2014年度工学院大学 第1部機械工学科
△倫理学の基礎(Basic Ethics)[1102]
2単位 板東 洋介 非常勤講師
- <学位授与の方針>
○ | 1. 基礎知識の習得 | ○ | 2. 専門分野知識の習得 | ○ | 3. 汎用的問題解決技能 | ◎ | 4. 道徳的態度と社会性 | ○ | 5. 創成能力 |
- <授業のねらい>
- 西洋および日本の基本的な倫理思想の学習を通じて、倫理学の基本的な考え方を身につける。
- <受講にあたっての前提条件>
- 特になし。
高校倫理未履修者にも理解可能なように、講義をすすめる。
- <具体的な到達目標>
- (1)西洋および日本の倫理思想の基本的な知識を習得する。
(2)西洋と日本との倫理思想の差異を捉え、そのことを通じて日本で倫理を考えることの独自な意味を理解する。 (3)(1)・(2)を踏まえて、自らの現実を踏まえた倫理学的な思考を展開できるようになる。
- <授業計画及び準備学習>
- 前半では西洋の代表的な倫理思想を、後半では日本の代表的な倫理思想を扱う。
1.ガイダンス:人と人との間─ヨーロッパと日本 2.ソクラテス:「よく生きる」ことへの問い 3.カント(1)人間は自由か?―理性・人格・尊厳 4.カント(2)道徳法則と普遍化可能性 5.カント(3)実践理性の「要請」─神の問題 6.功利主義(1)最大多数の最大幸福 7.功利主義(2)快楽の「質」 8.功利主義(3)「冷たい方程式」・カルネアデスの舟板 9. 東洋の倫理思想―仏教・儒教・神道 10. 和辻哲郎(1)人間の学としての倫理学 11. 和辻哲郎(2)間柄的存在としての人間 12. 和辻哲郎(3)人倫共同体─家族・社会・国家 13. 儒教の倫理思想:無窮の天道と五倫五常 14. 講義のまとめ 15. 学習成果の確認(試験)
(準備学習) 毎回配布するレジュメを講義後に読み返し、自分の問題意識を整理して、単元ごとの小テストに備える。
- <成績評価方法及び水準>
- 単元ごとの小テスト(10%×4)+期末テスト(60%)で評価する。
- <教科書>
- 指定教科書なし。適宜、レジュメやコピーを配布する。
- <参考書>
- ・宇都宮芳明・熊野純彦編『倫理学を学ぶ人のために』世界思想社、1994
・新田義彦『入門講義 倫理学の視座』世界思想社、2000
- <オフィスアワー>
- 質問等はE-mailで受け付ける。アドレスは、第一回ガイダンスの際に告知する。
- <学生へのメッセージ>
- 「倫理学」というと小難しく、また堅苦しく感じますが、それはありていにいえば、「何のために生まれて、何をして喜ぶ(=何ごとが幸福なのか)?」という誰にとってもどうでもよいはずはない切実な問いを、丁寧に考えなおしてみる学問にほかなりません。この学問で扱われる問題は、どんなに高度な専門用語が飛び交おうとも、われわれの最下の日常、すなわち飯を食い、眠り、家族と交わり(ときに喧嘩し)、しごとをするという、人間にとってもっとも当たり前な場から、離れることはありません。本講義では、ある程度はこの学問の基本的な術語や議論の作法の習得を求めますが、それ以上に、受講者それぞれの日常茶飯の場面において、これらの手垢のついた古典的な議論を考え直してみることを要求します。そのために、講義担当者の能力の許す限りで、できるだけわかりやすく諸思想を解説するつもりです。
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