2013年度工学院大学 教職課程科目

教育原論(Principles of Education)[9014]

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4単位
山中 和由 非常勤講師

最終更新日 : 2013/12/02

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
教師になりたい人、教職に何らかの点で興味を持っている人が、教育に関する基礎的な理論・方法・制度を学び、又学校現場の経験を学ぶことによって、教育とは何か、学校は何をなすべきところなのか等を考えます。そのことを通して、被教育者としての経験を基にした教育観を発展させ、教育に関わる立場からの教育観や教師像を形成していくことを目標にします。

<授業計画及び準備学習>
〔前期〕〈教育の思想や学校の歴史、憲法と教育等を学び、教育とは何かについて考える〉
1.教育とは何かを考える(1)。現代の教育課題のいくつかを考える。被教育者としての体験アンケー
ト実施。
2.教育とは何かを考える(2)。アンケートのまとめ、意見交換を通して教育を考える。
自分の教育観に関する問題意識をまとめる。
3.教育とは何かを考える(3)。人間の成長・発達の特徴について及び日本の村共同体における子育て
を考える。 (「やさしい教育原理」新版補訂版P.1〜38)
4.教育の思想と歴史を学び、考える(1)。人間社会と子どものとらえ方など。ルネサンス、
コメニウスなど。 (「やさしい教育原理」新版補訂版P.39〜47)
5.教育の思想と歴史を学び、考える(1)。人間社会と子どものとらえ方と教育実践。
  ルソー、ペスタロッチなど。 (「やさしい教育原理」新版補訂版P.8〜10,50,51,203〜205)
6.教育の思想と歴史を学び、考える(2)。子どものとらえ方と教育方法の発展。
  フレーベル、ヘルバルトなど。 (「やさしい教育原理」新版補訂版P.251)
7.教育の思想と歴史を学び、考える(2)。子どものとらえ方と教育方法の発展。
  デューイなど。 (「やさしい教育原理」新版補訂版P.168〜173)
8.近代公教育制度について考える(1)。産業革命、公教育の成立など。
  (「やさしい教育原理」新版補訂版P.39〜55)
9.近代公教育制度について考える(2)。公教育制度の各国における発展。
  (「やさしい教育原理」新版補訂版P.39〜55)
10.日本の学校の歴史について考える(1)。日本における公教育制度の始まり。
  (「やさしい教育原理」新版補訂版P.62〜68)
11.日本の学校の歴史について考える(1)。日本における公教育制度の確立。
  (「やさしい教育原理」新版補訂版P.68〜72)
12.日本の学校の歴史について考える(2)。明治後期・大正期・昭和前期の日本の公教育の展開。
(「やさしい教育原理」新版補訂版P.72〜77)
13.日本の学校の歴史について考える(3)。アジア太平洋戦争後の教育改革及び戦後教育改革の
修正。 (「やさしい教育原理」新版補訂版P.78〜86)
14.日本国憲法と教育及び教育基本法・学校教育法と教育改革について考える。又、現代の教育課題
について。 (「やさしい教育原理」新版補訂版P.108,109,242〜247,262〜270,78,79,283〜294)
15.前期のまとめと課題レポート「私の教育観」の提出


〔後期〕〈教育の方法や制度等を学ぶことを通して、教師のあり方について考える。〉
16.前期課題レポートの講評と問題意識のまとめ及び教育観と社会からの要請について考える。
17.学力について考える。学力のとらえ方と本質的検討など。
  (「やさしい教育原理」新版補訂版P.90〜97)
18.学力の国際比較について考える。調査結果の検討、今後の学習指導のあり方の検討など。
(「やさしい教育原理」新版補訂版P.97〜98)
19.教育課程について考える(1)。教育課程とは何か。その編成原理と類型など。
  (「やさしい教育原理」新版補訂版P.117〜132,81,82)
20.教育課程について考える(2)。教育課程の法、日本の教育課程の変遷、教育課程編成力など。
(「やさしい教育原理」新版補訂版P.117〜132,88〜90,281,282,295〜304)
21.教育評価について考える。教育評価の目的と課題、教育評価の変遷とあり方など。
  (「やさしい教育原理」新版補訂版P.133〜149)
22.授業について考える(1)。授業の意味、授業をつくる過程、授業のあり方など。
  (「やさしい教育原理」新版補訂版P.194〜202,151〜168)
23.授業について考える(2)。授業力とはなにか。その向上について。
  (「やさしい教育原理」新版補訂版P. 194〜202,151〜168)
24.教育行政について考える。教育行政の組織と運営、教育委員会制と地方自治体、
   教育行政と学校のあり方など。(「やさしい教育原理」新版補訂版P.81〜82)
25.教師について考える。教師の仕事の性格や役割、教師に求められるもの、教師の力量とは。
学校経営と学級経営についても触れながら。
  (「やさしい教育原理」新版補訂版P.177〜193,168〜174)
26.教員養成の制度について考える。教員養成制度の原則、教員免許制度などについて。
  (「やさしい教育原理」新版補訂版P.178〜181)
27.子どもの権利条約と教育について考える。子どもをどうとらえるか、子どもの権利の歴史などに
ついて。 (「やさしい教育原理」新版補訂版P.233〜241,304〜313)
28.学校の基本的な役割としての進路指導(キャリア教育)について考える。社会的自立と関連させて。
29.授業のまとめ。教育を学ぶということ、教師をめざすということについて、いじめ・体罰問題など
現実の教育課題を踏まえて、まとめる。試験について。
  (「やさしい教育原理」新版補訂版P.237,256〜258,263)
30.試験の実施。最終まとめ。

◎準備学習:各時間ともテーマに関係する教科書の該当ページ(主なものを上記)及び事前配布の資料を
読み、疑問点や自分の考えをまとめておく。

<成績評価方法及び水準>
前期課題レポート(30%)、試験(50%)、授業時の提出物及び発言等(20%)

<教科書>
田嶋一・中野新之祐・福田須美子・狩野浩二著「やさしい教育原理」新版補訂版
有斐閣アルマ 2011

<参考書>
必要に応じて示す。

<オフィスアワー>
授業前後 教室又は講師室

<学生へのメッセージ>
皆さんには、厳しい社会の現実の中で、人間と教育の明るい未来を語る人になって欲しいと思います。それは、教育に対して自分が抱いている問題意識を大事にして、教育の現状をよく見て、教育の歴史から学び、互いに意見を交換することを通して、自分の教育観や教師像を創っていくことで可能になります。そのような授業を共に創っていきたいと思っています。

 

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