2014年度工学院大学 第1部応用化学科
○分析・物理化学実験(Analytical Chemistry、Physical Chemistry Laboratory)[3257]
2単位 小山 文隆 教授 [ 教員業績 JP EN ] 飯田 肇 講師 [ 教員業績 JP EN ] 阿相 英孝 准教授 [ 教員業績 JP EN ] 大家 渓 非常勤講師 [ 教員業績 JP EN ] 田中 理子 非常勤講師
- <学位授与の方針>
○ | 1. 基礎知識の習得 | ◎ | 2. 専門分野知識の習得 | | 3. 汎用的問題解決技能 | | 4. 道徳的態度と社会性 | | 5. 創成能力 |
- <授業のねらい>
- 分析化学系:物質を正しく理解するには、何らかの方法で分析して物質の情報を得る必要がある。このため、本実験では、基礎的な器具の取り扱い方法、標準溶液の調製とその標定の方法、さらに化学量論的な考え方を習得することを目標とする。
物理化学系:化学では、物質の状態やその変化を知ることが重要である。しかし物質の状態や変化は目で見てすぐ分かるという訳にはいかない場合が多い。そこで、反応前後の状態から、どのような変化がおきたかを知ることが必要となる。本実験では、これらの目に見えない状態やその変化を、外部から観測できる測定値によって把握する基本的な手法を学ぶことを目標とする。
- <受講にあたっての前提条件>
- 化学基礎実験を履修していること。
- <具体的な到達目標>
- 1. 有効桁、精度、正確さの意味を理解し、測定容器の正しい使い方を習得する。
2. 標準溶液について理解し、その標定方法を習得する。 3. 化学反応から当量関係を理解し、測定原理を習得する。 4. 分析装置の原理や操作方法を習得する。 5. 測定結果の解析法を習得する。
- <授業計画及び準備学習>
- この実験では、初めの1回と2回で各実験項目の背景と概略説明を行う。その後、班分けを行い、班ごとに異なる実験を日毎に順次行う。実験終了後は、レポートを作成し必ず提出すること。
以下に、実験項目とその簡単な内容を示す。実験ノートを準備し,事前にテキストを読み予習すること。
1. 実験講義(ヨウ素滴定,キレート滴定,原子吸光,酸化還元滴定、電位差分析) 2. 実験講義(タンパク質、酵素、粘度、凝固点降下)、実験場所・器具確認 3. 「ヨウ素滴定」 チオ硫酸ナトリウム溶液で滴定することによってオキシドール中の過酸化水素濃度を求める. 4. 「キレート滴定」 水道水やミネラルウオーターなどの水中のカルシウムイオン,マグネシウムイオンをキレート滴定から求め,その硬度を求める. 5. 「原子吸光分析」 分析方法の原理を理解し、未知試料中3価鉄イオンの含有量を求める。 6. 「酸化還元滴定」 過マンガン酸カリウム溶液で滴定することによって粉末試料中2価鉄の含有量を求める. 7. 「電位差分析」 pHメータの正しい使い方を学び、酢酸の解離定数を求める。 8. レポート討論 9. 「タンパク質の定量」 生物材料からタンパク質を抽出し、Lowry法により定量する。 10. 「酵素の化学的性質−温度の影響−」 ジニトロサリチル酸法によってα-アミラーゼの活性を試験する。各温度における反応曲線を作成し、本酵素反応における最適温度を調べる。また、本酵素の温度安定性についても調べる。 11. レポート討論 12. 「液体の粘度」 ポリビニルアルコールの水溶液の粘度から平均分子量,重合度を算出する。 13. 「凝固点降下」 ベンゼンにナフタリンを溶解し、その凝固点降下より分子量を決定する。 14. レポート討論 15. 学習成果の確認
- <成績評価方法及び水準>
- 実験項目ごとに提出するレポートの提出状況・評価結果、実験態度を総合的に評価し、合計60点以上を合格とする。期末試験は実施しない。レポートの提出遅れは減点する。実験に出席していても、その回のレポートが未提出の場合には、欠席扱いとする。欠席3回以上は履修放棄とみなし,未履修扱いとする(講義日,レポート討論日の欠席も含む)。詳細は,初回授業時に補足説明を行う。
- <教科書>
- 分析・物理化学実験テキスト
- <参考書>
- 長島珍男:工学のための分析化学,サイエンス社(2004)
ISBN:7819-1054-8
- <オフィスアワー>
- 原則,実験授業後に相談に応じる。
なお,不明な点があるときは以下のアドレスにメールをすること。 小山: bt13262@ns.kogakuin.ac.jp
- <学生へのメッセージ>
- 実験の前には、必ず予習を行って実験がスムーズに進むよう準備すること。また、実験結果は必ず実験ノートに記し、実験終了後早めに整理しておくこと。
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