2014年度工学院大学 グローバルエンジニアリング学部機械創造工学科
△世界の社会思想(Social Ideas in the Western World)[1310]
2単位 木下 ちがや 非常勤講師
- <学位授与の方針>
○ | 1. 基礎知識の習得 | ○ | 2. 専門分野知識の習得 | ◎ | 3. 汎用的問題解決技能 | ○ | 4. 道徳的態度と社会性 | ○ | 5. 創成能力 |
- <授業のねらい>
- 本授業では「原子力の戦後史」を論じていく。
アジア・太平洋戦争の敗北という壊滅的な打撃を経て、戦後の日本は「平和国家」として出発することになった。二つの原爆の投下は戦後の日本国民に強烈な「核アレルギー」をもたらすことになった。にもかかわらず、なぜ日本は50数基もの原子力発電を有することになったのか?この歴史的背景を、冷戦と高度成長、開発主義という文脈から考察することが、この授業の目的である。
- <受講にあたっての前提条件>
- 毎回の講義でレジュメを配布し、それにもとづいて講義をしていきます。レジュメの内容と講義内容をきちんと把握し、そのうえで自分の意見を確立していくことを目標とし、評価の基準とします。
- <具体的な到達目標>
- 本授業は、「原子力」をテーマにしながら、それをとりまく戦後の政治・社会・経済について論じていきます。本授業は専門性よりも、「社会問題」を総合的な視点から把握していくことを重視していきます。
- <授業計画及び準備学習>
- *何度かの授業で、ドキュメンタリーあるいは核に関連する映画を鑑賞する。
主に以下のことをテーマに、授業をおこなっていく。
第一回 導入 第二回 第二次世界大戦−戦時下の日本の核開発A 第三回 第二次世界大戦ー戦時下の日本の核開発B 第四回 占領下から独立へ―原発導入のシナリオA 第五回 占領下から独立へー原子力導入のシナリオB 第六回 核開発競争 第七回 日本のサブカルチャーにおける「核」−「ゴジラ」A 第八回 日本のサブカルチャーにおける「核」−「ゴジラ」B 第九回 高度成長から開発主義へ―原子力の本格的起動A 第十回 高度成長から開発主義へー原子力の本格的起動B 第十一回 高度成長から開発主義へー原子力の本格的起動C 第十二回 日本は、スリーマイルとチェルノブイリをどう受け止めたのか 第十三回 原子力安全論叢 第十四回 冷戦からグローバル化へ―日本の核政策の「転換」から福島の原発事故へA 第十五回 冷戦からグローバル化へ―日本の核政策の「転換」から福島の原発事故へB
- <成績評価方法及び水準>
- 期末におこなわれる試験で評価する。単に授業に出席するだけではなく、講義の内容をきちんと把握し、総合的な理解をしているかどうかを試験では判定する。
- <教科書>
- 特に指定はしない。参考書は逐次授業内で指示する。
- <参考書>
- 以下の文献をもとに、授業を行っていく。
吉岡斉『原子力の社会史―その日本的展開』、朝日新聞出版、2011年 吉岡斉『原発と日本の未来―原子力は温暖化対策の切り札か』、岩波ブックレット、2011年 海渡雄一『原発訴訟』、岩波新書、2011年 朝日新聞特別報道部、『プロメテウスの罠―明かされなかった福島原発事故の真実』、朝日新聞社、2012年
- <オフィスアワー>
- 授業終了後
- <学生へのメッセージ>
- とにかくおおまかにでも歴史的な事実を知ることが大事です。講義で興味をもったら、こういうものを読んだらいいというアドバイスをしますので、聞いてください。 なお、授業中、必要なコミュニケーション以上の私語を行っていると判断した場合には、ただちに退席してもらいます。
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