2014年度工学院大学 第1部情報通信工学科
△哲学の現在(Problems of Philosophy)[1404]
2単位 真達 大輔 非常勤講師
- <学位授与の方針>
○ | 1. 基礎知識の習得 | ○ | 2. 専門分野知識の習得 | | 3. 汎用的問題解決技能 | | 4. 道徳的態度と社会性 | ○ | 5. 創成能力 |
- <授業のねらい>
- 「心」という古くて新しい問題について考える。
心と肉体の関係とは?、心は人間の脳にしか存在しえないのか?、我々はなぜ他者にも心があると思うのか?、心のある存在と心のない存在の違いは何か?、心は本当に自由なのか?、こういった問いをめぐって、デカルトの古典的な二元論から脳科学まで様々な議論を手がかりに切り込んでいく。 安易な答えに満足することなく、人間という存在の複雑さに対する理解を深め、そのわかりにくさの中で粘り強く格闘する知的忍耐力を身に付ける。 なお毎回授業の終わりに意見を書いてもらうので、それを通して主体的に考え、書く力も養ってもらいたい。
- <受講にあたっての前提条件>
- 特に指定しない。
- <具体的な到達目標>
- 心の哲学についての大まかな知識を身に付けること
普段当たり前だと思っていたことに疑問を持つこと 自分の考えを自分の言葉で表現する力を磨くこと
- <授業計画及び準備学習>
- 第1回 イントロダクション〜心という概念の運命
第2回 デカルトの心身二元論(1)〜心と体という区別 第3回 デカルトの心身二元論(2)〜その問題点:心が身体を動かすことの不思議さ 第4回 心は脳の活動の副産物にすぎないか? 第5回 「心と脳は同一である」という考え方 第6回 機能主義〜シリコンチップでできた脳 第7回 クオリア(1)〜心の内は脳からはわからない? 第8回 クオリア(2)〜「友人は緑色の夕日を見ているかもしれない」という疑い 第9回 人間とコンピューター(1)〜チェス・コンピューターはチェスを「理解」しているか? 第10回 人間とコンピューター(2)〜「常識」をプログラムすることの難しさ 第11回 直観と推論〜人間の振舞いは論理的計算に基づいているか? 第12回 感情の役割〜フィネアス・ゲージの悲劇 第13回 自己認識の不確かさ〜分離脳患者の奇妙な振舞い 第14回 決定論〜スピノザ:「自由意志は幻想にすぎない」ということの意味 第15回 まとめ 〜 再びデカルト
- <成績評価方法及び水準>
- 学期末に記述式の試験を行い、60点以上を合格として単位を認定する。
授業内容についての基本的知識が身についているかということと、論理的な文章がきちんと書けているかということを基準に評価する。
- <教科書>
- 特に指定しない。
授業の中で資料を配布する。資料を試験課題にすることもあるので、紛失しないよう保管しておくこと。
- <参考書>
- 特に指定しない。
必要に応じて、授業の中で紹介する。
- <オフィスアワー>
- 授業終了後に教室または講師室にて、気軽に声をかけて下さい。
また、授業中の質問も多いに歓迎します。一人一人の疑問・感想を教室全体に投げかけることは、お互いの理解を深めることにもなります。
- <学生へのメッセージ>
- 哲学は必ずしもわかりやすい学問ではないかもしれませんが、根源的なテーマについて一つ一つじっくり考えていく知的快楽があります。皆さんと「哲学」する楽しさを共有したいと思いますので、哲学に関して予備知識のある人も、ない人も積極的な参加を期待します。
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