2014年度工学院大学 グローバルエンジニアリング学部機械創造工学科

生命科学(Life Science)[1564]

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2単位
大藤 道衛 非常勤講師  
最終更新日 : 2015/02/13

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
生命科学は、ゲノム上にある遺伝情報に基づき分子レベルで生命現象を解明する学問である。受講者は、前半の講義で、細胞の構造を学ぶとともに遺伝情報に基づいた細胞の営みが“生命”へとつながる姿を概観し「ヒト」という生物を考えてみる。後半では、生命科学研究で用いる遺伝子工学や遺伝子解析などの研究の基盤技術を学ぶとともに、遺伝子診断・遺伝子治療・再生医療など医療への応用、更には新しい技術に対する社会受容と生命倫理についても触れる。受講者は、本講義により、生命科学と医療・産業との関わりを考える際に必要な基礎知識や概念を身につける。

<受講にあたっての前提条件>
本科目履修の前提となる知識・科目は特にない。生命科学研究は機械系分野との融合により、診断・治療機器、バイオ機器、ナノバイオテクノロジーなどに応用され、医療、産業を通じて社会に還元される。本科目は、生命科学と機械系との融合分野に必要な知識や考え方に繋がる。

<具体的な到達目標>
技術者としての基礎力(分子生物学の基礎)の修得ができる。
生命科学に関する専門知識が修得できる。
生命科学、バイオテクノロジーの医学、農学への応用を学ぶことを通じ技術者倫理の修得できる。

<授業計画及び準備学習>
第1週 生物・細胞・遺伝子そして生命科学とは何かを学ぶ。
予習・復習:生物・生命の定義は何かを考えよ。細胞を構成する分子の種類を確認せよ。
第2週 細胞の種類と構造について学ぶ。
予習・復習:減数分裂と生物の多様性の関係ついて考察せよ。
第3週 遺伝情報分子であるDNA/RNA と機能を担うタンパク質について学ぶ。
予習・復習:DNA の情報分子として役割を考察せよ。
第4週 遺伝子の情報が形質となって現れる仕組み(遺伝子発現調節)を学ぶ。
予習・復習:一つの個体に多様な細胞が存在する仕組みを遺伝子発現の観点から考察せよ。
第5週 ヒトゲノムDNAの構造について学ぶ。
予習・復習:限られた数の遺伝子から、多種多様なタンパク質が作られる仕組みを考察せよ。
第6週 遺伝子発現と発生・分化の仕組みについて学ぶ。
復習:細胞分化の仕組みを環境と遺伝子発現調節の観点から考察せよ。
第7週 学習成果の中間確認(試験)
復習:試験解説により第1-6 週のキーワードを確認せよ。
第8週 遺伝子工学技術について学ぶ。
予習・復習:遺伝子組換え技術が生命科学研究にもたらした利点について考察せよ。
第9週 遺伝子解析技術について学ぶ。
予習・復習:遺伝子解析におけるPCR および電気泳動技術の役割を考察せよ。
第10 週 がんと遺伝子について学ぶ。
予習・復習:細胞がん化の仕組みを遺伝子変異、エピジェネティクス等の観点から考察せよ。
第11 週 遺伝子診断・DNA 鑑定について学ぶ。
予習・復習:遺伝子診断・DNA 鑑定の利点と社会における問題点を明らかにせよ。
第12 週 生命科学の医療への応用(遺伝子治療・再生医療)について学ぶ。
予習・復習:遺伝子治療・再生医療の医療における利点と社会における問題点を明らかにせよ。
第13 週 遺伝子組換え作物、クローン動物と生命倫理について学ぶ。
予習・復習:バイオ技術のメリット・ディメリットを考察せよ。
第14 週 生命科学のPublic understanding (PU)について学ぶ。
復習:初等・中等教育機関での遺伝子教育の進め方を検討せよ。
第15 週 学習成果の確認(試験)

<成績評価方法及び水準>
定期試験が60点以上を合格とする。ただし、定期試験が50〜59点の場合、中間試験と期末試験の平均点が60点以上を合格とする。

<教科書>
教科書は指定せず、講義資料をKUPORTから配信する。

<参考書>
榊佳之著:「ゲノムサイエンス」-― ゲノム解読から生命システムの解明へ 講談社ブルーバックス(2007)
服部正平著:「ヒトゲノム完全解読からヒト理解へ アダムとイブを科学する」東洋書店(2005)
日本分子生物学会編:「なぜなぜ生物学」東京化学同人(2010)

<オフィスアワー>
月曜日 講義終了後30分

<学生へのメッセージ>
我々人間も生物の一員、生命科学は自分自身を知る学問です。聞き慣れない用語の意味を一つ一つ理解すれば、生命科学の面白さが開けてきます。


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