2013年度工学院大学 第2部情報通信メディア工学科
現代科学技術概論(General Survey on Current Science and Technology)[1605]
2単位 木幡 侮m 非常勤講師
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- [ねらい]:サイエンスは,幾次かの科学革命を重ねて今日の姿にたどり着い
れる.そうした動きの背後で一つの観念が時とともに高次に抽象 化し,今日に至って実在の自然の解釈に不可欠のものとなった. 科学革命の黒子ともいえるこの概念の変遷をたどり,サイエンス そのものとの関係を見てみたい. [達成目標]:物理学を典型とする現代科学を底流で支えている自然観の発露 である「対称性」に着目し,ギリシャ自然学から17世紀後期ル ネサンス期のニュートン科学革命、そしてトピックス的に,今 日のサイエンスの最前線の話題の意味を考える.
- <授業計画及び準備学習>
- 第1週:導入.現代科学・技術のあり方と本講義との関係
第2週:科学革命という考え方 古代ギリシャ自然学以前 第3週:ギリシャ自然学の発生の経緯−− 古代ギリシャに限ってなぜ、ヨーロッパ自然科学の種(ギリシャ自 然学)が蒔かれたか? 第4週:ギリシャ自然学の3大潮流 (1)イオニア学派:アルケーの探求 第5週:(2)エレア学派:ゼノンのパラドクスの役割 (3)ピュタゴラス学派:数・和声・対称性の関係の追求_1. 第6週:ピュタゴラス学派:数・和声・対称性の関係の追求_2. 第7週:プラトンとプラトンの自然観−− イデア論に基づく自然観・宇宙像_ピュタゴラス学派の自然観の 継承_円の呪縛と「現象を救う」 アリストテレスの自然観・宇宙像との違い 第8週:アレキサンドリアの“科学”_1−− ギリシャ自然学の体系化・形式化の時代 第9週:アレキサンドリアの“科学”_2−− アレキサンドリアにおける数学・物理学の展開 アレキサンドリアの天文学−−プトレマイオスの宇宙モデルに至る系譜 第10週:ルネサンスの宇宙像_1–– コペルニクスの宇宙像とピュタゴラス・新プラトン主義 第11週:ルネサンスの宇宙像_2–– チコ・ブラーエの生涯.観測と宇宙像 第12週:ルネサンスの宇宙像_3–– ケプラーの精神の特異的二面性とケプラー科学の意味_ ピュタゴラス・新プラトン主義的神秘主義者としてのケプラーと, 桁外れに優れた科学研究者としてのケプラー. 第13週:惑星の運動に関するケプラーの3法則の発見の経緯とその意味(現代科学が揺籃期から抱えていた“いかがわしさ”の意味) 第14週:ニュートンの力学とケプラーの3法則_1 第15週:ニュートンの力学とケプラーの3法則_2
- <成績評価方法及び水準>
- ●評価基準は期末試験の点数のみ
(出席点を加味しない理由は、諸君の先輩受講生の自動出欠処理システム悪用による) ●合否分岐点:60点(つまり60点以上:合格,60点未満:不合格)
- <教科書>
- 特になし.プレゼンテーションソフトによるスライド表示がそれに代わる.
- <参考書>
- その都度紹介
- <オフィスアワー>
- 各週、講義終了後
- <学生へのメッセージ>
- 現代科学・技術の動きを興味本位で表層的に追うだけでなく,
現在の動きの歴史的背景についても関心を払う習慣を身に付け, 科学・技術に関する考え方に深みをもたせてほしい.また, 積極的に講義内容に関係する本を繙き,講師の言わんとするところを 的確にとらえる準備をして講義に臨んでいただきたい.
- <備考>
- ●プレゼンテーションソフトとテキストを主体とした説明となる.
内容は,配布テキスト・資料に並行する. ●補足的説明は,板書となるが,書字が不得手なため, 乱筆になりがち.平にご容赦を願います. 要点をとらえてノートをとる訓練を積んで下さい. ●レポート作成は,標準的なレポートの書き方を踏襲してほしい. (例えば,・論題→・現状→・分析→・結論→・参考文献のような構成で、 メリハリの利いた形で……)
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