2014年度工学院大学 第1部機械システム工学科
材料強度学(Advanced Strength of Materials)[4B12]
2単位 菱田 博俊 准教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <学位授与の方針>
○ | 1. 基礎知識の習得 | ◎ | 2. 専門分野知識の習得 | | 3. 汎用的問題解決技能 | ○ | 4. 道徳的態度と社会性 | | 5. 創成能力 |
- <授業のねらい>
- 機械装置あるいは部品の設計や使用に際しては、材料の力学的特性値を考慮すべきである。本講義では、金属材料を中心とする結晶性材料の、主に一軸応力下における力学的材料特性値の決定要因、工学的意味を学び、機械装置あるいは部品の設計や使用において、材料を有効かつ安全に使いこなす知識を習得する。
なお、近年人の心身の健全性が問題となる場面が社会に増えてきたので、人体に関する材料強度についても触れる。
- <受講にあたっての前提条件>
- 機械工学科は「金属材料学」や「材料基礎工学」を、機械システム工学科は「材料の基礎」を受講していないと、かなり苦しいと思われる。
質点力学、剛体力学(ここまで工業力学)、材料力学、弾性力学の次の専門授業である。従って、これらを理解している事が望ましい。 並行して、統計学、信頼性工学を履修すると、相互効果で理解が深まると思われる。
- <具体的な到達目標>
- 1)材料が不完全であるがゆえの強度低下について理解する事。
2)SS曲線を解釈する事。 3)亀裂と切欠の入った場合の応力を計算する事。 4)疲労現象を理解し、SN線図を解釈し、Miner則とParis則を使った計算ができる事。 5)クリープ現象を理解し、破断曲線とマスター曲線を解釈できる事。 6)そのほか、人体を含み周囲の機械部品等について、その強度検討(議論)ができる事。
JABEE学習・教育目標「機械工学エネルギー・デザインプログラム」:基礎工学・専門工学知識の習得(B)○、(D)◎。
- <授業計画及び準備学習>
- 初回に単位取得に関係する講義運営システムの説明と一般的な諸注意をするので、必ず出席されたい。万一欠席した場合には、必ず友人等に内容を確認しておく事。
全15回、途中で3回提出を出す。また14回目には試験を、15回目には試験返却および解説をする。14回目と15回目は出席必須(出席しなければ0点)。講義開始直後に、人体強度に関するペーパーフリーディスカッションを実施する。
1.静的強度と変形および結晶学的な強度特性 2.破壊力学の考え方(切欠と亀裂) 3.疲労 4.高温強度(クリープ) 5.統計的材料強度検討 6.人体の強度(五感の毒性、人体構造等。)
1〜4については教科書に沿って講義していく。6についてはペーパーフリーディスカッションにより講義を進める。必要に応じて、適宜資料を配布する。
- <成績評価方法及び水準>
- 原則的3回の課題と試験で評価するが、ペーパーフリーディスカッションも含めた総合評価とする事もある。詳細な評価方法については、初日に説明する。
課題は各10点、合計30点。試験は60分100点満点を換算する。教科書、ノート等の持込は認める予定だが、いきなり教科書を見ながら解ける問題は出さないので、ちゃんと勉強した上で持ち込む事。
- <教科書>
- ・菱田博俊:わかりやすい材料学の基礎、成山堂書店.
なお、教科書に書かれていない資料については、都度配布する予定。
- <参考書>
- ・境田彰芳・他5名:材料強度学、コロナ社.
・砂田久吉:演習材料強度学入門、大河出版. ・日本材料学会:材料強度学. ・白鳥正樹・他3:数値破壊力学、実教.
- <オフィスアワー>
- 月曜と金曜は原則1714室または人間工学研究室関連各所にいる。
- <学生へのメッセージ>
- 材料の変形や破壊に関する特性は、材料の使い方で大きく変化する。どんなに優れた材料でも、知識不足の為に使い方を誤ると、簡単に変形したり、破壊して事故の原因になる事がある。この講義をつうじて、材料を安全、安心に使うための基礎知識を身に付けられたし。
なお、自分自身も材料からできています。壊れない様に! 大学院(機械工学専攻・システムデザイン専攻)の「機械材料シミュレーション特論」が関連科目。
- <備 考>
- 3年にもなると、例年たるむ者も増えてくる。本授業は必修ではないので、誠意が認められない学生には点を与えない。特に、教室で騒ぐ等、他の学生に迷惑を掛ける者は受講停止措置を採る事がある。
このページの著作権は学校法人工学院大学が有しています。
Copyright(c)2014 Kogakuin University. All Rights Reserved. |
|