2014年度工学院大学 第1部機械工学科
○線形代数学I(Linear Algebra I)[4154]
2単位 長谷川 研二 准教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <学位授与の方針>
◎ | 1. 基礎知識の習得 | ○ | 2. 専門分野知識の習得 | ○ | 3. 汎用的問題解決技能 | | 4. 道徳的態度と社会性 | | 5. 創成能力 |
- <授業のねらい>
- 線形代数学はベクトルと行列を対象としている。ベクトルについては図示が可能な2、3次元まで高校でも習ったが、それを高次元に拡張する。行列は連立1次方程式と関連させながら教えていきたい。線形代数学を通じて連立1次方程式の解法の一般的原理を理解すれば、未知数が非常に多い巨大な連立1次方程式を計算機で解かせるプログラムの作成も可能になる。授業のねらいは
- ベクトルや行列の演算ができる。
- 行列の応用として連立1次方程式が解ける。
- 行列式の計算ができる。
- <受講にあたっての前提条件>
- <具体的な到達目標>
- ベクトルや行列の演算規則を理解して、正しく計算できる。
- 連立1次方程式を行列で表現して、行列に基本行列を掛けることに対応する基本変形によって解を求める。
- 基本変形を使って逆行列を計算する。
- 順列で行列式を定義して、行列式の計算に必要な成分の変形方法を身につける。
(JABEE学習・教育到達目標) 「機械工学エネルギー・デザインプログラム」:D−2◎
- <授業計画及び準備学習>
- 有効線分とベクトル:
線分に向きをつけた有効線分を平行移動しても同じにみなしたものがベクトルであることと、ベクトルの演算として和とスカラーとの積があることを解説する。問題を解かせ答案用紙を提出させる。(採点し次回の授業で返却) 準備学習:プリントは事前に配布できないので高校数学(特にベクトル)の復習をしておく。
- ベクトルの成分:
座標よりベクトルをスカラーの列である成分で表現し、成分でベクトルの演算をさせる。問題を解かせ答案用紙を提出させる。(採点し次回の授業で返却) 準備学習:プリントを読んでおく。
- ベクトルと線形写像:
ベクトルの写像で線形性をみたす線形写像を例である回転や鏡映を交えて解説する。問題を解かせ答案用紙を提出させる。(採点し次回の授業で返却) 準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
- 線形写像の行列による表現:
線形写像を成分で表現したものが行列であることを解説する。問題を解かせ答案用紙を提出させる。(採点し次回の授業で返却) 準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
- 線形写像の合成と行列の積:
行列は積の演算ができるが、その規則については線形写像の合成によることを解説する。問題を解かせ答案用紙を提出させる。(採点し次回の授業で返却) 準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
- 単位行列と逆行列:
スカラーの1に対応する行列である単位行列とスカラーの逆数に対応する逆行列を解説する。問題を解かせ答案用紙を提出させる。(採点し次回の授業で返却) 準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
- 連立1次方程式:
連立1次方程式を行列で表現して、加減法に相当する行列の変形である基本変形について解説する。問題を解かせ答案用紙を提出させる。(採点し次回の授業で返却) 準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
- 基本行列と基本変形:
基本変形は行列に基本行列を掛けることであることを利用して連立1次方程式を解かせる。問題を解かせ答案用紙を提出させる。(採点し次回の授業で返却) 準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
- 逆行列の計算法:
基本変形は逆行列にも応用できる。3次以上の正方行列の逆行列を計算させる。問題を解かせ答案用紙を提出させる。(採点し次回の授業で返却) 準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
- 順列と行列式:
順列に対する符号を使い行列式を定義し、3次以下の行列式を計算させる。問題を解かせ答案用紙を提出させる。(採点し次回の授業で返却) 準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
- 行列式の公式:
次数が高い行列式の計算に必要な公式を解説する。問題を解かせ答案用紙を提出させる。(採点し次回の授業で返却) 準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
- 行列式の計算:
前週で習った行列式の公式を活用して、4次以上の行列式を計算させる。問題を解かせ答案用紙を提出させる。(採点し次回の授業で返却) 準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
- 余因子行列:
逆行列の成分を一定の手順で計算する原理を与える余因子行列を解説する。問題を解かせ答案用紙を提出させる。(採点し次回の授業で返却) 準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
- 逆行列と行列式:
余因子行列と行列式から逆行列を求めさせる。問題を解かせ答案用紙を提出させる。(次回は試験なので、試験前のオフィスアワーで希望者に返却) 準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
- 学習成果の確認(試験):
準備学習:配布されたプリントを復習する。特に問題については再度解いてみる。
- <成績評価方法及び水準>
- 定期試験をx点(100点満点)として、評点を (ax)b とする。ただし a,b は (100a)b =100 で、合格基準点x0 に対して(ax0)b =60となるように定める。合格基準点は60点以下で各受講生毎に定めるとして、授業中に解かせた問題の解答状況による平常点が高いほど合格基準点は低くなる。平常点が最高であれば基準点は40点前後である。授業に出席せず答案用紙を提出しなくても定期試験で60点以上得点すれば合格となる。
- <教科書>
- 指定教科書なし
- プリントを授業で配布したり、予習のためにキューポートにPDFファイルを事前にアップロードする。
- <参考書>
- 線形代数講義 金子 晃 著 サイエンス社
内容は高度であるが著者が女子大情報系学科で担当した線形代数の授業に基づいているので、文体が内容の割りには柔らかく、参考としてコンピュータのプログラムも載っている。
- 線型代数入門 斎藤 正彦 著 東京大学出版会
担当者が学生のときに線形代数の教科書として指定されたものである。タイトルに「線形(型)代数」を含む数学書が出始めたころに出版したが、未だに発行されている名著である。この本が日本の大学に線形代数を広め、その功績で日本数学会出版賞を受賞した。
- <オフィスアワー>
- 水曜日5時限(八王子校舎01E−313数学研究室)
授業の直後は次の授業があり、短時間の対応しかできないが、2時限終了直後に講師室にいることが多い。
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