2014年度工学院大学 第1部応用化学科

酵素化学(Enzyme Chemistry)[3A05]

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2単位
坂口 政吉 講師  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2015/02/13

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
酵素は生体内の複雑な化学反応を円滑に行う生体触媒である。
触媒としての酵素の特性に注目し,特定の化学反応を効率よく進行させる仕組みを理解する。
また,酵素および酵素反応の評価法を理解する。

<受講にあたっての前提条件>
酵素の成分は、主にタンパク質である。
アミノ酸,ペプチド,タンパク質への理解が必要となる。
そのため,生物化学に関する科目,実験を受講していることが望ましい。

<具体的な到達目標>
1)酵素の特徴を理解すること
2)酵素の反応特異性について理解すること
3)酵素の調節機構について理解を深めること
4)酵素および酵素反応の解析法について理解すること

<授業計画及び準備学習>
1.酵素研究の歴史と特性
タンパク質に関する知識の復習と酵素研究の歴史を振り返る 
2.酵素の分類と特異性
 酵素の種類とその反応特異性について理解する
3.酵素反応と反応制御
 酵素反応(化学反応)の理解と反応を制御する仕組みについて理解する
4.酵素の性質-触媒機構(1)-酸塩基触媒と共有結合触媒-
 触媒機構の酸塩基触媒と共有結合触媒の機構(メカニズム)を理解する
5.酵素の性質-触媒機構(2)-金属イオン触媒,静電触媒,近接効果,配向効果-
 その他の触媒機構と種々の効果を理解する
6.酵素反応機構-加水分解酵素-
 加水分解酵素を例として,その反応機構を理解する
7.酵素反応機構-タンパク質分解酵素-
 タンパク質分解酵素を例として,その反応機構を理解する
8.酵素反応速度論-ミカエリス・メンテンの式-
 酵素反応研究の歴史とその評価法について理解する
9.酵素反応速度論-ミカエリス定数と最大速度-
 酵素反応の評価法とその評価の意味を理解する
10.酵素活性の阻害-競合阻害-
 酵素反応制御の例として,反応阻害例を理解する
11.酵素活性の阻害-反競合阻害と混合阻害-
 酵素反応制御の例として,反応阻害例を理解する
12.酵素活性の調節
 酵素反応制御の例として,修飾や結合などによる四次構造変化を理解する
13.酵素の利用
 私たちの暮らしの中で,酵素が利用されている例を把握する
14.まとめ 
15.学習成果の確認(試験)

2年生までの教わったタンパク質の復習と,
各回で触れた事項を復習することで,次回に触れる事項の理解度が深まる。
そのため,復習を繰り返してほしい。

<成績評価方法及び水準>
定期試験(90%),授業中の演習問題(10%)の結果で最終成績を評価し,60点以上の者に単位を認める。

<教科書>
指定教科書なし

<参考書>
ヴォート「基礎生化学」第3版 (東京化学同人)

<オフィスアワー>
水曜日(前期) 午前中
常駐場所が八王子校舎のため,新宿校舎で面談希望の場合は,あらかじめE-mailまたは電話で予約することが望ましい。
E-mail: bt11532@ns.kogakuin.ac.jp; 内線番号:3371

<学生へのメッセージ>
酵素の成分は主にタンパク質であり,その反応や構造はアミノ酸の寄与が大きい。
様々な場所で,それぞれの役割を持つ酵素やタンパク質の巧妙さに興味を持ってほしい。


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