2014年度工学院大学 情報学部情報デザイン学科

幾何学(Geometry)[3470]

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2単位
鈴木 敏行 非常勤講師  
最終更新日 : 2015/02/13

<授業のねらい>
この講座で,受講者は座標と計算を用いて図形の性質をとらえる方法を身につける.このためには,線形代数学の知識が必要不可欠である.しかし,情報学部は線形代数学を1年後期に履修するが半年だけで,1年間であれば後半で習う線形代数学の重要な単元である固有値・固有ベクトルまで学習するのは難しい.
そこで,線形代数学に登場する固有値・固有ベクトルを理解し,具体的に計算し,それを幾何学(2次曲線・2次曲面)に応用し,構造をとらえたり,分類したりすることができるようにする.

<受講にあたっての前提条件>
1年次に開講されている線形代数学の修得は必須であると考えられる.ただし,重要な部分については講義内でも復習をする予定である.
また,高校数学の「図形と方程式」(数学II),「ベクトル」(数学B)は既知のものとして授業を進行する予定なので,復習をしてください.

<具体的な到達目標>
具体的な達成目標は以下のとおりである.
(1) 2次曲線の分類ができ,性質や概形がわかる.例えば,焦点の座標が計算できる.
(2) (2次および3次の)正方行列の固有値・固有ベクトルを理解し,具体的に計算できる.
(3) 2次曲面の分類ができ,性質や概形がわかる.

<授業計画及び準備学習>
第01回 平面上の直線と曲線
 直線の方程式の復習する.

第02回 楕円・双曲線・放物線 (1)
 定義と標準形を理解する.
 (焦点・長軸・短軸・漸近線・準線)

第03回 楕円・双曲線・放物線 (2)
 平行移動を考える.

第04回 平面上の点の運動と変換
 平行移動・対称移動・回転移動を数式で表す.
 行列の必要性を理解する.

第05回 行列と2次形式
 2次式を対称行列を利用して表現し,単純な2次式への変換を考える.

第06回 2次曲線の分類 (1)
 複雑な2次式を変換して標準形にすることにより,2次曲線を分類する.

第07回 2次曲線の分類 (2)
 2次曲線に関する補足をする.

第08回 3次元空間の平面と曲面
 空間における直線・平面の方程式を紹介する.

第09回 2次曲面の紹介
 楕円面・双曲面・錐面・放物面を紹介する.
 簡単な性質にも触れる.

第10回 2次曲面の標準形を目指して (1)
 対称行列の固有値・固有ベクトルを計算する.

第11回 2次曲面の標準形を目指して (2)
 対称行列の対角化をする.

第12回 2次曲面の分類 (1)
 2次式の変換により,2次曲線の分類を行う.

第13回 2次曲面の分類 (2)
 平方完成と平行移動により,2次曲線の分類を行う.

第14回 2次曲面のまとめ

第15回 学習成果の確認(試験)

行列計算に慣れ,講義の内容を理解してもらうために,ほぼ毎回レポートを課す.採点して返却し,成績にも反映するので,取り組むようにしてください.
また,レポートを含め,日頃の学習への取り組みは大事である.

<成績評価方法及び水準>
定期試験の点数(7割ほど)
レポート課題の解答状況(3割ほど)

<教科書>
指定教科書なし.プリントを配布する.

<参考書>
授業内で適宜紹介する.
なお,1年次の線形代数の教材は十分に役立つはずである.

<オフィスアワー>
授業の前後で受け付ける(12階講師室).


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