2014年度工学院大学 第1部機械工学科
○物理学II(Physics II)[3557]
2単位 進藤 哲央 准教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい>
- これまで学んできた「物理的な考察力」および「自分で考える姿勢」により,マクロ的な物理現象である「熱力学」,現代物理学の基本的な考えである場の理論へ通ずる「電磁気学」を中心に学んでいく。
このクラスは再履修クラスなので,演習問題の解説などを通して理解の不十分であったところを勉強しなおし,専門科目を学習するに十分な理解度を達成することをめざす。
- <受講にあたっての前提条件>
- 物理学IIの授業を最低一度は受講していること。
- <具体的な到達目標>
- 熱力学
1. 熱力学に現れる物理量の意味を理解する。 2. 熱力学の基本法則を理解し,具体的な系に適応できるようにする。 3. 熱力学を通して,複雑な自然現象を単純化モデル化して把握する手法を身につける。
電磁気学 1. 電磁気学における物理量の概念と相互の関係を理解する。 2. 電磁気学の基本法則を理解し,その適用を学ぶ。 3. 電磁波の概念とその諸性質を理解する。
(JABEE学習・教育目標) 「機械システム基礎工学プログラム」: (C-1)基礎科学・物理系:◎ (JABEEキーワード) 「機械システム基礎工学プログラム」:熱の力学,電磁気学
(JABEE学習・教育目標) 「機械工学エネルギー・デザインプログラム」:D(◎) (JABEE基本キーワード) 「状態量と状態変化」,「エネルギー保存則(熱力学第一法則)」,「熱力学第二法則」
- <授業計画及び準備学習>
- 1. 授業内容について,物質の成り立ちについて
a) 授業の進め方 b)力学の復習(力,エネルギー,仕事について) c) 物質の成り立ち [準備学習]物理学Iの復習をしておくこと。 熱力学 2. 圧力と温度 a) 系と状態 b) 温度について c) 気体と圧力 [準備学習] 教科書の該当する箇所と前の授業で配布するプリントを熟読し,関連する問題を解いておく。 3. 気体の状態変化,熱のやりとり a) 気体の状態方程式 b) 定積変化と熱 c) 平衡状態と状態変化 [準備学習] 教科書の該当する箇所と授業中に配布するプリントを熟読し,関連する問題を解いておく。 4. 内部エネルギーと熱力学第一法則 a) 断熱変化と内部エネルギー b) 等温変化における疑問 c) 熱力学第一法則 [準備学習] 教科書の該当する箇所と授業中に配布するプリントを熟読し,関連する問題を解いておく。 5. 様々な状態変化の性質 a) 定積変化 b)定圧変化 c) 等温変化 d) 断熱変化 [準備学習] 教科書の該当する箇所と授業中に配布するプリントを熟読し,関連する問題を解いておく。 6. 熱サイクル a) 熱サイクルと効率 b)カルノーサイクル c) その他のサイクル [準備学習] 教科書の該当する箇所と授業中に配布するプリントを熟読し,関連する問題を解いておく。 7. 熱力学第二法則について a) トムソンの原理とクラウジウスの原理 b)クラウジウスの不等式 c) エントロピー [準備学習] 教科書の該当する箇所と授業中に配布するプリントを熟読し,関連する問題を解いておく。 8. 中間試験 [準備学習] 熱力学の分野について,学んだ内容を復習しておく。 電磁気学 9. クーロン力と電場 a) クーロン力 b) 電場 c) 電位 [準備学習] 参考書等の該当する箇所と授業中に配布するプリントを熟読し,関連する問題を解いておく。 10. 電場について a) 電流とは b) ミクロとマクロを結び付ける c) 抵抗とジュール熱 [準備学習] 参考書等の該当する箇所と授業中に配布するプリントを熟読し,関連する問題を解いておく。 11. 回路入門 a) 抵抗の合成 b) コンデンサとは c)抵抗とコンデンサを用いた回路 [準備学習] 参考書等の該当する箇所と授業中に配布するプリントを熟読し,関連する問題を解いておく。 12. 電流と磁場 a) 磁力について b)磁力の源 c)磁場と電流 [準備学習] 参考書等の該当する箇所と授業中に配布するプリントを熟読し,関連する問題を解いておく。 13. 電磁波入門 a) 電磁場の方程式 b)電磁波 c)身の回りの電磁波 [準備学習] 参考書等の該当する箇所と授業中に配布するプリントを熟読し,関連する問題を解いておく。 14 期末試験 [準備学習] 電磁気の分野について学んだ内容を総復習する。 15 学習内容の確認
- <成績評価方法及び水準>
- 中間試験35点,定期試験35点と講義中に行う小テスト30点による100点満点の評価を行い,60点以上で合格とする。
- <教科書>
- 新たな指定はしないので,以前に履修したクラスで使用したテキストを持参すること。
- <参考書>
- 教科書選びの参考として、いくつかの本をリストしておく.
『理工系物理学講義』加藤潔(培風館)熱力学、電磁気学等の物理の基礎的な分野について簡潔にまとめられた教科書. 『一般物理学 上・下』太田信義 (パリティ物理学コース) 上記の本と同じく,物理の基礎的な分野について簡潔にまとめられている. 『物理入門コース 電磁気学 I, II』長岡洋介 (岩波書店) きわめて標準的な電磁気学の教科書. 『電磁気学の基礎 I,II』太田浩一(シュプリンガー) しっかり書かれた電磁気学の教科書. 『よくわかる電磁気学』前野昌弘 (東京図書) 初心者向に非常に丁寧にかかれていて,しかも面白い教科書. 『物理入門コース 熱・統計力学』戸田盛和(岩波書店) きわめて標準的な熱力学の教科書(前半). 『なっとくする熱力学』都筑卓司 (講談社)標準的なトピックを網羅した熱力学の教科書. 『熱力学 ー現代的な視点から』田崎晴明 (培風館) ちょっとレベルは高いが大変面白い教科書. 『図解・わかる電子回路』加藤肇, 見城尚志, 高橋久 (ブルーバックス) 電子回路について,よくまとまっている本.
- <オフィスアワー>
- 火曜日 12:40-13:30
八王子校舎 総合教育棟 1S-323(もしくは1W-332)
メールによる質問は随時受けつけています。 また,オフィスアワー以外の時間帯で質問・相談などがある場合はあらかじめメールでアポイントメントをとってもらうと,確実性が増すと思います。
- <学生へのメッセージ>
- 理系の学問では,自分で手を動かして問題を解いたり,教科書に載っている式を自分で変形して公式を導出したりすることが,内容の理解を助ける重要な要素になります。講義時間は限られているため,講義のみではこれら基礎訓練のための時間が十分にとれません。これらを補うために,上に挙げた参考書等にのっている問題を自分で考えて解く等,自習することが大切です。
授業時間だけで,全てを理解することは不可能であると思っておいてください。
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