2014年度工学院大学 建築学部まちづくり学科

都市再生論(Theory of Urban Regeneration)[3E14]

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2単位
星 卓志 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2015/02/13

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
 都市及び地域が抱える多様な課題を理解したうえで、それらに対処する日米の都市政策理念、都市計画手法等を学習することを基本とする。都市再生の概念を、都市化の進展に伴う負の側面を打開することと、国や地域が抱える経済社会的課題の打開に都市が貢献することの両面でとらえ、それらの動向について歴史的概観と国際比較を通して応用的な知識を習得する。

<受講にあたっての前提条件>
「地区まちづくり論」および「都市計画」を受講していること。

<具体的な到達目標>
●都市とはいかにあるべきかについて、自分なりの考え方を見いだすことができる。
●アメリカ合衆国と日本の都市をめぐる課題と取組みの類似性を理解できる。
●日本における最近の都市問題をこれへの対応状況を理解し、建築に関わるどの業務の立場からもよりよい都市づくりに貢献する視点を持つことができる。

<授業計画及び準備学習>
1.ガイダンスと「都市」についての基本認識
2.「都市」についての基本認識
 都市とは何か、都市の魅力、都市化の効果と弊害等について考え、自分なりの見解を見いだすことを促す。
 準備学習:このことについて、独自に考えメモとして整理しておくこと。
3.都市化の過程及び現代都市が抱える課題の諸相とそれらへの対応手法、取組み事例等1
 近代都市計画がいかなる過程で成立したかについて解説する。
 準備学習:このことについて、1、2年次の関連授業の復習をしておくこと。
4.都市化の過程及び現代都市が抱える課題の諸相とそれらへの対応手法、取組み事例等2
 具体的な都市計画手法を概説する。
 準備学習:前回と同様の事前準備をしておくこと。
5.アメリカにおける都市の構造をめぐる議論
 我が国都市計画が強く影響を受けているアメリカ合衆国における都市の構造をめぐる議論の歴史を解説する。
 準備学習:ジェイン・ジェイコブスの「アメリカ大都市の死と生」について調べておくこと。
6.アメリカの都市計画と都市再生
 アメリカ合衆国における都市計画制度を確認したうえで近年の都市課題に対応した都市再生論を概観する。
 準備学習:成長管理政策、ニューアーバニズム等について調べておくこと。
7.日本における近年の都市問題
 不動産バブル、中心市街地問題、郊外住宅地問題等、高度成長期以後の都市問題について解説する。
 準備学習:中心市街地問題について調べておくこと。
8.日本における近年の都市再生
 小泉政権下における都市再生施策について、その功罪を含めて解説する。
 準備学習:政府の都市再生本部のホームページを閲覧しておくこと。
9.都市再生の具体的取組み(札幌その1)
 近年の都市問題、国の都市再生施策等を背景とした札幌における都市再生の取組みについて詳細に解説する。
 準備学習:札幌市の人口、面積、地勢等について調べておくこと。札幌市ホームページの「都心まちづくり」および「都市計画」のページを閲覧しておくこと。
10.都市再生の具体的取組み(札幌その2)
11.都市再生の具体的取組み(札幌その3)
12.コンパクトシティ論
 近年の都市問題への対応としてのコンパクトシティ論について、背景、必要性、取組み事例等について解説する。
 準備学習:コンパクト・シティについて調べておくこと。
13.東日本大震災被災地における復興の取組み
 東日本大震災の被災地における復興の取組みを概観し、小規模都市の再生のあり方を考える。
 準備学習:さまざまな市町村の震災復興計画をホームページから閲覧しておくこと。
14.これからの都市再生に向けての展望
 一連の授業を総括的に概観したうえで、今後の都市が取り組まなければならない新たな課題と取組みについて展望する。
 準備学習:前回までの復習をしておくこと。
15.学習成果の確認(期末試験)

<成績評価方法及び水準>
授業ごとのコメントシート、小テスト、出席状況等の平常点(30点)及び期末試験(70点)により評価する。60点以上を合格とする。

<教科書>
指定教科書なし。
授業の中で必要な資料を配布する。

<参考書>
指定参考書なし。

<オフィスアワー>
授業の前後を基本とするが、あらかじめ連絡調整のうえ他の日時とすることも可能。

<学生へのメッセージ>
都市は、人間活動の場である建築が集まって形成され、世の建築の大半は都市との関わりの中で作られていきます。その都市をどのようにして計画し、再生していくのかを考えるのが、この授業の中心テーマです。したがって、建築のどの分野を目指す学生にとっても有意義な内容になるべく講義をしていきたいと考えています。


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