△化学エネルギー工学（Chemical Energy Engineering）[1B14]

＜学位授与の方針＞

	1. 基礎知識の習得
◎	2. 専門分野知識の習得
	3. 汎用的問題解決技能
	4. 道徳的態度と社会性
	5. 創成能力

＜授業のねらい＞

エネルギーにも有効なものと有効でないものがある。講義の前半では、有効なエネルギーの物差しである「エクセルギー」の基礎と実際の化学プロセスへの応用について解説する。後半では化学物質の化学エネルギーから電気エネルギーへの変換装置である化学電池や燃料電池を理解し、より高い性能の電池を開発できるよう、電気化学について講義を行う。エネルギー工学の基礎を修得して電気化学工学を応用できるようになる。

＜受講にあたっての前提条件＞

物理化学IIを受講していること。

＜具体的な到達目標＞

一、二年で用いた物理化学の教科書をも使って内容理解を深めると同時に、電極電位や理論起電力の計算など応用分野でよく用いられる電気化学計算ができるようになる。

＜授業計画及び準備学習＞

１. エネルギーの種類
　熱、仕事、電気、エンタルピー、Gibbsエネルギーなど
　準備学習：物理化学I教科書の復習
２. エネルギーの保存と変換
　力学的エネルギー、熱力学第1法則、カルノーサイクル
　準備学習：物理化学I教科書の復習
３. 有効なエネルギー（エクセルギー）
　利用できないエネルギーは意味がない!
　準備学習：物理化学IとIIの教科書の復習およびプリントの予習
４. エネルギーの有効利用と将来
　エネルギーを有効に利用する方法
　準備学習：１〜３回の講義の復習とプリントの予習
５. 電気化学の基礎
　電解質溶液の性質
　準備学習：教科書第4章4・1、4・2、4・3の予習と問題の解答
６. 電気化学現象
　起電力から始まった；電池反応と電極電位
　準備学習：教科書第1章1・1、1・2、1・3の予習と問題の解答
７. 電池の起電力と平衡電極電位
　起電力とGibbsエネルギーの関係
　準備学習：教科書第3章3・1、3・2の予習と問題の解答
８. 種々の電極
　種々の電極の平衡電極電位　
　準備学習：教科書3・3、3・4の予習と問題の解答
９. 演習
　電極電位、起電力
　準備学習：第5回〜8回の復習
１０. 中間試験
　第1回〜９回までの内容に関する試験
１１. 電極反応の速度
　電極での反応機構と過電圧の発生する仕組み
　準備学習：教科書第2章2・1、2・2の予習と問題の解答
１２. 物質移動過程に起因する過電圧
　物質移動抵抗は結果的に反応速度を小さくしたり、大きくしたりする！
　準備学習：教科書p.40〜p.45の予習と問題の解答
１３．種々の電池と燃料電池
　水の電解の逆反応だから、理解は容易？電池の原理。
　準備学習：教科書p.106〜p.109の予習と問題の解答
１４．総括の演習
　総合的な演習を行い、解答を得る。
１５. 定期試験
　学習成果の確認

＜成績評価方法及び水準＞

講義の後半に行う小テストの成績を20％、中間試験を30％、定期試験を50％の重みとする。100点満点で60点以上であれば合格とし、50〜59点の者は追加課題の全問正解をもって合格とする。ただし５回以上講義を欠席した学生は履修放棄とみなし、成績評価は行わない。

＜教科書＞

玉虫・高橋著「エセンシャル電気化学」（東京化学同人）

＜参考書＞

Atkins「物理化学（上）」第八版（東京化学同人）
大堺 他著「ベーシック電気化学」（化学同人）

＜オフィスアワー＞

　月曜日、A1976 ですが、前日までにe-mail(nagamoto@cc.kogakuin.ac.jp)で予約してください。

＜学生へのメッセージ＞

予習と復習を欠かさず、演習問題を必ずやるように。頑張ってください。