ] 篠沢 健太 准教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <学位授与の方針>
| 1. 基礎知識の習得 | ◎ | 2. 専門分野知識の習得 | | 3. 汎用的問題解決技能 | | 4. 道徳的態度と社会性 | | 5. 創成能力 |
- <授業のねらい>
- 現代都市空間に見られる今日的な現象とその背景にある諸問題について、計画行政、都市計画、環境計画、ランドスケープデザイン、アーバンデザインといった多角的視点から理解する。
- <受講にあたっての前提条件>
- 1〜3年次の都市デザイン系、ランドスケープ系科目を幅広く履修しておくこと。
- <具体的な到達目標>
- 各自の現地調査等を通じて講義から得た知見に対する理解を深め、授業内の議論とレポート作成作業から、都市空間を読み解く視点と論考力を養う。
- <授業計画及び準備学習>
- 第1回目 ガイダンス
・担当:遠藤、下田、野澤、星、篠沢 ・都市空間を読み解く視点を理解する。
第2回目 計画行政の視点から1:行政の計画体系と法律体系 ・担当:星 ・地方自治体の行政が都市空間の構成にどのように関係しているか、計画体系と個別法制度を総括的に理解する。 ・準備学習:いずれかの市役所のホームページから、自治体のさまざまな計画を調べてみる。
第3回目 計画行政の視点から2:土地利用計画制度と都市空間 ・担当:星 ・都市計画法が都市空間の形成にどのように関係しているか、土地利用計画制度を中心に体系的に理解する。 ・準備学習:これまでに受けた都市計画関係の授業内容を確認して都市計画法の土地利用関連制度について復習しておく。
第4回目 環境計画の視点から1:空間スケールと環境1 ・担当:篠沢 ・Charles & Ray イームズの「Powers of Ten」とIan マクハーグ「Design with Nature」を題材に、都市空間をとらえる空間スケールと環境要素の関わりについて理解する。 ・準備学習:自分の馴染みの深い「都市空間」について、スケールの異なる航空写真を複数枚用意しておくこと。
第5回目 環境計画の視点から2:空間スケールと環境2 ・担当:篠沢 ・建築学部における実習課題を題材に、「敷地」「地区」「地域」の自然・社会環境の把握の仕方と立地特性のまとめ方、建築、都市計画への展開の方法を学ぶ。 ・準備学習:現在までの実習課題を観直しておくこと。
第6回目 都市計画の視点から1:建築基準法・都市計画法と都市空間1 ・担当:野澤 ・建築基準法の形態規制が建築物の形態を規定し、それが連担して街を形づくっている。形態規制の内容を理解するとともに、それが街に及ぼしている効果・影響について、実際の街の姿を通して理解する。 ・準備学習:法令集や解説書などで建築基準法の形態規制の枠組みを理解する。街を歩いて、形態規制が影響を与えている建築物を探し、どんな規制なのかを検討する。
第7回目 都市計画の視点から2:建築基準法・都市計画法と都市空間2 ・担当:野澤 ・現状の法などのルールでは、都市空間が一義的に決まるわけではない。すなわち、一般的な理解を超えた予期せぬ建築が建つ可能性は否定できない。それによって起こる近隣紛争の具体的な事例を通じて、法の限界を知り、よりよい都市空間を実現するにはどうするべきかを考える。 ・準備学習:建築紛争の有名な事例である、国立市のマンション紛争事例に関する資料を集めて、その論点を整理する。また、他の紛争事例も収集して同様の分析を行う。
第8回目 ランドスケープデザインの視点から:緑地空間と都市空間1(事例研究) ・担当:下田 ・内容:都市の主要な緑地空間が、都市空間のイメージ形成、並びに市民の生活の質の向上にどのように寄与しているか、海外や国内の多様な事例(BostonのEmerald Necklace、New YorkのCentral Park、旭川市の忠別川等)を見ながら考察する。 ・準備学習:自分の知っている身近な都市で、緑地空間が都市空間の主要な骨格の一部となっているものを一つ捜しだし、その機能や効用について考察してみる。   第9回目 ランドスケープデザインの視点から:緑地空間と都市空間2(東京改造計画) ・担当:下田 ・内容:東京では、都市空間の骨格として緑地空間を活用することは、もはや不可能だろうか?実は、東京には、都市空間の骨格になりうる優れた緑地資源があるのではないだろうか?緑地空間を切り口とした東京の改造計画案をスタジオ形式で検討し、各案の特徴について考察する。(ミニレポートの作成) ・準備学習:各自、緑地空間を都市空間の骨格とするような東京改造計画の素案を持ち寄る。トレペを持参すること。
第10回目 アーバンデザインの視点から1:都市空間のビジョンと戦略1 ・担当:遠藤 ・内容:都市空間とは、多様な主体の意思や行動が複雑に絡み合った結果としての存在である。地域の主体が目指す方向へと都市空間の姿を計画的に変えていく(例えば街をプロデュースする等)ためには、そこに関わる多様なステークホルダーが共有できる(緩やかな)ビジョンとその実現の戦略の存在が肝要である。ビジョンがいかにして都市空間の中に具現化していくのか、衰退市街地に出現したアート・ディストリクト(芸術地区)など幾つかの具体例を通じて理解する。 ・準備学習:世界の様々な都市に形成しているアート・ディストリクト(art district, artists community等)の様子について、インターネットや文献等から調べてみる。
第11回目 アーバンデザインの視点から2:都市空間のビジョンと戦略2 ・担当:遠藤 ・内容:都市空間のビジョンを実現するための戦略とはどのように推進されるものなのか。地域の自治体やまちづくり会社等によるその実践例を検証し、ビジョンと戦略から都市空間を変えていく手法としての要点を考える。 ・準備学習:世界の様々な都市に形成しているアート・ディストリクト(art district, artists community等)の計画について、インターネットや文献等から調べてみる。
第12回目 期末レポート課題の出題 ・担当:遠藤 ・レポート課題の内容とその論点を理解する。 ・授業内で示された調査対象地の中から、各自がスタディ対象とする対象地を選ぶ。
第13回目 都市空間にまつわる今日的な議論 ・担当:遠藤、下田、野澤、星、篠沢 ・前回までの授業内容を振り返りつつ、レポート課題として示された論点に関して、5人の教員とともに様々な議論を試みる。
第14回目 レポート対象地の現地調査 ・各自現地調査を行い、レポートを作成する。
第15回目 まとめ
- <成績評価方法及び水準>
- 期末レポート課題100%、60点以上を合格とする。
ただし、第9回目の「ミニレポート」を提出しなければ、単位を認定しない。
- <教科書>
- 指定しない。授業の参考になる情報はキューポートにて随時配信する。
- <参考書>
- 指定しない。授業時間中に適宜紹介する。授業の参考になる情報はキューポートにて随時配信する。
- <オフィスアワー>
- 原則として火曜日の6限。その他時間の面談を希望する学生は遠藤までメール等で連絡ください。
arata@cc.kogakuin.ac.jp
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