2014年度工学院大学 第1部環境エネルギー化学科

生物化学(Biological Chemistry)[2504]

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2単位
小山 文隆 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2015/02/13

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
1年次の学生が、化学の基礎と、生命科学に関連する分野をはじめ、生物を理解するためには有益と思われる他の分野も化学のレベルから解説します。
“なぜ”化学が必要なのか、化学が生命科学の分野でいかに重要な役割を果たしているのか。化学を通して生命科学の面白さを実感し、生命の奥深さを知っていただきたい。

<受講にあたっての前提条件>
高校レベルでの化学が身に付いていること。高校レベルの生物を受講していることが望ましいが、必須ではない。

<具体的な到達目標>
生命の主役はタンパク質で,そのシナリオは遺伝子 DNA に塩基配列の形ですべて書かれています。学生が、DNA の遺伝情報が mRNAに転写され,タンパク質に翻訳され,機能を発揮し,それが分解されるまでの概要を理解できること。

<授業計画及び準備学習>
<授業計画>
1回目
1.生物化学の授業に関する注意
2.シラバスの説明
3.自己紹介を兼ねた生物化学の紹介

2回目
生物化学における水の重要性について
タンパク質を構成するアミノ酸について

3回目
タンパク質の構造 I 
タンパク質の重要性
タンパク質の一次構造について

4回目
タンパク質の構造II
タンパク質の高次構造と機能について

5回目
タンパク質の変性とは何か、その機構と利用など

6回目
酵素について
酵素の分類、構造、性質そして利用

7回目
酵素の調節と様々な阻害

8回目
核酸 (DNA と RNA) の構造

9回目
DNA の生合成

10回目
RNA の生合成

11回目
遺伝情報の発現とその調節

12回目
タンパク質の生合成と分解

13回目
炭水化物について化学的に解説

14回目
脂質について化学的に解説

15回目
定期試験

<準備学習>
学習の参考になるアメリカの出版社の動画(英語版)を紹介します。再生し、学習したことが動画を通じて理解できるように予習し、復習する。
授業では、細胞生物学に関わる基本的な用語を、日本語と英語で表記します。化学で必要とされる英語単語にも親しむことが出来ます。

<成績評価方法及び水準>
1. 成績評価は、全開講数の 3 分の 2 以上を出席したうえで、記憶すべき事項 (70%、基本的に穴埋め) と理解度 (30%、文章問題) を調べる期末テストで客観的に行う。60% 以上を合格とする。
2. 定期試験での資料等の持ち込みは一切不可。

<教科書>
必ずしも購入しなくてもよい。

マクマリー・生物有機化学 生化学編
菅原 二三男 他 (翻訳)
出版社: 丸善; 第3版版

「ヴォート 基礎生化学 (第3版)」 Donald Voet (著), Charlotte W. Pratt (著), Judith G. Voet (著), 田宮 信雄 (翻訳), 村松 正實 (翻訳), 八木 達彦 (翻訳), 遠藤 斗志也 (翻訳)
東京化学同人

<参考書>
タンパク質の一生―生命活動の舞台裏 (岩波新書) (新書)

<オフィスアワー>
講義に関する質問はどんな些細なことでもかまわないので、まず以下のアドレスにメールをください。
bt13262@ns.kogakuin.ac.jp

<学生へのメッセージ>
生物化学は、化学的方法を基礎にして生物の種々の現象を明らかにする学問です。生体を構成する種々の成分の性質や構造を明らかにする静的 (static) な立場からの研究と、生体構成分が生物体内でどのように合成され分解されるかという動的 (dynamic) な立場からの研究があります。この二つの立脚点は相互に車の両輪のような関係にあり、両者が一つに統合されて初めて生命現象をより深く理解することができます。


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