2014年度工学院大学 第2部建築学科
基礎物理学演習(Exercises in Basic Physics)[6405]
1単位 川端 節彌 非常勤講師
- <授業のねらい>
- 電磁気学の中の「電気」に関係する部分を主な題材として、以下の到達目標を達成する。
●物理学の基本的な考え方を学ぶ。 ●演習問題を解いていくことによって考え方の理解を深める。 ●簡単な問題を分析し、解くことができる能力を身に着ける。
- <受講にあたっての前提条件>
- 物理学の理解には微積分が必要となります。講義中に微積分の解説をしますが、
●高等学校で学習した、基礎的な数学を理解していることを前提とします。
- <具体的な到達目標>
- ●電磁気学(電気)の基本法則を理解する。
●基本的な問題に応用できる能力を養う。
- <授業計画及び準備学習>
- 1. 電荷と電界-1(講義)
クーロンの法則から出発して、具体的な例で静電気力の求め方を解説する。 ○ 電荷と静電気力 ○ 例題 2. 電荷と電界-2(講義) 電界の概念を解説し、具体的な例で電界を求める。また、物理学で重要な仕事の概念 を理解する。 ○ 電界 ○ 静電気力のする仕事 3. 微分(講義) 関数、微分係数、導関数を分かりやすく解説する。 ○ 関数 ○ 微分係数と導関数 ○ 導関数の基本公式 4. 積分(講義) 積分を微分と関連づけて解説し、物理学に応用できる基礎をつくる。 ○ 積分 ○ 積分の基本公式 5. 電荷と電界-3(講義) 前々回の仕事の概念を用いて、位置エネルギーと電位の概念を導き、具体的な例で 電位の計算をする。 ○ 静電気力と位置エネルギー ○ 電位 ○ 単位系 6. 電荷と電界-4(講義) 電磁気の基本法則のひとつであるガウスの定理を導く、具体的な例でガウスの定理の 威力を学ぶ。 ○ 孤度と立体角 ○ ガウスの定理 ○ 例題 7. 電荷と電界-5(演習) 演習問題を解くことによってこれまでの講義内容の理解を深める。 ○ 電気力線と等電位面 ○ 問題演習 8. 導体と誘電体-1(講義) 導体の性質、特に静電誘導について解説し、電波を遮るにはどうすればよいかを理解 する。 ○ 導体 ○ 静電誘導と電気遮蔽 9. 導体と誘電体-2(講講) 蓄電と電気容量の概念を解説する。また、コンデンサーの間隙に不導体を挿入すると 蓄電能力が増す原理 を理解する。 ○ 電気容量 ○ コンデンサー ○ 不導体 10. 導体と誘電体-3(講講) 不導体(誘電体)の性質をミクロな観点から解説し、不導体を挿入するとコンデンサー の電気容量が大きく なる理由を理解する。 ○ 誘電分極 ○ 分極率 ○ 誘電体がある場合のガウスの定理 11. 導体と誘電体-4(演習) 演習問題を解くことによって、これまでの講義内容の理解を深める。 ○ 静電エネルギー ○ 問題演習 12. 定常電流-1(講義) 導体を流れる電流について、ミクロな観点から解説する。 ○ 電流の担い手 ○ 電流の強さとその単位 ○ 電気量保存の法則 13. 定常電流-2(講義) よく知られている「オームの法則」をミクロな観点から求めてみて、その法則の 理解を深める。 ○ オームの法則 ○ 電池の起電力 14. 定常電流-3(講義) 電気回路について基本的な計算方法を具体的な例を用いて解説する。 ○ 回路網 ○ キルヒホッフの法則 ○ 電力 15. 定常電流-4(講義) 電流が流れると発熱する。発熱を大きくすれば、暖房器具になるし、逆に、発熱が 大きいと、送電効率が悪くなる。これは発熱を制御することが重要な例である。 ○ ジュール熱 ○ 例題 ○ 問題演習
- <成績評価方法及び水準>
- ●原則として定期試験で最終成績を評価し、60点以上の者に単位を認める。
●定期試験は、講義中に行った講義内容、例題、および演習問題から出題する。
- <教科書>
- 指定教科書なし。講義ノート配布
- <参考書>
- 「理工系物理学講義」加藤潔著(培風館)
- <オフィスアワー>
- 講義のある土曜日 16:30〜17:55
- <学生へのメッセージ>
- 初回の予習は必要ありませんが、2回目の授業からは、予習と復習を兼ねて、講義ノートやご自身のノートの前回の内容に目を通すようにしましょう。きっと効果があります。
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