2013年度工学院大学 建築学部

化学研究法(K)[4473]

試験情報を見る] [授業を振り返ってのコメント(学内限定)

2単位
徳永 健 准教授  
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最終更新日 : 2013/12/02

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
「原理の理解」→「実験の予習」→「実験」→「レポート作成」→「レポートの講評」、という一連の流れを通じて、化学の考え方を理解することを目標とする。一般教養としての基礎的な化学の講義・実験を通じ、自然現象に対する洞察力を磨き、科学的な広い視野を養う。本科目の履修にあたっては、高校レベルの化学の基礎知識を有することが望ましいが、必須ではない。

<授業計画及び準備学習>
4つのテーマを取りあげる。各テーマで、「原理の説明」「実験」「解説・講評」がセットになっている。実験は各個人で行う。上記目標を達成するための具体的なテーマは、

  【第2-6回: 定性分析実験】 水溶液中の金属イオンの分離・検出
  【第7-10回: 定量分析実験】 アルカリを用いた飲料中の酸濃度決定
  【第10-12回: 無機合成実験】 硫酸銅の製造および精製
  【第12-14回: 有機合成実験】 合成繊維ナイロン6,10の合成

各週のスケジュールは以下の予定。

1. 授業ガイダンス (講義)
  [学習内容] 履修の説明を行う。
  [学習準備] 準備は必要ない。
2. 定性分析実験1 (講義)
  [学習内容] 金属イオン水溶液や沈殿の色、溶解度積などについての講義を行う。
  [学習準備] テキストプリントの定性分析実験の原理部分を読んでくること。
3. 定性分析実験2 (実験)
  [学習内容] 実験器具の使用方法を説明する。Ag+, Pb2+, Cu2+, Al3+, Fe3+の各イオンの存在を確認するための化学的方法を確認する。
  [学習準備] 実験ノートに実験の予習をすること。
4. 定性分析実験3 (実験)
  [学習内容] Ag+, Pb2+, Cu2+, Al3+, Fe3+の混合溶液から各イオンを分離・確認するための方法を学ぶ。
  [学習準備] 実験ノートに実験の予習をすること。
5. 定性分析実験4 (実験)
  [学習内容]  前回の分析方法を用いて、身近な物質(メダル・針金など)を構成している金属イオンを分離・確認する。分析する物質は、各自異なるため、答えも異なる。
  [学習準備] 実験ノートに実験の予習をすること。
6. 定性分析実験5 (講義)
  [学習内容] 定性分析実験3 - 5の実験結果の検証とレポートの講評を行う。
  [学習準備] 定性分析実験3 - 5のレポートを完成させ、持参すること。
7. 定量分析実験1 (講義)
  [学習内容] 酸塩基反応、中和滴定法、指示薬などについての講義を行う。
  [学習準備] テキストプリントの定量分析実験の原理部分を読んでくること。
8. 定量分析実験2 (実験)
  [学習内容] 実験器具の使用方法を説明する。指示薬の色の変化、緩衝溶液の性質を確認する。
  [学習準備] 実験ノートに実験の予習をすること。
9. 定量分析実験3 (実験)
  [学習内容] 市販の飲料(食酢、ジュースなど)に含まれる酸の濃度を中和滴定法により決定する。
  [学習準備] 実験ノートに実験の予習をすること。
10. 定量分析実験4 (講義)・無機合成実験1 (講義)
  [学習内容]  前半は、定量分析実験2, 3の実験結果の検証とレポートの講評を行う。後半は、無機合成実験の説明を行う。
  [学習準備]  定量分析実験2, 3のレポートを完成させ、持参すること。テキストプリントの無機合成実験の原理部分を読んでくること。
11. 無機合成実験2 (実験)
  [学習内容] 硫酸銅の合成を行う。
  [学習準備] 実験ノートに実験の予習をすること。
12. 無機合成実験3 (講義)・有機合成実験1 (講義)
  [学習内容] 前半は、無機合成実験2の実験結果の検証とレポートの講評を行う。後半は、有機合成実験の説明を行う。
  [学習準備] 無機合成実験2のレポートを完成させ、持参すること。テキストプリントの有機合成実験の原理部分を読んでくること。
13. 有機合成実験2 (実験)
  [学習内容] ナイロン6,10の合成を行う。
  [学習準備] 実験ノートに実験の予習をすること。
14. 有機合成実験3 (講義)
  [学習内容] 有機合成実験2の実験結果の検証とレポートの講評を行う。
  [学習準備] 有機合成実験2のレポートを完成させ、持参すること。
15. 学習成果の確認・総評
  [学習内容] 学習成果の確認と総評を行う。
  [学習準備] 1 - 14回の内容の総復習を行うこと。

<成績評価方法及び水準>
実験を行う回は実験レポートを書いてもらう。また、最終回に、講義および実験内容に関する試験を行う。実験レポート50%・試験50%で成績評価し、点数が60点以上の者に単位を認定する。

<教科書>
教科書の購入は必要ない。プリントや資料を配布する。

<参考書>
「世界で一番美しい元素図鑑」,セオドア・グレイ著 (創元社)
「視覚でとらえるフォトサイエンス化学図録」,数研出版編集部編 (数研出版)
「化学 基本の考え方を中心に」,A. Sherman他著,石倉洋子,石倉久之訳 (東京化学同人)

<オフィスアワー>
(前期)木曜日9:20-10:50, 12:40-13:10、(後期)金曜日11:10-13:10とする。場所は八王子キャンパス(4号館1階103号室)。電子メールによる質問は、ft13309@ns.kogakuin.ac.jp または tokunaga@cc.kogakuin.ac.jp まで。

<学生へのメッセージ>
高校や大学1年次に学んだ化学の知識を、実験を通じて身近な物質や現象に適用し、化学を実感する授業である。実験直前に初めてプリントや資料を見るようでは、実験中に慌てて事故につながりかねない。安全かつ手際良く実験を行うため、事前に予習を行う必要がある。このため、実験ノートの準備を必須とする。

<備考>
化学実験室の定員(60名)の都合で、履修希望者が多数の場合は抽選となる場合がある。そのため、初回の授業には必ず出席すること。講義回と実験回で教室が異なるので、注意すること。
大学の教員情報: http://er-web.sc.kogakuin.ac.jp/Profiles/9/0000821/profile.html
個人のWebページ: http://tokunaga-ken.sakura.ne.jp/

 

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