2014年度工学院大学 情報学部コンピュータ科学科
数学演習II(Exercises in Mathematics II)[3334]
1単位 鈴木 敏行 非常勤講師
- <授業のねらい>
- 前期科目である数学I・数学演習Iに続いて,1変数の積分法および2変数(以上)の微分法について学習する.微分積分法は情報科学のみならず,現代科学に接する上で最も基本的であり必要不可欠なものの一つである.
ただし,数学という科目である以上,実際に計算練習をしないと,内容理解もできないし,実際に必要となる場面で使えないことが起こり,困ってしまう. そこで,この講座で講義「数学II」で扱った内容に関する問題を実際に自分の手で計算することで,微分積分の内容を身につけていく.
- <受講にあたっての前提条件>
- 講義の「数学II」を同時に受講すること.
当然だが,前期の科目である「数学I」の修得は必須であると考えてよい. また,高校数学I・IIを復習しておくこと.特に,三角関数・指数関数・対数関数をしっかり復習するように.
- <具体的な到達目標>
- 具体的な達成目標は以下のとおりである.
(1) 積分法の定義と性質を理解し,具体的に計算できる. (2) 積分法を図形の求積に応用できる. (3) 2変数の微分法を理解し,具体的計算と極値問題への応用ができる.
- <授業計画及び準備学習>
- 基本的には講義と合わせた形で進行する.
授業の進め方は以下のように予定している.
・前回のおさらいをする. ・講義での重要なポイントをおさらいする. ・例題を用いて解法を説明する. ・類似問題を受講者の自力で解いてみる.その後,解答と解説を行う. ・その回の授業のまとめとして,課題を完成させて,授業の終わりに提出する. ・指定された問題を次回の授業開始時に板書をする.
復習の課題を毎回配布する.指名された人が次回の授業前に解答を板書したり,課題として提出したりする.
第01回 積分法1:積分の導入―面積 積分計算が微分の逆操作でできることを理解する. 必要となる微分計算の復習をする.
第02回 積分法2:不定積分・原始関数と性質 多項式関数などの単純な関数の積分をできるようにする.
第03回 積分法3:部分積分法 少し複雑な関数の積分を実行する方法の1つを理解する. log(x) や xe^x のような関数の積分をできるようにする.
第04回 積分法4:置換積分法 複雑な関数の積分を実行する方法の1つを理解する. sqrt(1-x^2) や sin^2(x)cos(x) のような関数の積分をできるようにする.
第05回 積分法5:部分分数分解 分数関数の積分をするための方法を理解する. 特に,(1次式)/(2次式)の場合は正確に計算できるようにする.
第06回 積分法6:その他の不定積分の計算 上記で紹介できなかったような積分をできるようにする.
第07回 積分法の応用1:定積分の計算 定積分の計算をする.
第08回 積分法の応用2:区分求積法と定積分 総和の極限を積分表示して計算する.
第09回 積分法の応用3:孤長・面積・体積 積分を利用して,曲線の長さ,面積,体積を計算する.
第10回 積分法の応用4:広義積分 端点で発散している関数や,(0,∞)で積分をする. ガンマ関数やベータ関数にも慣れ親しむ.
第11回 偏微分法1:2変数関数と連続性 2変数関数の極限や連続性を定義する.
第12回 偏微分法2:偏導関数の定義 偏導関数の計算をする.
第13回 偏微分法3:微分可能性と全微分・偏微分の順序交換 接平面を求める. 2次偏導関数を計算する.
第14回 偏微分法4:2変数関数の極値を求める 2変数関数に対して,極大・極小を計算して調べる.
第15回 学習成果の確認(試験) 試験を実施するが,実際に授業中に解いた問題からの出題を予定している.
- <成績評価方法及び水準>
- 定期試験の点数(5割ほど)
授業中等に実施する課題の解答状況(5割ほど)
- <教科書>
- 指定教科書なし.プリントを配布する.
- <参考書>
- 授業内で適宜紹介する.
数学Iの教材や高校のときに使った教科書や参考書は有効活用できるはずである.
- <オフィスアワー>
- 授業の前後で受け付ける(12階講師室).
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