2014年度工学院大学 グローバルエンジニアリング学部機械創造工学科

化学実験(Experiments in Chemistry)[2335]

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1単位
佐藤 光史 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2015/02/13

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
一般教養として基礎的な化学の実験を通じて,自然への働きかけとしての化学実験に興味を持ち,現象の観察力を養うことによって,科学的に広い視点から物事を思慮できる人格の形成をめざす。

<受講にあたっての前提条件>
化学をあまり得意としない学生にも分かるように,初歩的な内容から初める。
実験室でのテキストの使用は認めないので,指定した実験ノートに必ず予習すること。予習無しの場合には、安全面から実験を停止させることがある。実験ノートに毎回、確認印を押印する。復習は、レポート作成と提出で確認する。
本科目の習得後は,「化学1」に進み,化学実験で学んだ内容を確認し,発展させることができる。

<具体的な到達目標>
1)材料を構成している各元素の分離・確認方法を理解する。
2)酸を定量する簡便で確実な方法を理解する。
3)応用として食酢中の割合を求める。
4)無機化合物を合成し、純度を高める方法をマスターする。
5)我々の身近に存在する水を純度よくする方法とその純度評価方法を理解する。
(JABEE学習・教育目標)
「国際工学プログラム」
(C)基礎工学・専門工学知識の習得:◎
JABEE基準1の(1)の知識・能力:(c):◎

<授業計画及び準備学習>
第1週:実験を行なうにあたっての注意・ガイダンス
 [学習内容] 実験ノートの準備や実験の進め方,レポートの書き方を説明する。
 [学習準備] 指定した実験ノートに必ず予習し,実験手順を確認しておく。
第2週:無機陽イオン各個別反応1
 [学習内容] Ag+,Pb2+,Cu2+の化学反応を観察し,確認する。
 [学習準備] 指定した実験ノートに必ず予習し,実験手順を確認しておく。
第3週:無機陽イオン各個別反応2
 [学習内容] Al3+,Fe3+,Cr3+,Co2+,Ni2+イオンの化学反応を観察し,確認する。
 [学習準備] 指定した実験ノートに必ず予習し,実験手順を確認しておく。
第4週:第一属陽イオン混合試料の分析
 [学習内容] 第一属の金属イオン(Pb2+,Ag+)を分離検出する。
 [学習準備] 指定した実験ノートに必ず予習し,実験手順を確認しておく。
第5週:第三属陽イオン混合試料の分析
 [学習内容] 第三属の金属イオン(Fe3+,Cr3+,Al3+)を分離検出する。
 [学習準備] 指定した実験ノートに必ず予習し,実験手順を確認しておく。
第6週:第一属・第三属混合試料の分析
 [学習内容] 第一属と第三属の金属イオンを分離検出する。
 [学習準備] 指定した実験ノートに必ず予習し,実験手順を確認しておく。
第7週:第一属・第三属未知試料の分析
 [学習内容] 第一属と第三属の金属イオンを分離検出し,未知試料中の金属イオンを検出する。
 [学習準備] 指定した実験ノートに必ず予習し,実験手順を確認しておく。
第8週:酸塩基指示薬の呈色反応
 [学習内容] 酸塩基指示薬,フェノールフタレイン,メチルオレンジ,チモールブルーの色を観察する。
 [学習準備] 指定した実験ノートに必ず予習し,実験手順を確認しておく。
第9週:酸の0.1規定アルカリ標準液による定量
 [学習内容] 中和反応による酸の濃度を定量する。
 [学習準備] 指定した実験ノートに必ず予習し,実験手順を確認しておく。
第10週:市販食酢中の酢酸成分の定量
 [学習内容] 市販食酢中の酢酸濃度を定量する。
 [学習準備] 指定した実験ノートに必ず予習し,実験手順を確認しておく。
第11週:硫酸銅の合成と再結晶
 [学習内容] 物質の精製法の1つ,再結晶法で硫酸銅を精製する。
 [学習準備] 指定した実験ノートに必ず予習し,実験手順を確認しておく。
第12週:蒸留水の製造と比抵抗率測定
 [学習内容] 液体の精製法の1つ,蒸留で水を精製して電気抵抗を測定し,蒸留水と比抵抗の関係を考察する。
 [学習準備] 指定した実験ノートに必ず予習し,実験手順を確認しておく。
第13週:ナイロンの合成実験
 [学習内容] 高分子化合物,ナイロンは重合によって作成できることを学ぶ。
 [学習準備] 指定した実験ノートに必ず予習し,実験手順を確認しておく。
第14週:まとめ実験
 [学習内容] 再度必要と思われる実験を復習する。
 [学習準備] これまでの実験内容を確認しておく。
第15週:学習成果の確認(レポート課題作成)

<成績評価方法及び水準>
予習ノート(各回:3段階評価)+レポート点(各回:5段階評価)+提出課題点の合計で評価する。各回のレポート点が60点相当を超えない場合には、指定期日までの再レポートを1回のみ課す。指定期日までに提出されない場合、採点の対象から除外する。提出課題点は最終評価の30%以下とし、(予習ノート点+レポート点)が満点で、課題0点の場合、最終評価は70点となる。

<教科書>
配布の教材プリントを使用する。

<参考書>
「大学生の化学 Introduction」佐藤光史監修,河野博之,永井裕己共著 培風館
「視覚でとらえるフォトサイエンス化学図録」数研出版

<オフィスアワー>
毎週火曜日16:30〜18:00とするが,在室(八王子;18号館309または12号館305号室,新宿;木曜日4時限A-2718室)時は,いつでも質疑を受け付ける。訪問の際は,E-mail: ft10302@ns.kogakuin.ac.jpへの予約を推奨する。

<学生へのメッセージ>
「安全」は工学の基本である。物質を安全に扱うために、少しでも化学の知恵を身に付けよう。加えて、自然現象への観察力を養い,科学的に広い視点から物事を考えるようになってほしい。実験室では、一挙手一投足が実験であることを学ぼう。

<備 考>
他クラスとの進度調整やレポート作成時間確保のため、実験内容と順序をやむを得ず変更または省略することがある。次回の予習範囲を各回ごとに必ず確認すること。


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