2014年度工学院大学 第1部電気システム工学科

物理学実験(Experiments in Physics)[3321]

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1単位
渡部 隆史 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
矢吹 文昭 非常勤講師  
吉村 季織 非常勤講師  
田邊 誠 非常勤講師  
渡邉 夏輝 非常勤講師  
渡部 勇 非常勤講師  
小麦 真也 准教授  
最終更新日 : 2015/02/13

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
物理学に限らず,理工学を学ぶ上では理論を学び(講義),理論を応用する(演習)だけでは不十分であり,実験による物理事象の検証・発展を必要とする。実験に対する理解の度合いは,報告レポートに如実に現れる。また,レポートをまとめることにより実験の理解を深めることにもなる。一方,研究報告には「早い者勝ち」的なところがある。したがって,どんなに小さな実験であっても,どんなに基本的な実験であっても,速やかに報告をまとめる訓練を今から始める必要がある。本授業では,以下の到達目標を達成する。
  • 実験について何も知らない実験レポートの読者が初読で追実験を行うことができるレベルのレポートをまとめることができる。

  • 決められたまたは限られた期間で,正確な実験レポートを作成することができる。

<受講にあたっての前提条件>
  • 「物理学I」,「物理学II」を受講または受講中であること。
  • 多項式関数,指数関数などの初等関数の微分,積分計算ができること。

<具体的な到達目標>
  • 測定装置の原理,構造を理解し,適切な使用ができる。
  • 正確に実験を実行することができる。
  • 測定データの精度を正しく理解できる。
  • 必要事項をすべて網羅しかつ無駄のないレポートによる報告ができる。

<授業計画及び準備学習>
授業計画:
<第1週>実験の概要説明
<第2,3,4週>
実験テーマ00:ノギスとマイクロメータ
  誤差の取り扱いと誤差伝搬についての解説,レポート作成の基本的な説明
<第5,6週>以下のテーマから1テーマ
実験テーマ01:重力加速度の測定
  ボルダの振り子を用いた重力加速度の測定
実験テーマ02:音速の測定
  閉管気柱の定常波を利用した音速の測定
実験テーマ03:電気抵抗の理解
  電気抵抗に関する合成則の検証
<第7〜12週>以下のテーマから3テーマ
実験テーマ04:ヤング率の測定
  ユーイングの装置を使ったヤング率の測定
実験テーマ05:光の回折,干渉
  光の干渉現象を利用した微小サイズの測定
実験テーマ06:熱電対の校正
  物質の相転移を校正点とした熱電対の校正
実験テーマ07:粉粒体の密度測定
  比重瓶を用いた粉粒体(主として金属)の密度測定
実験テーマ08:ガスの励起エネルギーの測定
  フランク・ヘルツ管を使ったネオンガスの励起エネルギー測定
実験テーマ09:電磁コイルの特性
  ソレノイドコイルのインダクタンス測定
実験テーマ10:放射線計測
  β線源から放出されるβ線のエネルギー測定
実験テーマ11:RC回路の特性
  RC回路の周波数特性と位相特性の測定
実験テーマ12:物質の磁気的特性の測定
  強磁性体の磁化曲線測定
<第13,14週>レポートの修正
<第15週>予備日
準備学習:
第5週以降の実験テーマの決定は,第2〜4週中に発表される。それを踏まえたうえで,実験テーマ00を含めたすべての予定される実験テーマについては,教科書の各テーマを読んで理解をしておくこと。

<成績評価方法及び水準>
実験テーマ00を除いた12の実験テーマはすべて,1テーマにつき2週にわたって行われる。全員が実験テーマ00を含めた5テーマの実験を行う。指定した実験すべてについて実験レポートの提出を必須とし,それぞれの実験テーマごとの実験報告レポートによって成績を評価する。

実験はテーマ00とほかの12の実験に分類され,テーマ00は,
  1. 概要
  2. 実験結果
  3. 解析結果
  4. 考察

について,それぞれにチェック項目を設定する。これらチェック項目にしたがい,3段階評価(0〜2)で評価する(8点満点)。さらに,物理内容について2点満点の評価を行う。したがって,10点満点となる(評価点A)。

ほかの12のテーマについては,
  1. レポートの概要
  2. 物理学的動機
  3. 実験方法・実験理論
  4. 測定結果
  5. データ解析
  6. 考察

に分け,それぞれにチェック項目を設定する。これらチェック項目にしたがい,4段階評価(0〜3)で評価する(18点満点)。さらに,物理内容について2点満点の評価を行う。したがって,1つのレポートについては20点満点となる(評価点B)。

以上の評価点Aと評価点Bによって,

(評価点)=(評価点A)+(評価点B)×(実験数)

の単純和を取り,これを100点に規格化して成績を評価する。

<教科書>
「物理学実験」(学術図書出版:工学院大学物理学教室編)

<参考書>
「新しい誤差論 - 実験データの解析法」(共立出版:吉澤康和)
「物理学講義 改定版」(培風館:加藤潔)

<オフィスアワー>
水曜日 12:40〜13:20 (八王子校舎総合教育棟01W-332室)

<学生へのメッセージ>
オフィスアワー以外でも質問は歓迎する。ただし,実験テーマによって担当者が違ってくるので,emailを利用するか事前にアポイントメントを取るように(Physics.Exp[at]map.kogakuin.ac.jp)。

<備 考>
履修状況,学習目標の達成に合わせて,実験テーマ数を調整することがある。その場合,成績評価については,実験テーマ数に合わせてスケールした上で100点満点に調整する。

<参考ホームページアドレス>
http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~ft11196/


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