2014年度工学院大学 第1部情報通信工学科

幾何学I(Geometry I)[5317]

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2単位
長谷川 研二 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2015/02/13

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
前期の数学Iでは微分法と積分法を学んだが時間が十分といえず、幾何学への応用まで至らないようである。本科目はそれを補い、微分積分の理解を深めることが目標である。主な授業のねらいは
  1. 曲線の長さ、面積、体積を積分で計算する。
  2. 直交座標だけでなく極座標や媒介変数に対応する公式も使える。

<受講にあたっての前提条件>
数学Iを履修する。

<具体的な到達目標>
  1. 直交座標と極座標による面積や体積の計算ができる。
  2. 曲線の特性を測る曲率の計算ができる。
  3. 回転体の体積や回転面の面積が積分で計算できる。
  4. 曲面積を重積分で計算できる。

<授業計画及び準備学習>
  1. 直交座標と極座標:
    平面において直交する2本の直線を座標軸にすれば点の位置を表す座標が定まるが、これを直交座標と呼ぶ。座標の定め方は他にもあり、よく利用されるものとして極座標を解説する。問題を解かせ答案用紙を提出させる。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:プリントは事前に配布できないので数学Iで習った微分積分の復習をしておく。
  2. 曲線と極方程式:
    曲線上の点の座標がみたす等式は曲線の方程式であるが、座標が極座標の場合は極方程式という。直交座標の方程式と極方程式の関係を解説する。問題を解かせ答案用紙を提出させる。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:プリントを読んでおく。
  3. 極座標による面積の計算:
    平面の領域の面積は定積分で計算できるが、極座標で面積を計算するための積分公式を解説する。問題を解かせ答案用紙を提出させる。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  4. 曲線の長さ1:
    媒介変数表示された曲線の長さを定積分で計算するための公式を解説する。問題を解かせ答案用紙を提出させる。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  5. 曲線の長さ2:
    曲線が関数のグラフのときや極方程式で表されているときは、曲線の長さを計算する別の公式がある。それを使って長さを計算させる。問題を解かせ答案用紙を提出させる。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  6. 曲線の曲率:
    曲線の曲がり具合を数値で表したものを曲率である。曲率の定義や公式を解説する。問題を解かせ答案用紙を提出させる。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  7. 曲率円:
    曲線に接する円で半径が曲率の逆数のときこの円を曲率円といい、曲線に最も接近したものであることを解説する。問題を解かせ答案用紙を提出させる。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  8. 曲率半径と曲率中心:
    曲率円の中心と半径である曲率中心と曲率中心を求める公式を解説する。問題を解かせ答案用紙を提出させる。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  9. 回転体の体積1:
    立体でも回転体の体積は1変数の積分で計算できる。回転させる平面の領域の境界が関数のグラフのときの積分公式を解説する。問題を解かせ答案用紙を提出させる。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  10. 回転体の体積2:
    回転させる平面の領域の境界が媒介変数表示された曲線、特に極方程式で表された場合の回転体の体積の公式を解説する。問題を解かせ答案用紙を提出させる。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  11. 回転面の面積1:
    関数のグラフである平面の曲線を回転してできる曲面である回転面の面積の積分公式を解説する。問題を解かせ答案用紙を提出させる。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  12. 回転面の面積2:
    回転させる曲線が媒介変数表示された曲線、特に極方程式で表された場合の回転面の面積の公式を解説する。問題を解かせ答案用紙を提出させる。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  13. 曲面積1:
    一般の曲面の面積は重積分で計算するが、曲面を細分して公式を導く方法を解説する。問題を解かせ答案用紙を提出させる。(採点し次回の授業で返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  14. 曲面積2:
    曲面積の公式を使い曲面の面積を計算させる。問題を解かせ答案用紙を提出させる。(次回は試験なので、試験前のオフィスアワーで希望者に返却)
    準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
  15. 学習成果の確認(試験):
    準備学習:配布されたプリントを復習する。特に問題については再度解いてみる。

<成績評価方法及び水準>
定期試験をx点(100点満点)として、評点を (ax)b とする。ただし ab は (100a)b =100 で、合格基準点x0 に対して(ax0)b =60となるように定める。合格基準点は60点以下で各受講生毎に定めるとして、授業中に解かせた問題の解答状況による平常点が高いほど合格基準点は低くなる。平常点が最高であれば基準点は40点前後である。授業に出席せず答案用紙を提出しなくても定期試験で60点以上得点すれば合格となる。

<教科書>
  • 指定教科書なし
  • プリントを授業で配布したり、予習のためにキューポートにPDFファイルを事前にアップロードする。

<参考書>
  • 理工科系一般教育 微分・積分教科書 占部 実・佐々木 右左 編 共立出版
    担当者が学生のときに微分積分の教科書として指定されたものであるが、幾何への応用については時間がないので飛ばされてしまった。古い微分積分の本には本科目に関係することが書いてあることが多い。
  • 古典的難問に学ぶ微分積分 高瀬 正仁 著 共立出版
    著者は歴史の名を残している有名な数学者の原著を基に数学史を研究している人で、古い文献から見つけた微分積分の問題と解説が載っている。本科目で紹介する例を別の方法で計算したものがある。

<オフィスアワー>
水曜日5時限(八王子校舎01E−313数学研究室)
授業の直後は講師室にいることが多い。


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