2014年度工学院大学 情報学部情報デザイン学科

線形代数学(Linear Algebra)[9J01]

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2単位
馬場 則男 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2015/02/13

<授業のねらい>
線形代数学は、一般科学技術において、最も重要な基本数学の一つである。ここでは特に、行列とベクトル、および、その性質について理解する。重要な線形理論の考え方と便利さを理解し、できる限り具体的な計算を通じて、また応用事例を紹介して、それらの理解を深めるようにする。

<受講にあたっての前提条件>
高校の数学、または前期の数学系授業を通じて、簡単な行列計算、ベクトル計算ができること。

<具体的な到達目標>
1)行列式、行列の四則演算ができること。2)各種方法で、行列演算による連立方程式が解けること。3)また、その基礎プログラムが書けること。4)固有値・固有ベクトルが求められること。5)線形理論の非線形理論との違いを示せること。6)直交基を把握し、種々の線形変換の幾つかができること。

<授業計画及び準備学習>
毎回の授業で小テストを行う。授業中に回収し、解答する。その日の内容を確実なものにする。
1.[イントロダクション]コンピュータ科学における線形代数の重要性。
解析の多くは線形理論と線形代数に基づいている。視覚や聴覚にうったえる画像変換や音の解析などの例を紹介する
  準備学習:高校の教科書や前期の数学系授業、あるいは適当な参考書などから行列について復習または下調べしておくこと。
2.行列の基礎と計算
  除算を除く四則演算から進め、除算で逆行列の必要性へと繋げる。
  準備学習:キューポート電子教材の基礎例題を予習する。
3.逆行列の求め方(余因子分解)
  余因子分解の小行列分解の方法を説明する
  準備学習:キューポート電子教材の余因子分解の例題を予習する。
4.逆行列と行列式の計算
  余因子分解によって逆行列が導出される過程を説明する。
  準備学習:キューポート電子教材の逆行列と行列式の例題を予習する。
5.連立1次方程式の種々の解き方1:逆行列、クラーメルの解法
  連立1次方程式の行列表現からはじめ、逆行列での解法、次にクラーメルの解法が求まることを説明する。
  準備学習:キューポート電子教材のクラーメル解法の例題を予習する。
6.連立1次方程式の種々の解き方2:掃き出し法、
  基本行間演算を説明し、拡大行列を使って掃き出し法の解き方を説明する。
  準備学習:キューポート電子教材の掃き出し法の例題を予習する。
7.連立1次方程式のプログラミングによる解き方
ガウスジョルダン法のアルゴリズムを解説し、そのC言語によるプログラミングを紹介する。  
  準備学習:同時期に学んでいるC言語の復習をする。
8.行列の階数と連立方程式
  階数の求め方を解説し、連立方程式の解が、唯一解、無数に解がある、不能、のどれかの判断基準を学ぶ。
  準備学習:キューポート電子教材の行列階数の例題を予習する。
9.固有値、固有ベクトルとは、どのようなものか。
  画像の座標変換やその他の応用を例に、それらの意味するところを解説する。
  準備学習:キューポート電子教材の固有値、固有ベクトルの解説を読んでくる。
10.固有値、固有ベクトルの求め方
  それらの求め方、演算方法を解説する。
  準備学習:キューポート電子教材の固有値、固有ベクトルの例題を予習する。
11.線形理論の考え方と意義、
  画像変換や音の分析などの応用例を通じて、線形理論の便利さ有用性を解説する。
  準備学習:キューポート電子教材の線形理論の解説を読んでくる。
12.ベクトルの1次独立性、正規直交基
  ベクトルの各成分の独立なこと、それらは互いに数学的には直交していることを解説する。
  準備学習:キューポート電子教材の正規直交基の解説を読んでくる。
13.内積、グラム・シュミットの正規直交化法
  内積を基にした直交化法を解説し、その必要性、応用例を紹介する。
  準備学習:ベクトル計算の内積について復習してくる。
14.線形変換(画像変換を例に解説)
  画像を例に、幾つかの線形変換を分かりやすく紹介する。
  準備学習:キューポート電子教材の線形変換の解説を読んでくる。
15.学習成果の確認(試験)
   準備学習:前回までの総復習を行う。

<成績評価方法及び水準>
原則として定期試験で評価し、到達目標に達したと判断される60点以上の者に単位を認める。ただし、60点に満たない者であっても、ほぼ毎週程度行う小問題演習の解答内容が十分であると認められた場合には合格とすることもある。

<教科書>
特に指定せず、キューポートに電子教材をアップする。

<参考書>
「工科系線形代数」 筧 三郎(著) 数理工学社

<オフィスアワー>
木曜日、17:00〜18:00、これ以外でもその都度個別にメールで約束の上、対応可とする。
E−mail:baban@cc.kogakuin.ac.jp


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