2014年度工学院大学 第1部環境エネルギー化学科

原子力工学概論(Introduction to Nuclear Engineering)[5B71]

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2単位
土江 保男 非常勤講師  
最終更新日 : 2015/02/13

<授業のねらい>
 「エネルギーの持続的・安定的確保」と「地球環境」の問題を同時に解決できる方策の1つとされる「原子力」の開発と利用について、その背景・位置づけ、基本原理・仕組み、原子炉プラント・システム構成、原子燃料サイクル、各種利用形態、工学、安全性・経済性、開発の現状・課題、今後の方向性などの全体概要を理解する。

<受講にあたっての前提条件>
 本科目を履修する前に、基礎的工学(機会、システム、材料等)、コミュニケーション能力(パソコンで各種事項の検索、和文・英文の技術資料の調査、分析、評価、要約等できる技能)を習得している必要がある。
 本科目を習得した後は、原子力を含むエネルギー問題や地球環境問題に関連する事項に積極的に関与できる。

<具体的な到達目標>
 「原子力」の開発背景、位置づけ、各種原子炉(軽水炉、高速増殖炉、高温ガス炉等)・プラント・原子燃料サイクルのシステム原理・仕組み・構成、各種利用形態(発電利用、放射線利用、熱利用)、開発の現状と課題を理解・把握し、エネルギー・地球環境問題の具体的な解決策について考察する。

<授業計画及び準備学習>
(1). [ガイダンス]、内外のエネルギー情勢
(2). エネルギーと地球環境、原子力の行政、必要性、経済性
(3). 原子力発電の仕組み、プラント主要機器
(4). 原子力発電の安全性
(5). 原子力発電の事故・トラブル事例(福島原発事故関連を含む)、放射線の特徴、影響、利用
(6). 原子燃料サイクル、再処理、プルトニウム利用
(7). 放射性廃棄物の処理・処分、新型炉開発の手順
(8). 原子力開発の問題点、[準備学習(総復習)]、最近の原子力開発の概要、方向性
(9). 新型軽水炉(LWR)
(10). 新型原子燃料サイクルと高速増殖炉(FBR)
(11). 新型高温ガス炉(HTGR)
(12). 新型高温ガス炉(HTGR)の開発プロジェクト例
(13). 原子力水素製造
(14). 原子力熱利用(化石燃料・バイオマス燃料の改質・輸送用合成燃料製造等、地域熱供給、海水淡水化等)
(15). [準備学習(総復習)]、[学習成果の確認(レポート課題作成)]

<成績評価方法及び水準>
 期末レポートの内容で評価する(100点満点で60点以上の者に単位を認定)。

<教科書>
「原子力工学概論」(2013年度、土江保男)(講義の都度、テキストを配布)。

<参考書>
「原子力年鑑」(2014年度)(日刊工業新聞社[発行]、日本原子力産業協会[監修])。

<オフィスアワー>
 講義時間後の質問等は、毎回の講義終了後の20分間に講師控室(新宿キャンパス12階)で、または電子メールで、受け付ける(メールアドレス:yasmic-tsuchie@ap.wakwak.com)。

<学生へのメッセージ>
 「エネルギー」と「地球環境」の観点からその役割が重要視されつつある「原子力」の開発と利用の必要性、有効性、安全性、システム原理・工学、現状、課題、今後の方向生等につき、基礎的、国際的、長期的、総合的視点で学び、理解、分析、評価、提案でき、かつ将来、それら人類共通課題の解決に向けて、何らかの形で、参加・貢献できるようになって欲しい。


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