2014年度工学院大学 グローバルエンジニアリング学部機械創造工学科

Engineering Design and Machining D[4276]

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1単位
我妻 隆夫 特別専任教授  [ 教員業績  JP  EN ]
桂 晃洋 特別専任教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2015/02/13

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
 ものづくりを行う上で必須となるプロセスとマネジメントを学ぶ.
 すなわち(1)ユーザーが求めている特性,仕様の分析,(2)デザイン目標の設定とその目標を達成するための最適な方法の検討,(3)デザイン課題の抽出,(4)デザイン計画,(5)デザインの評価・検証,(6)デザインの妥当性の検証,(7)商品としての評価,(8)商品化プロセスにおいて実施すべきエンジニアリングとその手法,(9)ものづくりプロセスにおけるマネジメント,(10)創造チームに係るチームダイナミックス,などの基本的な事項について座学と演習により身につける.
 取り組む課題を受講者全員で決め,その解決策を数名のグループそれぞれで議論し導き出す演習,いわゆる模擬商品企画,商品開発会議を通じて,エンジニアとして身に着けておかねばならない,「必要なプロセスを適切に実践できる能力」がなんであるかを知り,エンジニアとしての基礎固めをする.

<受講にあたっての前提条件>
 E.D.M. A〜Cの後続科目であり,特に,本授業はECPIBと連携し,ECPIBで実際に行う演習内容について,先行してそれに必要な心構えや技法を解説するとともに,実施した内容についてのフォローを行う.
 また次年度以降のECPII,ECPIIIと密接な関係があり,基礎知識を習得するため本科目を選択することが望ましい。

<具体的な到達目標>
 モノを創案し実行するために必要なプロセスとそのプロセスにおける基礎知識を学び,身につけるべき能力(課題発見能力,課題設定能力,課題解決能力など)の必要性を認識する.
 これらもとに,受講者全員で目標課題を設定し,チームで論理的かつユニークな解決策を考え,発表する.
 機械系技術者としてデザインを適切に実践できるようにその基礎固めをすることを目標とする。

 (JABEE学習・教育目標)
「国際工学プログラム」
  (D)創造力の習得:○
  (F)デザイン能力とマネジメント能力の習得:◎
 JABEE基準1の(1)の知識・能力:(d)の(1) (d)の(2)c)d) (e)(g)(h):◎ (f):○
 

<授業計画及び準備学習>
 本授業ではまず,ECPIBで取り上げられる課題をもとに,エンジニアリングデザイン基本となる考え方,プロセス,手法を解説する.
 次いで,デザインテーマを全員の合意により決定し,そのテーマについて市場に受け入れられる商品開発を行うプロジェクトチームの一員という立場で,提案すべきデザインを構築し,商品提案書を作成するまでの一連のプロセスを疑似体験しながらエンジニアリングデザインについて学習する.
(1) 本授業の目的の理解/エンジニアリングデザインのプロセス
  <準備学習> ものづくりを行う上で,自分ならどういう手順で行うかを考えておく
(2) 利用者ニーズの分析とデザイン目標の設定および課題の抽出
  <準備学習> ECPIBデザイン仕様を理解しておく
(3) デザイン仕様(制約条件,機能の規定,情報収集法)
   コンセプトデザイン/デザイン仕様の設定(目標ツリー,機能分析,品質機能展開)
   デザイン戦略(マネジメントとチームダイナミクス)
  <準備学習> ECPIBデザイン仕様からデザインの課題となる属性を分析しておく
(4) 演習:演習テーマの決定/チームとしての意思決定方法を学ぶ    
  <準備学習> EDMDで取り組む演習課題のテーマを考えてくる
(5) 演習:課題の定義:属性と目標リストの作成 ブレインストーミング
  <準備学習> (4)で決定された課題について達成すべき課題の属性リストを作成する
(6) 演習:課題の定義:目標ツリーの作成(1)
  <準備学習> ブレインストーミングの結果を整理し,分類する
(7)  演習:課題の定義:目標ツリーの作成(2)
  <準備学習> 目標ツリーを見直し深める
(8)  演習:デザイン仕様の決定/決定プロセス・方法を学ぶ
  <準備学習> デザイン仕様を考える
(9)  演習:仕様を実現する具体案/機能解析/性能仕様法/ディスカッション
  <準備学習> デザイン仕様を実現する具体案を考える
(10)  演習:コンセプトデザイン案の決定/決定プロセス・方法の実習
  <準備学習> 提案された具体案の評価
(11) 演習:技術課題の検証
  <準備学習> デザインにおける技術課題の抽出
(12) 演習: 詳細デザインと製作仕様の決定
  <準備学習> コンセプトデザインを物として実現する上での問題点の検討
(13) 演習:デザイン妥当性の検証,商品としての評価/ディスカッション
  <準備学習> 問題点を検討する
(14) 商品提案書の作成
  <準備学習> 担当部分の提案書を作成する
(15) 学習の成果(発表会)
  <準備学習> デザイン目標をもとに商品提案書を検証

<成績評価方法及び水準>
 講義の過程で実施する演習の個人レポート(中間発表を含む)(100点満点換算)とファイナルレポート(チームレポート,100点満点)の合計点数の1/2が60点以上を合格とする。
 欠席4回以上の者については履修放棄とみなし,成績評価は行わない.

<教科書>
指定教材なし.
電子教材またはプリントで配布する.

<参考書>
エンジニアリングデザイン教材 我妻隆夫(著)・・電子ファイルで提供
エンジニアリングデザイン ナイジェルクロス(著),荒木光彦(監訳) 培風館 

<オフィスアワー>
新宿:授業終了後
八王子犬目校舎2-207室在室時はいつでも
電子メールでの質問に解答します(t_azuma@office.nethome.ne.jp)

<学生へのメッセージ>
 ものづくりのためのエンジニアリングは製作図面を書く前までの検討や作業が全てと言っても過言ではありません.
 本授業を通じ,創造的プロジェクトを進める上で必要となる基本的事項や知識を体系的に習得し,夢のある商品を世に送り出すための基礎を築いてください.


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