2014年度工学院大学 第2部建築学科
△文学B(Literature B)[3603]
2単位 吉田 司雄 教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい>
- 本年度はドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』を読む。文庫本で5冊にのぼる大作であるが、亀山郁夫の新訳(光文社古典新訳文庫)が100万部を超えるベストセラーとなり、昨年テレビドラマにもなった評判作である。
授業では映像資料を駆使しながら、原作小説の理解が少しでも容易となるよう配慮するので、世界文学の傑作と言われる作品の魅力を少しでも掘り下げ、また映像メディアとは異なる文学テクストの特質を考えていきたい。
- <受講にあたっての前提条件>
- 特になし。
- <具体的な到達目標>
- 社会や文化などにも目を向けながら、文学テクストの読解力を養うこと、自分の意見を自分の言葉で書ける表現力を身につけることを目標としたい。
- <授業計画及び準備学習>
- 1 ガイダンス(履修上の注意事項等の説明)
準備学習:『カラマーゾフの兄弟』を入手し読みはじめる 2 ドストエフスキーとその時代(1) 準備学習:『カラマーゾフの兄弟』を指定の箇所まで読了しておく 3 ドストエフスキーとその時代(2) 準備学習:『カラマーゾフの兄弟』を指定の箇所まで読了しておく 4 ドストエフスキーとその時代(3) 準備学習:『カラマーゾフの兄弟』を指定の箇所まで読了しておく 5 ドストエフスキーの影響―ロシア文学史のなかで 準備学習:『カラマーゾフの兄弟』を指定の箇所まで読了しておく 6 ドストエフスキーの影響―日本文学史のなかで 準備学習:『カラマーゾフの兄弟』を指定の箇所まで読了しておく 7 『カラマーゾフの兄弟』をどう読むか 準備学習:『カラマーゾフの兄弟』を指定の箇所まで読了しておく 8 『カラマーゾフの兄弟』をどう考えるか 準備学習:『カラマーゾフの兄弟』を指定の箇所まで読了しておく 9 『カラマーゾフの兄弟』を批評する(1) 準備学習:『カラマーゾフの兄弟』を読了しておく 10 『カラマーゾフの兄弟』の批評を相互批評する 準備学習:『カラマーゾフの兄弟』の批評を書いておく 11 『カラマーゾフの兄弟』の批評する(2) 準備学習:『カラマーゾフの兄弟』の批評を書き直しておく 12 ドストエフスキーと現代(1) 準備学習:『カラマーゾフの兄弟』の未読箇所があればちゃんと読了しておく 13 ドストエフスキーと現代(2) 準備学習:『カラマーゾフの兄弟』の未読箇所があればちゃんと読了しておく 14 ドストエフスキーと現代(3) 準備学習:『カラマーゾフの兄弟』の未読箇所があればちゃんと読了しておく 15 学習成果の確認(最終レポート作成) 準備学習:授業での指示を守り、「自分の言葉で」批評を書き上げる
ただし、以上のスケジュールはあくまでも予定であって、実際には指定読了箇所までのトピックを毎回様々な形で取り上げながら、平行して映画版やテレビドラマ版の一部を参考に観てゆくことになる。
- <成績評価方法及び水準>
- 「文学」の授業では、まず取り上げる作品をきちんと読むことが基本。毎回読書状況を報告してもらうと共に、時には感想を書いてもらったりする。これらをもとに平常点を算出。冬休み明けに提出予定の批評レポートとあわせて評価し、60点以上の者に単位を認める。最終の批評レポートと平常点との比率は、7:3。
ただし、平常点が一定の点数に達しない者の批評レポートは、採点対象としない。批評レポートのみ提出しても単位はとれない。また、いわゆるコピペは認めない。拙くてもいいから、「自分の意見」を「自分の言葉」で書いてあることを絶対条件とする。
- <教科書>
- ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』(亀山郁夫訳、光文社古典新訳文庫、全5冊)。
抄訳やマンガ版でなければ、新潮文庫など他社の文庫本や文学全集本で読んでも構わない。
- <参考書>
- 指定参考書はないが、興味深い本や映画を随時教場で紹介する。
- <オフィスアワー>
- 新宿校舎2715研究室 水曜19:40〜20:00
それ以外は教員に直接たずねること。
- <学生へのメッセージ>
- 『カラマーゾフの兄弟』をともかく一日も早く読了(過去に読んだことがある人は再読了)することが必要。いろいろ大変かとは思うが、通学往復の車中などを利用して、長編小説を読み進めていくための時間を作り、読みはじめた以上は最後まで読み通す決意をまずは固めてほしい。
読み終わったらこれまで授業で取り上げてきたサマセット・モームの選ぶ世界の十大小説―スタンダール『赤と黒』、エミリー・ブロンテ『嵐が丘』、バルザック『ゴリオ爺さん』、メルヴィル『白鯨』、オースティン『高慢と偏見』、フローベール『ボヴァリー夫人』、トルストイ『戦争と平和』、ディケンズ『デイヴィッド・コパーフィールド』にもチャレンジしてみてほしい。 文庫本の厚さに臆することなく、この機会に世界文学中の大傑作と呼ばれる長篇小説にどんどんチャレンジしてみようという、意欲の高い学生に受講してほしいと願っている。
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