△情報教育の研究Ａ（Study of Information Communication Technology Education A）[9271]

＜授業のねらい及び具体的な達成目標＞

コンピュータ化・コンピュータネットワーク化の急速な進展とともに、わが国では「情報教育」の必要性が主張されるようになった。1991年には文部省から『情報教育に関する手引き』がだされ、「情報教育」とは「情報活用能力を育成する教育」であると定義された。そして「情報教育」推進を背景にして、高校に教科「情報」が新設された。しかし、「情報教育」、高等学校の教科「情報」のあり方には若干の混乱もあるようにみえる。
　この授業では、「情報教育」および教科「情報」に関する代表的な見解、教育政策の背景、世界的動向、検定教科書、高等学校における教育実践等を検討する。また、あわせて、指導案の作成、模擬授業、討議をおこない、教科「情報」を指導するために必要と思われる知識と技能を習得してもらうことにつとめ、実践的能力が育成されることを重視したいと考えている。以下に、具体的な到達目標を示す。
(1) 「情報教育」、教科「情報」成立の背景がわかる。
(2) 「情報教育」、教科「情報」の代表的な見解の特質がわかる。
(3) 学習指導案を作成することができる。

＜授業計画及び準備学習＞

1. 学習指導要領にみる教科「情報」のねらいと内容について学ぶ
　　準備学習: 高等学校学習指導要領における情報科の部分を読んで理解しておく
2. 教科「情報」成立の背景としての「情報教育」推進について学ぶ
　　準備学習: テキスト第1章第1節を読んで理解しておく
3. 「情報教育」論の特質について学ぶ
　　準備学習: テキスト第1章第1節を読んで理解しておく
4. 「情報教育」の成立経緯について学ぶ
　　準備学習: テキスト第1章第1節を読んで理解しておく
5. 「情報」論について学ぶ
　　準備学習: テキスト第1章第2節を読んで理解しておく
6. メディア教育の動向について学ぶ
　　準備学習: メディア教育について調べておく
7. メディア教育の動向について学ぶ
　　準備学習: メディア教育について調べておく
8. コンピュータ教育の動向について学ぶ
　　準備学習: コンピュータ教育について調べておく
9. 諸外国の動向について学ぶ
　　準備学習: 諸外国におけるコンピュータ教育について調べておく
10. 教材を検討する コンピュータのしくみ・ハードウェア
　　準備学習: テキスト第2部を中心に実践記録を調べておく
11. 教材を検討する コンピュータのしくみ・ソフトウェア、システム設計
　　準備学習: テキスト第2部を中心に実践記録を調べておく
12. 教材を検討する 情報処理の原理・アルゴリズム
　　準備学習: テキスト第2部を中心に実践記録を調べておく
13. 教材を検討する 情報処理の原理・プログラム
　　準備学習: テキスト第2部を中心に実践記録を調べておく
14. 教材を検討する コンピュータ技術・通信
　　準備学習: テキスト第2部を中心に実践記録を調べておく
15. 教材を検討する コンピュータ技術・計測、制御
　　準備学習: テキスト第2部を中心に実践記録を調べておく
16. 教材を検討する コンピュータ技術・ネットワーク
　　準備学習: テキスト第2部を中心に実践記録を調べておく
17. 教材を検討する コンピュータの効果的な利用・マルチメディア、コンピュータデザイン
　　準備学習: テキスト第2部を中心に実践記録を調べておく
18. 教材を検討する コンピュータの効果的な利用・モデル化、シミュレーション
　　準備学習: テキスト第2部を中心に実践記録を調べておく
19. 教材を検討する 情報化社会における安全性と倫理の問題
　　準備学習: 実践記録を調べておく
20. 学習指導案のかき方
　　準備学習: テキスト第3章を読んで理解しておく
21〜29. 模擬授業と模擬授業の検討
　　準備学習: 模擬授業の内容を考え、学習指導案を書く
30. 「情報教育」、教科「情報」のあり方を考える、授業のまとめ
　　準備学習: 前回までの授業の復習をしておく

＜成績評価方法及び水準＞

成績評価は、レポート、学習指導案の内容により行う。

＜教科書＞

坂口謙一・他編『実践情報科教育法』（東京電機大学出版局）、文部科学省『高等学校学習指導要領』

＜オフィスアワー＞

授業前に新宿キャンパス12階講師控室でお願いします。

＜学生へのメッセージ＞

免許状の取得は別にして、少しでも関心があれば気軽に参加してください。模擬授業についても欠点のない学習指導案をつくることは求めません。教科「情報」、「情報教育」に関心をもち、真面目に考えてくだされば、と願っています。情報通信技術と教育の問題をいっしょに考えていきましょう。

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