2013年度工学院大学 建築学部まちづくり学科
都市住宅地計画(Neighbourhood Planning)[4B14]
2単位 野澤 康 教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 都市空間はその大半が住宅市街地で占められている。わが国の総人口のかなりの部分は都市に住んでいる事からもわかるように、都市は重要な人間生活の場、そして居住のための空間である。すなわち、そのために都市は、まず快適な生活ができる空間として整備されるべきである。この講義では、そうした視点で、住宅市街地の計画・設計のあり方から需給や政策に至るまで、幅広い観点から都市住宅地を取り扱っていく。
具体的には、以下の3点を達成目標とする。 (1)都市住宅地の基本的な設計手法の理解 (2)都市住宅地が直面する問題点の把握 (3)住宅政策や住宅の需給関係などの理解
- <授業計画及び準備学習>
- 下記のような内容について、適宜、事例研究をしながら学んでいく。
1.都市住宅地とは何か(第1回) ☆準備学習:身近な都市の住宅地を改めて見直してみる。 −講義全体の概説とともに、都市とは何か、都市住宅地とは何かを考える
2. 都市住宅地の切り口・論点(第2回) ☆準備学習:自分なりに都市住宅地の切り口や論点を考えて、整理してみる。 −都市住宅地は、様々な側面を持っている。 −第3回以降の目次的な役割として、切り口・論点を整理する。
3.人口の変化と都市住宅の需要・供給(第3〜5回) ☆準備学習:自分の住む都市の人口に関するデータ、住宅に関するデータを集め、読み取る。 −(1)大都市圏の住宅地と人口:人口の高齢化、通勤行動、住宅地の分布、住宅地の性格 −(2)都市住宅の需要と供給 :人口の都市集中、住宅事情の変化、住宅と世帯、住み替え実態 −(3)高齢化と都市問題 :高齢化による住宅問題、都市問題
4.わが国の住宅事情の現状把握とそれに対する住宅政策(第6〜9回) ☆準備学習:国や地方自治体の住宅政策を、文献やインターネットで調べる。 −(1)住宅事情の把握 :住宅・土地統計調査を中心として −(2)国・自治体の住宅政策 :住宅建設五カ年計画、住宅マスタープラン、住生活基本計画 −(3)住宅政策の基礎となる居住環境性能の考え方 −(4)住宅の供給方式 :公団・公社、借地・借家、定期借地・定期借家
5.密集市街地と集合住宅(第10〜12回) ☆準備学習:東京のいわゆる密集市街地を訪れ、その密度感を実感し、特徴を把握する。 −(1)東京の市街地変遷と都市住宅 −(2)集合住宅インフィルによる密集市街地改善
6.新しい集住形態と供給方式(第12〜14回) ☆準備学習:様々な新しいタイプの集合住宅の事例を集める。 −(1)コレクティブ −(2)コーポラティブ −(3)借地・借家、定期借地、定期借家 −(4)2段階供給方式
7.達成度の確認(第15回)
- <成績評価方法及び水準>
- 講義中に出題する宿題・レポート・小テスト等(40点分)、期末試験(60点分)によって成績を評価する。両者の合計が60点以上を合格とする。
- <教科書>
- 特に指定しない。講義の中で、参考書等を随時紹介し、また必要な資料を配布する。
ただし、下記参考書は、比較的よく使うものであるので、できれば持っていてほしい。
- <参考書>
- 「現代集合住宅のデザイン」 日本建築学会編著(彰国社)
「現代集合住宅のリ・デザイン」 日本建築学会編著(彰国社) その他、必要に応じて講義中に紹介していく。
- <オフィスアワー>
- 講義終了後、講義室または26階研究室(2674室)にて対応する。それ以外でも事前連絡により対応する。
E-mail;nozawa@cc.kogakuin.ac.jp
- <学生へのメッセージ>
- 都市に住むという価値観や人間の感覚は、時代とともに多様化してきている。様々な要求を理解するには、これまでの流れや基本的な知識を身につける必要があるので、そうした意味でもこの講義をぜひ聴いてほしい。
講義の中では事例紹介をできるだけしたいと考えているが、時間の関係もあり限界がある。自ら事例などを学ぶ姿勢(文献やネットで調べる、現場に見に行く)を持ってほしい。
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