2014年度工学院大学 第1部応用化学科

物理化学IV(Physical Chemistry IV)[3E11]

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2単位
小林 元康 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2015/02/13

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
原子と原子がどのように結合して分子が生成するのか、量子化学の基本原理を学びながら理解する。また、原子・分子(特に有機分子)の結合状態や構造を分光学的に解析する手法を学び、そのしくみを量子化学に基づいて理解することを目標とする。

<受講にあたっての前提条件>
物理化学I、II、IIIを受講していることが望ましい。

<具体的な到達目標>
(1)物質波とは何か説明でき、具体的にドブロイ波長を計算で求めることができる。
(2)関数の規格化を行うことができる。
(3)最も単純な水素原子のs軌道における電子の存在確率を動径分布関数を用いて表わすことができる。
(4)水素分子を例にして結合性軌道と反結合性軌道の違いを説明できる。
(5)分光分析スペクトルがなぜ分子の結合状態や構造を反映しているのか言葉で説明できる。

<授業計画及び準備学習>
1.量子論の導入
2.波動方程式
3.シュレーディンガー方程式と箱の中の粒子
4.量子力学の仮説と一般原理
5.調和振動子と剛体回転子
6.水素原子と近似的方法
7.水素原子の軌道(1)
8.水素原子の軌道(2)
9.中間試験
10.水素分子の軌道
11.結合と反結合
12.光(電磁波)と分子分光学
13.赤外吸収スペクトル
14.核磁気共鳴分光法
15.期末試験
毎回授業の最後に演習を行う。

講義の最後に次回の内容を予告するので、事前に教科書(マッカーリ・サイモン 物理化学)の次の単元を読んでおくこと。

1. 原子の軌道・分子の軌道(1)
2. 原子の軌道・分子の軌道(2)
3.光(電磁波)(1)
4. 光(電磁波)(2)
5. 光源
6. X線と物質
7. 紫外・可視光と物質(1)
8. 紫外・可視光と物質(2)
9. 赤外線と物質(1)
10. 赤外線と物質(2)

<成績評価方法及び水準>
中間試験(配分40%)・期末試験(配分40%)と出席点(配分20%)で最終成績を評価、60点以上のものに単位を認める。

<教科書>
アトキンス「物理化学(上) 第8版」東京化学同人 SBN-13: 978-4807906956

<参考書>
マッカーリ・サイモン「物理化学 分子論的アプローチ(上)」東京化学同人 ISBN-13: 978-4807905089

<オフィスアワー>
木曜15:00-17:00八王子キャンパス 5号館202号室
水曜15:00-16:00新宿キャンパス 20階A-2066号室
事前にメールで問い合わせ下さい。小林:motokoba@cc.kogakuin.ac,jp

<学生へのメッセージ>
分光分析は目に見えない分子の構造を明らかにできる非常に大切な技術であり、有機合成や生物工学の卒業研究でも不可欠なツールである。ただ、そのしくみを理解するには量子化学の知識が欠かせないのである。この講義で量子化学の考え方をきちんと学び、次のステップ(卒業研究や大学院)に進んでほしい。


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