2014年度工学院大学 建築学部まちづくり学科

地震工学(Earthquake Engineering)[4A11]

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2単位
久田 嘉章 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
宮村 正光 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
三好 勝則 特任教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2015/02/13

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
現在の日本は、首都圏直下型地震、東海・東南海・南海連動地震、活断層による地震など様々な地震の切迫性が指摘されており、地震防災に果たす建築の役割は非常に大きい。本講義では建築に関連する地震工学と地震防災・減災の基礎を理解し、地震災害を減らすためのノウハウを理解する。具体的には歴史地震から2011年東日本大震災までの過去の地震被害から得られた教訓を学び、振動論や耐震設計法の基礎から耐震・免震・制震や超高層建築、さらには国・地方自治体・企業の地震被害想定や防災計画やBCP(業務継続計画)の基礎を理解することを目標とする。

<受講にあたっての前提条件>
講義の後半では振動論や耐震工学の理論的な基礎の説明があります。最低限の数学的知識(微積分・マトリックス法など)を理解していることが望まれます。

<具体的な到達目標>
・建物・まちの自然災害によるリスクを調べ、対策を考える能力を身につける
・耐震工学・地震工学の基礎知識を理解する
・建物の躯体・室内対策などハード対策に加え、日頃からの知識・訓練・災害後の適切な対応、地域の連携など、ソフト対策の重要性を理解する。

<授業計画及び準備学習>
第1回 ガイダンス 建築と地震工学の概要
第2回 地震と地震動 地震学・強震動地震学の基礎
第3回 過去の震災から学ぶ1 歴史地震から1923年関東大震災まで:耐震・防災の基礎
第4回 過去の震災から学ぶ2 関東大震災以降以降:耐震設計・都市災害など
第5回 過去の震災から学ぶ3 阪神淡路大震災:活断層・既存不適格建築・性能設計
第6回 過去の震災から学ぶ4 2011年東日本大震災:津波・地盤災害・首都・減災
第7回 振動論と耐震設計1 1層建物の振動(自由振動)
第8回 振動論と耐震設計2 1層建物の振動(強制振動・共振・減衰)
第9回 振動論と耐震設計3 地震応答スペクトルと耐震設計
第10回 振動論と耐震設計4 多層建物の振動
第11回 地震被害想定 地震による被害の想定手法と想定結果
第12回 被害対策計画 被害想定に基づく対策計画の策定
第13回 企業の防災戦略BCP BCPについての基本的な考え方や実践の方法など
第14回 地震対策の支援技術 建設会社など民間企業が進める地震防災対策や開発技術
第15回 学習成果の確認 レポート課題の提出

<成績評価方法及び水準>
出席、レポート提出、期末試験による総合評価による。
(ウェイトはそれぞれ5%、10%、85%)

<教科書>
建築の振動 初歩から学ぶ建物の揺れ、西川孝夫ほか、朝倉書店
 加えて、プリントを適宜配布する。

<参考書>
最新耐震構造解析、柴田明徳著、森北出版、1981年
消防白書 総務省消防庁 各年版、 防災白書 内閣府 各年版

<オフィスアワー>
久田は月〜金の21時以降はほぼ毎日研究室にいます。建築系学科学習ガイダンスによる久田・三好欄も参照すること。

<学生へのメッセージ>
 地震工学の基礎となる振動論は建築の安全性や快適性を計測する上で最も重要な分野であり、振動学は高校の数学・物理の基礎知識程度でも理解できる内容です。休まず着実に理解と演習を繰り返し、諦めずに学習して欲しいと思います。

<備 考>
事前に社会貢献学入門、減災学入門。できれば、振動論を理解するために微積分やマトリックス法の基礎を習得しておくことが望ましい。

<参考ホームページアドレス>
http://kouzou.cc.kogakuin.ac.jp/


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