2014年度工学院大学 第1部機械工学科 エコエネルギーコース

燃焼工学(Combustion)[1B02]

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2単位
小林 潤 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2015/02/13

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性
5. 創成能力

<授業のねらい>
我々が今日利用しているエネルギーのほとんどは、燃焼により発生する熱エネルギーを起点として熱機関を用いることで有効仕事として得ているものである。燃焼により、燃料は光と熱を発しながら急速かつ連鎖的に反応するが、そのメカニズムは極めて複雑であり、熱力学的反応平衡論のみならず流体力学や伝熱と密接な関係がある。本講義では、燃焼現象の基礎を理解し、様々な燃焼反応を伴う熱機関の理解を深めることを目的としている。

<受講にあたっての前提条件>
「物理学I」、「物理学II」、「化学I」、「化学II」、「微分方程式論」、「流れ学I及演習」、「工業熱力学I及演習」「内燃機関」で与えられた知識を持っていることを前提にして講義が計画されている。

<具体的な到達目標>
(1)エネルギー形態と変換(燃料から熱、光への変換)としての燃焼反応(過程)について理解する
(2)反応の熱力学を理解し、反応熱の計算ができること及び熱力学第二法則を基礎にした化学平衡組成の計算法が理解できる
(3)熱着火理論とラジカルの増加による着火理論の対比ができる
(4)層流/乱流予混合火炎における流れと燃焼との関係を理解することができる
(5)予熱帯の厚みの計算ができる
(6)火炎の安定機構を理解できる
(7)衝撃波に誘導されるデトネーションのZDNモデルを理解することができる
(8)火炎による熱放射と放射伝熱及び燃料液滴の物質移動と燃焼反応について理解することができる
(9)ダイオキシンやサーマルNOx等の燃焼排ガス中に含まれる有害成分の生成機構を理解することができる

(JABEE学習・教育到達目標)
[機械工学エネルギー・デザインプログラム]:(D)◎

<授業計画及び準備学習>
1. 緒論(歴史,燃料とその展望),エネルギー形態と変換(燃料から熱、電気、光への変換)と燃焼反応(過程)
(準備学習) 化学Iおよび化学IIの復習
2. 反応の熱力学(反応熱、Hessの法則,標準生成エンタルピー)
(準備学習) 工業熱力学I及演習の復習
3. 反応の熱力学(化学量論,熱解離と化学平衡),演習
(準備学習)  工業熱力学I及演習の復習
4. 反応の熱力学(熱力学第2法則と化学平衡)
(準備学習)  工業熱力学I及演習の復習
5. 反応機構,反応速度,反応殻の突破とArrhenius式,演習
6. 着火,熱着火理論,初期着火域の対流熱伝達、爆発半島、冷炎,強制着火
7. 中間テストとこれまでの理解度の確認
(準備学習) ここまでの講義内容の総復習
8. 層流と乱流予混合火炎,層流火炎の構造,予熱帯の厚み
(準備学習) 流れ学I及演習の復習
9. 反応帯の厚み,乱流予混合火炎,乱れの強さとスケールが火炎挙動に及ぼす影響、反応計測技術、火炎の安定化,臨界速度こう配,演習
(準備学習) 流れ学I及演習および流れ学IIの復習
10. デフラグレーションとデトネーション,Rayleigh線とHugoniot曲線、衝撃波の誘導する反応(ZDNモデル)
(準備学習) 内燃機関の復習
11. 液体燃料の燃焼,液面燃焼と火炎による熱放射と放射伝熱、燃料液滴の物質伝達と燃焼反応
(準備学習) 内燃機関および伝熱工学の復習
12. 燃料電池の原理と熱力学(標準生成自由エンタルピーの計算)
13. 廃棄物燃焼によるダイオキシンの生成,レポート
14. 総合復習
15. 定期試験
(準備学習) ここまでの講義内容の総復習

<成績評価方法及び水準>
定期試験および講義中に指示する「レポート課題」,講義内で実施する「演習」に基づき評価を行う。なお、定期試験には中間試験および期末試験が含まれる。最終的な評価は、レポート課題及び演習を20点,定期試験を80点として、合計60点以上を合格とする。

<教科書>
特になし

<参考書>
1)「燃焼工学」第3版 水谷幸夫 (森北出版)
2)「燃焼現象の基礎」新岡,河野,佐藤 (オーム社)
3)「環境工学入門」鍋島・森棟・是松著 (産業図書)
4)「機械技術者のための熱力学」熱力学教育研究会 (産業図書)
5)「燃焼工学」大竹・藤原著 (コロナ社)

<オフィスアワー>
月曜日 12:10〜13:00(新宿 16階 A1666)
上記時間外でも随時質問を受け付けます。メールでの質問も可。
メール:at13308@ns.kogakuin.ac.jp


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