2014年度工学院大学 情報学部コンピュータ科学科
○数学I(Mathematics I)[3225]
2単位 鈴木 敏行 非常勤講師
- <授業のねらい>
- 1変数の微分法および複素数について学習する.微分積分法は情報科学のみならず,現代科学に接する上で最も基本的なものの一つであり,確実に身に付けてほしい.
高校数学でも,その初歩を学習してきたが,より深く理解してほしい.
- <受講にあたっての前提条件>
- 高校数学I・IIを復習しておくこと.特に,三角関数・指数関数・対数関数をしっかり復習するように.
- <具体的な到達目標>
- 具体的な達成目標は以下のとおりである.
(1) 初等関数を理解し,具体的計算ができる. (2) 微分法の定義と性質を理解し,具体的に計算できる. (3) 微分法を極値問題や極限計算などに応用できる. (4) 複素数を理解し,具体的計算と応用ができる.
- <授業計画及び準備学習>
- 第01回 準備1:関数の定義と具体例
関数というものを定義し,具体的にどんなものがあるかを理解する.
第02回 準備2:方程式(三角関数・指数関数・対数関数) 方程式の解き方を復習する.
第03回 準備3:方程式と不等式 分数関数や無理関数を含んだ方程式を学習する. 不等式についても,簡単に復習する.
第04回 準備4:合成関数と逆関数の作り方 合成関数や逆関数の定義と作り方を学習する.
第05回 微分法1:関数の極限・微分の定義と性質 関数の極限を理解し,それを応用して,微分の定義をする. 多項式関数や分数関数の微分ができるようにする.
第06回 微分法2:合成関数と逆関数の微分 合成関数や逆関数の微分について学習する. その応用として,媒介変数表示された関数の微分について学習する. sqrt(x^2+1)のような関数が微分できるようにする.
第07回 微分法3:三角関数・指数関数・対数関数の微分 三角関数・指数関数・対数関数が微分できるようにする.
第08回 微分法4:逆三角関数の定義と導関数 微分積分で重要な関数である逆三角関数を定義する. その逆三角関数の微分を学習する.
第09回 微分法の応用1:中間値の定理・平均値の定理・L'Hospital(ロピタル)の定理 方程式の解の存在を示す方法を紹介する. 複雑な関数の極限の計算ができるようにする.
第10回 微分法の応用2:関数の増減 関数の増加・減少を微分を用いて調べ,最大・最小(に準ずるもの)を求めることができるようにする.
第11回 微分法の応用3:関数のグラフ・接線 微分法を用いて,関数のグラフの凹凸や,接線の方程式を求められるようにする.
第12回 微分法の応用4:Maclaurin(マクローリン)展開・Taylor(テーラー)展開 高次導関数を定義し,関数を多項式展開する方法を紹介する.
第13回 複素数1:複素数の定義と性質 複素数の定義をし,計算できるようにする.
第14回 複素数2:複素数の応用(複素数平面・極形式) 複素数を平面上の点に対応させることで,複素数の計算を有効活用する.
第15回 学習成果の確認(試験)
講義の予定は以上のとおりであるが,理解度に応じて内容が前後する場合がある.
講義の内容を理解してもらうために,ほぼ毎回レポートを課す.採点して返却し,成績にも反映するので,取り組むようにしてください. また,レポートを含め,日頃の学習への取り組みは大事である.
理解のために,あわせて「数学演習I」を履修することを推奨する.
- <成績評価方法及び水準>
- 定期試験の点数(7割ほど)
レポート課題の解答状況(3割ほど)
- <教科書>
- 指定教科書なし.プリントを配布する.
- <参考書>
- 授業内で適宜紹介する.
高校のときの数学の教科書や参考書は役立つはずである.
- <オフィスアワー>
- 授業の前後で受け付ける(12階講師室).
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