2013年度工学院大学 教職課程科目

教育心理学(Educational Psychology)[9046]

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4単位
岩田  泉 非常勤講師

最終更新日 : 2013/12/02

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
本授業では「子どもの発達」と「子どもの学習とその指導」について理解を深めることを目的とする。特に「教育とは本来、個々の子どもに合わせた個別的行為ではないか」と仮定し、そうした視点から「授業」を考えてみる。
具体的な達成目標として「子どもの発達を適切に把握し援助できる」「子どもの学習指導について個人差に応じて計画し指導できる」ことをめざす。

<授業計画及び準備学習>
1子ども理解とは…子ども理解の前提となる教師の自己理解について、また、教育心理学による子ども理解の視点を学ぶ。
2発達の理解…発達の定義および発達の諸理論を理解する。
3発達段階と発達課題…子どもの発達を段階的に理解し、その順序性から教育に応用できる課題を把握する。
4仲間関係の発達とその問題…思春期・青年期の仲間関係の意味と発達のモデルから、現代の子どもたちの問題点を把握する。
5児童期・思春期の発達と学校教育…子どもの発達からみて学校教育のシステムを再考してみる。
6学習指導の心理…学習とは何か、学ぶことと教えることの関連について理解する。
7学習と授業…授業の過程を理解し、教授技能を把握する。また、個性を重視する授業とは何か、その特徴を学ぶ。
8授業形態と適性処遇…授業の諸形態とその基本的な原理を把握する。その上で、子どもの特性に授業をあわせることは可能かを考える。
9学習への動機づけ…動機づけの概念を理解し、学習意欲を動機づけ理論から再考してみる。また、認知面から動機づけられる過程を理解する。
10学習への動機づけ…達成動機が高いとはどのような特徴をいうのか、達成動機を高めるにはどのような働きかけが必要かを考察する。
11学習過程の理解…わかるとは何か、また、わかることを妨げる要因は何かを理解する。
12学習過程の理解…記憶とは何か、またよく記憶するにはどのようなメタ認知が有効かを理解する。
13学習の評価…評価についての最近の動向と評価の授業への活用を考える。
14障害のある子どもの発達と学習…障害とは何か、また、障害に対する考え方の動向を理解し、ノーマライゼーションの視点から教育を再考することで、子どもの発達と学習を捉え直してみる。
15まとめ…個々の子どもにあった教育とは何かを教育心理学の視点から再考する。

<成績評価方法及び水準>
授業時に扱ったキーワードや基本となる概念を中心に、内容を再認する筆記試験をおこなう(評価の90%)。また授業時の課題か授業への参加意欲(評価の10%)を総合して評価する。60点以上に単位を認める。

<教科書>
テキストは特に指定せず、授業のポイントを解説した自作プリントおよび資料を用いる。

<参考書>
下山晴彦編「教育心理学」発達と臨床援助の心理学 1998 東京大学出版会 
その他の参考文献については、授業時に必要に応じて紹介する。

<オフィスアワー>
授業時の前後に非常勤講師室にて。

<学生へのメッセージ>
授業で配布するプリント教材および資料からキーワードを中心に予習・復習し、教育心理学で用いる専門用語を理解する。教師として子どもの発達を支援するには、どのような知識が必要となるのか、また、子どもの学習を促すには、どう動機づけ、わかる授業をどうおこなうかを考えながら学習をすすめてみる。
自作プリントを配布、プリント中心に授業を進めるため、やむをえない場合以外は欠席しないよう留意する。夏期集中授業のため、他の集中授業と重複しないよう履修する。試験の日程は調整するが、決まった日程を優先すること。

 

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