2014年度工学院大学 第1部機械工学科
○機械実験及演習(Basic Experiments on Mechanical Engineering)[2354]
2単位 山本 崇史 准教授 [ 教員業績 JP EN ] 小林 潤 准教授 [ 教員業績 JP EN ] 金野 祥久 准教授 [ 教員業績 JP EN ] 田中 淳弥 准教授 [ 教員業績 JP EN ] 大野 隆 准教授 [ 教員業績 JP EN ] 後藤 芳樹 教授 [ 教員業績 JP EN ] 橋本 成広 教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <学位授与の方針>
| 1. 基礎知識の習得 | ○ | 2. 専門分野知識の習得 | ◎ | 3. 汎用的問題解決技能 | ○ | 4. 道徳的態度と社会性 | | 5. 創成能力 |
- <授業のねらい>
- この授業では,実験を通じて,物事を論理的に考察し,理論に裏付けされた実験手法,技術的な検討が行えるようになることを目標とする.
大卒の技術者にとって実験は単なる作業(実験装置を決められた方法で動かすことができるようになることだけが求められているわけではない)ではない.この講義を通じて技術者として要求される論理的な思考と,実験を計画的に遂行するマネージメント能力,レポートを期日までに提出する責任感を養うことを目的とする.
- <受講にあたっての前提条件>
- 数学,物理などの基礎科目および機械工学基礎演習,工業力学及演習などの演習科目の修得が前提となる.
- <具体的な到達目標>
- 1. 実験内容をまとめた上で実験レポートを書くことができる.
2. 実験結果を図表などにまとめることができる. 3. 問題解決の際に班もしくはグループ内で議論し,意見をまとめることができる. 4. 明確な解答のない課題に対して多角的にアプローチし課題解決に当たることができる. 5. 各実験内容を学術的に理解することができる. 6. 実験目的を理解し,適切な実験を行うことができる. (JABEE学習・教育到達目標) 「機械工学エネルギー・デザインプログラム」 : (C)◎ (D)○ (E)◎
- <授業計画及び準備学習>
- 機械工学の基礎的なテーマについて実験と演習を行う.本科目は下記のテーマを受講する.その間には演習日を設け,レポートの書き方などの個別指導を実施し,コミュニケーション能力や機械工学の知識を実際に反映させる能力を養う.
(1) ガイダンス,レポートの書き方の解説 この授業の受講方法について説明する.またレポートの書き方について解説し,課題を与える. (2) レポートおよびグラフの書き方演習(担当者全員) ダンパー開度を変えて実験した管路内の空気流量のデータを与え,式に則り計算し数値の取り扱いと単位,どのような表示法にすれば相手に伝わり易いか,どのような現象が読み取れるか等々をレポートにつくらせ,その場で指導する. (3) 鋼の組織と機械的性質(大野担当) 代表的な工業材料である炭素鋼のFe-C平衡状態図と組織との関連を観察し,硬さ測定から組織の性質について理解する. (4) 炭素鋼の引張試験(後藤担当) 材料試験法の一つである引張試験により材料の強度と許容応力の関係を調べる.炭素鋼の真応力と真ひずみ線図を得ることで材料の弾性と塑性を理解する. (5) 一次元非定常伝熱(小林(潤)担当) 材料内温度の経時変化を実測しさらに簡単な数値計算を行うことで,非定常熱伝導の基本を理解する. (6) 火花点火機関の構造と基本性能(田中担当) 内燃機関の一つである火花点火機関の分解・組立てを通して,エネルギーを変換する機構を理解する. (7) 球の空気抵抗(金野担当) 物体に働く流体力のレイノルズ数依存性について調べる.流れの剥離によって抗力が発生するメカニズムを理解するとともに,境界層の状態(層流と乱流)によって剥離がどのように変化するか検討する. (8) ひずみゲージ法による機械材料の弾性係数とポアソン比の計測実験(山本担当) ひずみゲージを用いて高分子材料の引張応力とひずみの関係を測定することで弾性と塑性を理解する.さらに,ポアソン比を計測することで工業用としての高分子材料の性質を理解する. (9) 生体医工学実験(橋本担当) 生体医工学,バイオメカニクスに関連する実験技術を学ぶ. (10) エンジニアリングデザイン課題(担当者全員) 明確な解答を持たない実験課題(デザイン型課題)に対してグループで最適と考えられる手法を提案する.
- <成績評価方法及び水準>
- 全課題のレポートが提出されている場合のみ,成績評価の対象となる.
(C)コミュニケーション(報告書等)能力を身につけた技術者の育成,(D)エネルギーおよびデザインをキーワードに体系づけられた機械工学の知識と方法論を身につけた技術者の育成,(E)機械工学を応用した問題解決能力およびエンジニアリング・デザイン能力を身につけた技術者の育成,の各評価項目においてそれぞれ60%以上の評価を得た者を合格とする.なお,総合評価はコミュニケーション30%,機械工学の知識40%,エンジニアリングデザイン能力30%の配分で評価を行う.
- <教科書>
- 実験テキスト:「機械実験及び演習」
- <参考書>
- 特になし.実験テーマ毎に与えられているので,実験テキストを参考にすること.
- <オフィスアワー>
- 各テーマの内容については,担当教員に相談すること.
科目全体のことについては,機械実験及演習幹事の山本まで連絡下さい. 山本:火曜日16:30〜17:30 場所:12号館103号室 メールでも受け付けます(at13358@ns.kogakuin.ac.jp)
- <学生へのメッセージ>
- 機械工学では実験によって様々なことを検証,検討していきます.この講義では機械実験の基礎について,実際に実験・演習を通じて考えることを目的としています.また,レポート作成についても指導します.卒業研究につながる重要な科目ですから,がんばって勉強してください.また,実験の面白さ(新しいものの発見)を体感してください.
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