2014年度工学院大学 情報学部コンピュータ科学科

数学II(Mathematics II)[6553]

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2単位
片野 修一郎 非常勤講師  
最終更新日 : 2015/02/13

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
  • 積分の意味を理解したうえで、置換積分・部分積分に習熟し、具体的な積分計算が自由にできること。
  • Taylor展開の意味を理解し、初等関数のそれが具体的に計算できること。
  • 二変数関数の偏微分の意味を理解し、その計算がきちんとできること。また、簡単な極値の判定ができること。

<受講にあたっての前提条件>
微分と積分は互いに逆演算である。足し算ができなければ引き算がわかるわけがないのと同様、微分がわからなければ積分がわかるはずがない。積分から授業が始まるので、前期数学Iを十分に復習することが必須である。また、偏微分に際しては、特に前期に学んだ合成関数微分に十分習熟していることが必要である。

<具体的な到達目標>
  • 合成関数微分等の必要な既習事項を確認したうえで、積分の意味を理解し、計算が実行できる。特に、置換積分と部分積分を確実に実行できること。
  • 具体的な初等関数のTaylor展開が求められること。それを用いて関数値の近似値が計算できること。
  • 偏微分の意味を理解し、具体的な計算ができること。時間があれば、その応用として極値の判定ができること。

<授業計画及び準備学習>
1.定積分の定義と微分積分学の基本定理/不定積分の定義と簡単な場合の計算
  準備学習:1年次に学習したはずの積分について復習のこと。高等学校数学IIの教科書の積分の箇所を読んで(理解して)おくことが一番よい。
2.不定積分の置換積分
  準備学習:渡してあるプリントの復習をすること。手持ちの本およびプリントの練習問題を数多く解いてみること。
3. 不定積分の部分積分(これがわからない人が近年とても増えている)
  準備学習:渡してあるプリントの復習をすること。手持ちの本およびプリントの練習問題を数多く解いてみること。
4. 予備日 部分積分がわからない人が非常に多いので、まだ補足解説をする可能性大
準備学習:渡してあるプリントの復習をすること。手持ちの本およびプリントの練習問題を数多く解いてみること。
5.定積分の各種計算(置換積分、部分積分、部分分数展開)
  準備学習:渡してあるプリントの復習をすること。手持ちの本およびプリントの練習問題を数多く解いてみること。
6.予備日 演習をする予定。
  準備学習:渡してあるプリントの復習をすること。プリントの練習問題を数多く解いて、積極的に黒板に出て解答すること。
7. Taylor展開
  準備学習:1年次の当該項目について復習しておくこと。
8.具体的な関数(べき関数、三角関数、指数・対数関数等)のTaylor展開の演習
準備学習:渡してあるプリントの復習をすること。プリントの練習問題を数多く解いて、積極的に黒板に出て解答すること。
9.二変数関数の定義と簡単な例。手で曲面の絵を描こう。
  準備学習:1年次の当該項目について復習しておくこと。
10.偏導関数の定義とその計算(1変数関数微分の復習を含む。受講者の様子を見て判断)
  準備学習:1変数関数の微分についてまず復習しておくこと。
11.偏導関数とその計算のつづき
  準備学習:前回の授業の内容を消化しておくこと。手持ちの本およびプリントの練習問題を数多く解いておくこと。
12.高次偏導関数、合成関数の偏微分法
  準備学習:前回の授業の内容を消化しておくこと。手持ちの本およびプリントの練習問題を数多く解いておくこと。
13.二変数関数ののTaylorの定理と極値問題
準備学習:1年次の当該項目について復習しておくこと。編微分全般について復習のこと。
14. 二変数関数の極値問題の演習
  準備学習:渡してあるプリントの復習をすること。プリントの練習問題を数多く解いて、積極的に黒板に出て解答すること。
15. 学習成果の確認(前期末試験)
  準備学習:学習事項全般に渡ってよく復習すること。問題練習をできるだけ沢山行うこと。

<成績評価方法及び水準>
定期試験100点の他に、授業中にできる限り演習時間を設け、黒板に出て演習問題の解答を発表した者には1回につき5点程度の平常点を与える。少し手間のかかるレポート課題を与えることもあり、それを提出した場合にも出来具合に応じた平常点を与える。それらを合算して得点分布を調べ、他に比べて大きく点差の開いた箇所で切って合格点とする。通例50点とれれば不合格にはならないと思う。また、試験問題は、授業時に配布する演習問題の中から出題する。

<教科書>
指定教科書なし。自前のプリントを配ってテキストとする。

<参考書>
前期に使った教科書があれば、それを参考書として用いればよい。微分についての理解が不十分なら、高等学校の数学IIや数学IIIの教科書を傍に置いておくのが一番いいかもしれない。

<オフィスアワー>
講義の前後に新宿校舎12F講師室で。質問歓迎します。

<学生へのメッセージ>
近年、意味もわからないままに問題の解き方だけを覚えようとする傾向が著しく、教員として危機感を感じています。コンピュータを表面的に使えるようになるだけなら「習うより慣れろ」でも良いかも知れませんが、コンピュータのOSやコンパイラーなど深いことまで知りたいと思ったら、きちんと理屈を理解しなければわかるようにはなりません。数学は非常に抽象的な学問ですから、問題を解きながらきちんと「考え」なければ理解できるようにはなりません。そしてコンピュータの開発には数学が不可欠です。
また近年、三角関数や指数・対数関数を全く!理解していない学生が目立つようになりました。そういう根本を理解せずに試験前に公式だけ覚えるのは愚の骨頂です。だいたい、それではちっとも楽しくないでしょう! まず初めに、自分が何をわかっていないのか、それをきちんと自己分析することから始めよう。マニュアルの丸暗記は結局、ものすごい回り道になると同時に、すぐ忘れてしまうので時間の無駄遣いでもあるのです。


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