2014年度工学院大学 第1部環境エネルギー化学科
環境分析化学(Environmental Analytical Chemistry)[5155]
2単位 釜谷 美則 准教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい>
- 近年、世界的規模で大気、河川、湖沼、土壌、さらに地下水等の汚染が進行しており、それらの濃度を測定する分析化学の知識が必要になっています。この授業では、環境分析に必要な基礎的な知識についを理解する。
以下に具体的な達成目標を示す。 1.モル濃度などの濃度表示方法を理解する。 2.強酸・強塩基溶液のpHおよび弱酸とその塩溶液のpHの計算方法を理解する。 3.酸化還元反応を理解し、化学反応式を立てられるようにする。 4.難溶性塩の溶解度の計算を理解する。 5.水質中の主な汚染成分の分析方法を理解する。 6.大気中の主な汚染成分の分析方法を理解する。 (JABEE学習・教育目標) 「環境化学工学プログラム」:(D)◎ JABEE基準1の(1)の知識・能力:(d)-(3)◎
- <受講にあたっての前提条件>
- 分析化学1
- <具体的な到達目標>
- 濃度の単位、標準溶液、さらに化学反応における当量関係を理解します。その後、分析化学における基礎的な化学反応を理解し、それが具体的にどのように環境分析に利用されているかを学びます。また、環境分析において必要な機器分析についても学び、大気、水質、さらに土壌汚染の分析法を理解します。
- <授業計画及び準備学習>
- 第1週「分析化学と環境分析化学」の位置づけについて学ぶ。
第2週「分析データの取り扱い」誤差や有効数字について学ぶ。演習1 第3週「濃度の表示方法」モル濃度を中心とした濃度表示方法とその意味について学ぶ。演習2 第4週「強酸と強塩基」溶液の調製法とpHについて学ぶ。演習3 第5週「弱酸と弱塩基」弱酸と弱塩基のpHの算出法について学ぶ。演習4 第6週「溶解平衡と沈殿滴定」難溶性塩の溶解度ならびに沈殿滴定法について学ぶ。演習5 第7週「酸化還元とその滴定法」酸化還元の意味を知り、それを使った滴定法について学ぶ。演習6 第8週「キレート滴定と中和滴定」硬度の求め方ならびに中和滴定の基本について学ぶ。演習7 第9週「環境に関わる法律」環境関連の法律についてその概要を学ぶ。 第10週「水質分析」重金属や水質指標の分析法について学ぶ。演習8 第11週「大気分析」酸性雨、大気汚染物質などの分析法について学ぶ。演習9 第12週「土壌分析」ダイオキシン、農薬などの汚染物質の分析法について学ぶ。演習10 大13週「環境分析のための簡易分析」野外で分析可能な簡易分析法について学ぶ。 第14週「まとめ」これまでの全体のまとめを行なう。 第15週「期末試験」
- <成績評価方法及び水準>
- 演習中の演習問題の結果(約10問)を約30%として,期末試験結果を約70%として計算する.総合評点が60点以上を合格点とする.
- <教科書>
- 合原ら著:環境分析化学,三共出版(2005)
- <参考書>
- 「環境の化学分析」 日本分析化学会北海道支部偏 三共出版(1998)
「これからの環境分析化学入門」小熊幸一ら 講談社(2013)
- <オフィスアワー>
- 火曜日 17:00〜18:00 八王子校舎 12-307号室
- <学生へのメッセージ>
- 公害防止管理者などの国家試験にチャレンジしてみませんか。これから、地球環境保全のための活動には,分析化学の知識が必要になってきます。授業のみならず野外に出て、市民などが行っている環境活動にも是非参加して幅広い視野を培ってください。
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