2014年度工学院大学 第1部応用化学科
医薬品合成化学(Synthetic Medicinal Chemistry)[2C06]
2単位 安井 英子 准教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <学位授与の方針>
○ | 1. 基礎知識の習得 | ◎ | 2. 専門分野知識の習得 | ○ | 3. 汎用的問題解決技能 | ○ | 4. 道徳的態度と社会性 | ○ | 5. 創成能力 |
- <授業のねらい>
- これまでに学んだ有機化学の知識が実際の医薬品合成でどのように利用されているのかを学ぶ。具体例として、医薬品“タミフル”の合成法について学ぶ。タミフルはこれまでに複数の研究グループによって合成法が開発されている。このうちの数例を取り上げて比較検討し、それぞれのグループの特色を考える。自分達が学んできた有機化学の基礎が、実社会での研究につながるものであることを体感して欲しい。
以下の項目を習得することを目指す。
- <受講にあたっての前提条件>
- 有機化学1、2、3を受講していること。
- <具体的な到達目標>
- 医薬品開発がどのように行われるのかを説明できる。
医薬品合成に用いられている反応を説明できる。 医薬品の合成法を確立する上でどのようなことを考慮して決めるかを説明できる。 不斉合成の重要性について説明できる。
- <授業計画及び準備学習>
- 1、講義方針説明、医薬品開発の流れについて(DVD視聴予定)
2、マクマリー概説(第6版)1〜3章を中心とした内容 3、マクマリー概説(第6版)4〜6章を中心とした内容 4、マクマリー概説(第6版)7章を中心とした内容 5、マクマリー概説(第6版)8章を中心とした内容 6、マクマリー概説(第6版)9章を中心とした内容 7、マクマリー概説(第6版)10章を中心とした内容 8、マクマリー概説(第6版)11章を中心とした内容 9、タミフルの合成例I(ロシュグループによる合成法を学ぶ)1 Fischerエステル合成、アセタール保護 10、タミフルの合成例I(ロシュグループによる合成法を学ぶ)2 エポキシド、アジリジンへの変換反応 11、タミフルの合成例II(その他の研究者による合成法を学ぶ)1 共役付加反応、分子内環化反応 12、タミフルの合成例II(その他の研究者による合成法を学ぶ)2 カルボン酸誘導体の官能基変換、ニトロ基の還元 13、タミフルの合成例II(その他の研究者による合成法を学ぶ)3 立体化学を考える 14、医薬品合成に関する演習問題に取り組む
- <成績評価方法及び水準>
- 第1階目の講義に必ず出席し、講義方針を理解すること。出席、レポート、定期テストを総合的に評価し、60点以上のものに単位を認める。既定回数以上欠席した場合には受講放棄とみなし単位を認めない。出席はカードリーダーを利用するが、打刻時刻を厳密に照会する。
- <教科書>
- マクマリー有機化学概説(第6版)
伊東椒・児玉三明 訳 東京化学同人
- <参考書>
- 指定参考書なし
- <オフィスアワー>
- 授業後、または予約をしてもらえれば対応します。
- <学生へのメッセージ>
- 一見すると非常に難しく見える医薬品合成も、一つ一つ丁寧に見ていけば知っている反応の組み合わせです。丁寧に解説するので有機化学が苦手であっても医薬品合成に興味がある人は受講して下さい。ただし、復習やレポートに前向きに取り組むことが必須です。
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