2014年度工学院大学 第1部応用化学科
△論理学入門(Introduction to Logic)[1417]
2単位 田村 慶一 非常勤講師
- <学位授与の方針>
◎ | 1. 基礎知識の習得 | | 2. 専門分野知識の習得 | ○ | 3. 汎用的問題解決技能 | | 4. 道徳的態度と社会性 | | 5. 創成能力 |
- <授業のねらい>
- わたしたちがともかくも思考していることは事実です。とはいえ,論理的であるとはどういうことか,あるいは,論理とは何かを知らないままに,またそうしたことを意識的,自覚的に考えたことがないままになってはいないでしょうか。問題を解決しよう,目標を達成しようと努力しているときであっても,人間の思考活動は必ずしも論理的であるとは限りません。しかし,日常生活においても,科学的研究においても、理にかなった思考をすることが必要であり大切であるということは強調するまでもないでしょう。理にかなった思考のためには、思考が理にかなっているかどうかが分からなければいけません。論理的思考について反省してみることが必要になってきます。「思考についての思考」が問題となるところに「論理学」は登場します。
この講義は、「論理的に思考する」ということに意識的、自覚的になることをめざして、論理学の基本的な理論と技術を習得することを目的とします。 内容としては、概念、命題、推理について古代ギリシア以来の伝統的論理学に即して学んでいきます。具体的な到達目標の各項目を達成できるように学習を進めてください。
- <受講にあたっての前提条件>
- はじめて論理学を学ぶための授業です。特に前提とすべき既習事項はありませんが、新しい論理学用語が毎回のように出てきますので、それらの用語を正しく理解し覚えていこうとする意欲が必要です。
- <具体的な到達目標>
- 1.概念の論理的な働きを概念の内包と外延として説明できる。
2.命題と推理を形式に注目して類別できる。 3.推理の妥当性を推理の形式と関連づけて理解し判定できる。 4.定言命題と定言三段論法を図式で表現し、推理の妥当性の判別に役立てることができる。
- <授業計画及び準備学習>
- 下記の順にテキストの内容にそって講義中心に授業を進めます。授業では毎回、しめくくりとしてポイント確認のための小問題を出題し回答してもらいます。この小問題について模範解答はしませんが、授業ノートを見れば正解が確認できるはずです。
準備学習は復習が大切です。各回の授業について授業ノートを中心に復習し、次回の授業に備えてください。ポイント確認の小問題にまちがいなく正解できるようになれば復習完了です。テキストの該当箇所は次回の分を含めて各回の授業時に指示します。特に「現代的な観点からの再検討」以降の講義ではテキストの内容を越えるところがありますので、板書などを手がかりにしっかりノートをとり、毎回必ず復習してください。
第1回 論理学とは 第2回 概念:その内包と外延 第3回 定義・区分・分類 第4回 概念の相互関係と分類 第5回 概念論とオブジェクト指向 第6回 命題(判断):真偽と命題形式 第7回 定言命題とオイラーの図式 第8回 直接推理:定言命題の対当関係 第9回 間接推理:定言三段論法 第10回 現代的な観点からの再検討 第11回 定言命題の存在的意味 第12回 ヴェンの図式:対当関係の再検討 第13回 ヴェンの図式:定言三段論法の再検討 第14回 例題演習 第15回 学習成果の確認(試験)
- <成績評価方法及び水準>
- 毎回の授業に出席すること、授業中のポイント確認小問題に回答すること、以上は点数として評価するものではありませんが、成績評価を受けるための前提です。単位の認定は原則として学期末定期試験の成績によるものとし、成績が60点以上の場合に単位を認めます。
- <教科書>
- 平野耿編『思考の回路−論理学ABC−』(富士書店)
- <参考書>
- 沢田允茂著『考え方の論理』(講談社学術文庫)
山下正男著『論理的に考えること』(岩波ジュニア新書)
- <オフィスアワー>
- 授業終了後に教室または兼任講師室で。
- <学生へのメッセージ>
- 念のための確認ですが、効果的な学習環境を確保するために、対象学科・学年の履修についても制限する場合があります。
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